Modern Age Feminism; Maria Grazia Chiuri's First Dior Is Anything But Expected

現代のフェミニストたちに捧ぐ、リアリティワードローブ。Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による Dior (ディオール) 2017年春夏コレクションがデビュー

Modern Age Feminism; Maria Grazia Chiuri's First Dior Is Anything But Expected
Modern Age Feminism; Maria Grazia Chiuri's First Dior Is Anything But Expected
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現代のフェミニストたちに捧ぐ、リアリティワードローブ。Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による Dior (ディオール) 2017年春夏コレクションがデビュー

Modern Age Feminism; Maria Grazia Chiuri's First Dior Is Anything But Expected

Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による Dior (ディオール) が、遂にヴェールを脱いだ。今季2017年春夏ウィメンズファッションウィークで最も話題の集まる、待望のデビューショー。会場となったのは、ロダン美術館。会場では、メゾンのキーカラーであるライトグレーで統一された空間演出、そして寄木のステージが作り出された。

© Adrien dirand

© Adrien dirand

Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による Dior (ディオール) が、遂にヴェールを脱いだ。今季2017年春夏ウィメンズファッションウィークで最も話題の集まる、待望のデビューショー。会場となったのは、ロダン美術館。会場では、メゾンのキーカラーであるライトグレーで統一された空間演出、そして寄木のステージが作り出された。

現代女性にふさわしいファッションを作ること

デビューコレクションにおいて Maria Grazia が打ち出したのは、現代女性における新たなフェミニズム。「マスキュリン」、「フェミニン」、「若者」、「大人」、「理性」、「感情」。ファッションのクリエイションにおいて度々引用されるステレオタイプのカテゴリーを超越した女性像は、Dior の伝統、そしてヘリテージにかつてない一面を書き加えた。

ショーに来場した Rihanna (リアーナ) | Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images for Dior

ショーに来場した Rihanna (リアーナ) | Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images for Dior

ショーの幕を切ったのは、純白のパンツスーツ。Dior のショーのファーストルックでパンツルックが提案される、というだけで意外に思うが、フェンシングのユニフォームのようにキルティングが施されたユニークなトップスは、スポーティーかつミニマルでありながらどこかフェミニンさも漂わせている。

ファーストルックに代表されるように、フェンシングはコレクション全体を通してキーとなるデザインインスピレーションだ。貴族的なイメージで知られるこのスポーツは、また同時に思考と行動のバランス、そして知性と感情の均整が求められるという点においてもメゾンのスピリットを比喩的に体現している。

コンセプト、デザインだけでなくカラーパレットも象徴的だ。序盤のオールホワイトからブラック、ヌーディーなベージュ、情熱的な赤、そしてロマンティックなパステルシェードへと推移するカラーストーリーは、これまでの Dior を象徴してきた印象派絵画的な華やかな色使いに対し、まるでモダニズム絵画のように抽象的かつパワフルだ。

終盤には、クチュールメゾンらしい繊細なファブリック使いとエンブロイダリーが施されたルックも登場したが、メゾンのキーモチーフを遊び心溢れるジャカード織で表現したニットやロゴ入りのアンダーウェアを覗かせたスタイリングは、「アンチ・ノスタルジック」というスタンスを明確に示唆している。

かくして大きな話題を巻き起こした、Maria Grazia のデビューコレクション。Dior の長いメゾン史、厳密に言えば69年の歴史において初となる女性デザイナーの誕生を祝うべく、会場には世界屈指のジャーナリストたちをはじめ Rihanna (リアーナ) Marion Cotillard (マリオン・コティヤール) をはじめとするセレブティたち、そして著名デザイナーたちが一同に集結。中でも印象的だった来場者は Pierpaolo Piccioli (ピエールパオロ・ピッチョーリ) だろう。Fendi (フェンディ) で共にデザインチームに携わり、Valentino (ヴァレンティノ) では共同クリエイティブ・ディレクターとして共にクリエイションを手がけてきた同志の喝采は、新生 Dior の門出を暖かく祝福しているようだ。

問い合わせ先/クリスチャン ディオール 0120-02-1947
HP: www.dior.com