MBFWT: 気鋭写真家、三宅英正が撮る Dressedundressed (ドレスドアンドレスド) 2016-17年秋冬コレクション
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MBFWT: 気鋭写真家、三宅英正が撮る Dressedundressed (ドレスドアンドレスド) 2016-17年秋冬コレクション
Seen-and-unseen Footage Of Dressedundressed 2016-17 Fall Runway
足早に過ぎてゆく季節、そしてそれにも増してファッションウィークは瞬く間に過ぎてゆく。今季2016-17年秋冬コレクションの目玉といえば、何と言っても Gwen Stefani (グウェン・ステファニー) の来日だろう。来季より冠スポンサーとしてファッションウィークに参画する Master Card (マスターカード) の計らいによるビッグセレブリティの招致は、退屈な東コレに半ば強制的に華やぎを添えるカンフル剤だ。
足早に過ぎてゆく季節、そしてそれにも増してファッションウィークは瞬く間に過ぎてゆく。今季2016-17年秋冬コレクションの目玉といえば、何と言っても Gwen Stefani (グウェン・ステファニー) の来日だろう。来季より冠スポンサーとしてファッションウィークに参画する Master Card (マスターカード) の計らいによるビッグセレブリティの招致は、退屈な東コレに半ば強制的に華やぎを添えるカンフル剤だ。
では実際のショーはどうかというと、やはり東京で勢いがあるのはストリートに根付いたヤングデザイナーたちだと言えるだろう。その中の筆頭が Dressedundressed (ドレスドアンドレスド)。既にファッションウィークのオフィシャルスケジュールで8回目となる中堅だが、ストリートを中心に着実にファンを獲得してきた北澤武志と佐藤絵美子による同ブランドのランウェイショーは、毎シーズン東京の Who’s Who が押し寄せる “ホットチケット” だ。
今回テーマに掲げられたのは「CONSCIOUSUNCONSCIOUS」。ではコレクションで何が “意識的” で、何が “無意識” だったのか。フォトグラファー三宅英正によるエクスクルーシブなバックステージ写真とともに振り返ってみよう。
まずファーストルックで登場したのはバストライとヘムにかけてレースの切り替えが施されたスリップドレス。足元は同ブランドには珍しくヒールのサイハイブーツが合わせられている。これまで継続的に打ち出されてきたクリーンでミニマル、都会的なスタイルに、ドキッとするようなセンシュアリティを意識的に重ね合わせた、ということだろうか。セカンドルックでは同じくレースのドレスに、ダランと伸ばされたニットのアームウォーマーが合わせられている。その後登場するオーバーサイズのレイヤードや、奇妙なパッチワークを施したスウェットのプルオーバーなど、今回のスタイリングでは Raf Simons (ラフ・シモンズ) の Olivier Rizzo (オリヴィエ・リッゾ) や Vetements (ヴェトモン) の Lotta Volkova (ロッタ・ヴォルコヴァ) に見る ミックス&マッチの妙に強く影響を受けていることが伺える。一方で、やはり一際目を引くのは端正な仕立てのアウターだ。中でも終盤で登場したキャメルやグレーのコートは、スーパービッグシルエットであるにも関わらず洗練されたテーラリングが冴え渡っている。
過去数シーズンの Dressedundressed は、お世辞にも新しいことに挑戦しているとは言えなかった。テーラリングは美しい。ジェンダーレスなスタイルはブランドの DNA でもあり、今のストリートの気風にも合致している。だからこそ、今回スタイリングを通して新たなビジョンを提示したことの功績は大きい。荒削りで未完成な部分も多いことは事実だ。例えばネクタイを首に巻くアレンジは些か奇をてらい過ぎだろう。しかしあくびが出るような東京のファッションウィークの倦怠感の中では、それさえも新鮮で期待感に満ちて見えた。