MBFWT: yoshio kubo (ヨシオクボ) 2016-17年秋冬コレクション

若手の勢いがもてはやされる東京では珍しい10年選手である久保嘉男は、メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京 (以下 MBFWT) における言わば牙城だ。彼の手がけるメンズウェアブランド、yoshio kubo (ヨシオクボ) は今年で創立から13年目を迎える。そして同時に、セカンドラインである UNDECORATED MAN (アンデコレイテッドマン) は若手デザイナーの河野貴之を抜擢し、着実にブランドの DNA を次世代に継承している。

そんな久保の口から、今季2016-17年秋冬コレクションのランウェイショー後のインタビューで「何か新しいこと」という言葉が聞けたのは大きな収穫だ。日本のジュエリーブランド HEAVY & Co. blacksmith (ヘヴィー&コー ブラック・スミス) とのコラボによって発表された今回のコレクションでは、ブランドのアイデンティティであるハイブリッドなストリートウェアをベースに、ジュエリー感覚のレースアップディティールや、グラマラスなフリンジが新鮮な印象を与えている。また「より洋服にフォーカスを置いたコレクションにしたかった」という言葉通り、リハーサルで登場したカラフルなウィッグは本番では出番が無かったことも言及しておこう。異国情緒溢れるフリンジケープ、MA-1 を変形させたようなツイードジャケット、そしてこれまたこれまであまり yoshio kubo のランウェイでは見かけなかったワイドレッグのトラウザーなど、「いつもの定番」から「新たなフェイバリット」まで巧みに操った今季コレクションは、久々に MBFWT にフレッシュなエネルギーをもたらした。

HP: yoshiokubo.jp

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