デザイナー舘鼻則孝が仏カルティエ現代美術財団にて文楽公演を初監督
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デザイナー舘鼻則孝が仏カルティエ現代美術財団にて文楽公演を初監督
Japanese Pappet Show 'TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge' At Fondation Cartier Pour L'art Contemporain Direction By Noritaka Tatehana
世界中で話題となりチケットを販売するや否や即完売となった、デザイナーであり現代美術作家の舘鼻則孝が初監督を務めた人形浄瑠璃文楽の公演『TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge』。大きな話題を呼んだことから既に何かしらの情報を得ている人も多いことだろう。ということで、今回はこの公演のまとめをご紹介。
世界中で話題となりチケットを販売するや否や即完売となった、デザイナーであり現代美術作家の舘鼻則孝 (たてはなのりたか) が初監督を務めた人形浄瑠璃文楽の公演『TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge』。大きな話題を呼んだことから既に何かしらの情報を得ている人も多いことだろう。ということで、今回はこの公演のまとめをご紹介。
2016年3月23日、24日の2日間、現代アートの振興を目的として設立されたパリのカルティエ現代美術財団にてその公演は開催された。今回、舘鼻が手掛けたのは、300年以上の歴史を誇りユネスコ無形文化遺産にも登録されている『文楽』。太夫、三味線、人形遣いの三位一体となった総合芸術で日本を代表する伝統芸能の一つである。ストーリーは3人の遊女が織りなす短編三幕から構成され、主演を務めたのは文楽人形遣いの名手である三世桐竹勘十郎を座頭に、本公演のためだけに結成された特別な一座によって披露された。会場は、文楽の本来の姿である小さな芝居小屋を再現、監督だけでなく舞台美術や衣装も担当し、日本の伝統工芸士と共に緻密に作り上げられた舞台や友禅染の衣装、小道具に至るまでこだわりを見せた。
友禅や花魁の研究をし、花魁下駄から着想を得た「ヒールレスシューズ」の作者としても知られる彼だからこその作品であり、現代アートと日本伝統芸能が生み出す新たな魅力とまるで江戸時代にタイムスリップしたかのような臨場感は大輪に花を咲かせた。
公演に訪れた観客の中には、六本木の21_21 DESIGN SIGHT「イメージメーカー展」で、同氏と共に出展をしたアーティスト、Jean-Paul Goude (ジ ャン=ポール・グード) などアート界の著名人の姿も多くあったとのこと。注目の高さをうかがわせる公演であり、いつか日本でも開催してほしいものである。
<プロフィール>
舘鼻則孝 (たてはなのりたか) 1985年、東京生まれ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で幼少期から手でものをつくることを覚える。東京藝術大学では絵画や彫刻を学び、後年は染織を専攻する。遊女に関する文化研究とともに日本の古典的な染色技法である友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。現在はアーティストとして、国内外の展覧会へ参加する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。
展覧会名 | TATEHANA BUNRAKU “The Love Suicides on the Bridge” |
監督 | 舘鼻則孝 |
主演 | 三世桐竹勘十郎 |
会場構成 | 五十嵐瑠衣 |
撮影 | GION |
会場 |
Fondation Cartier pour l’art contemporain
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出演者 |
太夫:竹本津駒太夫、豊竹靖太夫
三味線:竹澤宗助、鶴澤清馗、鶴澤清公
人形:三世桐竹勘十郎、吉田勘彌、吉田一輔、吉田簑紫郎、
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特別協力 | Roy Genty |
© NORITAKA TATEHANA, 2016 |