ロジックで攻めるファッションマーケティング – 目的と効果の数値化、明確化 (第2回/全2回)
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ロジックで攻めるファッションマーケティング – 目的と効果の数値化、明確化 (第2回/全2回)
Logical Fashion Marketing: digitization and clarification of goals and results part.2
プロモーション効果を「数値的」に分析、課題を抽出し、次シーズンのプランニングではその課題を改善する施策を付け加える。第1回目のコラムでも示した方程式通り、どこのポイントでどれだけ上げれば目標を達成できるという数値化されたシミュレーションに基づいてプランニングを行ったとしても、多くの場合その通りに進むなんてことはないだろう。なぜなら顧客は人間であり、人間の行動には不確定要素が溢れているからだ。さらに広告やプロモーションの効果測定には現在のテクノロジーをもってしても、どうしても数値化することができない部分が多々あるからだ。しかし、それでも一回一回の戦略をしっかりとシミュレーションした上で実行し、実施結果を見て、どこの部分がシミュレーション数値に未達だったのかを分析し、次シーズンのプロモーションプランニングに反映することを繰り返せば、間違いなく無作為にカタログを作成し情報を垂れ流し続けているよりはROI (費用対効果) は向上されるはずだ。広告業界で言うところのPDCAサイクルをしっかりと踏んで、まずは改善できる課題から一つずつ解決していくことが、いまの日本のファッション業界のマーケティングにはもっとも必要なのではと考える。
文: STORYWRITER 翻訳: Oilman
<ロジックで攻めるファッションマーケティング – 目的と効果の数値化、明確化 (第1回/全2回)>はこちら
ファッション業界にも数値化されたPDCAサイクルを
PLAN → DO → CHECK → ACTION(RE:PLAN)
プロモーション効果を「数値的」に分析、課題を抽出し、次シーズンのプランニングではその課題を改善する施策を付け加える。第1回目のコラムでも示した方程式通り、どこのポイントでどれだけ上げれば目標を達成できるという数値化されたシミュレーションに基づいてプランニングを行ったとしても、多くの場合その通りに進むなんてことはないだろう。なぜなら顧客は人間であり、人間の行動には不確定要素が溢れているからだ。さらに広告やプロモーションの効果測定には現在のテクノロジーをもってしても、どうしても数値化することができない部分が多々あるからだ。しかし、それでも一回一回の戦略をしっかりとシミュレーションした上で実行し、実施結果を見て、どこの部分がシミュレーション数値に未達だったのかを分析し、次シーズンのプロモーションプランニングに反映することを繰り返せば、間違いなく無作為にカタログを作成し情報を垂れ流し続けているよりはROI (費用対効果) は向上されるはずだ。広告業界で言うところのPDCAサイクルをしっかりと踏んで、まずは改善できる課題から一つずつ解決していくことが、いまの日本のファッション業界のマーケティングにはもっとも必要なのではと考える。
Webとリアルの境界線を超えられる消費者、超えられないブランド
『Facebook (フェイスブック) 』、『Twitter (ツイッター) 』などSNSで発信される情報の多くはリアルの世界で起こっているコト、モノである。消費者はSNSとリアルの世界を簡単に飛び越える。雑誌のお気に入りのページを写メして友人に『LINE (ライン) 』で共有したり。ファッションブランドが開催するイベントの様子を『Facebook』にアップし、それを見た別の友人がそのブランドのウェブサイトに来訪し、ECサイトから商品を購入するなんて、いまやどれも日常茶飯事だ。
2/2ページ: 「『総合演出家』のような存在がブランドの内外に必要なのだ」
このように消費者にとってリアルとウェブの垣根はなく、どれも消費者のリアルなライフスタイルの中に違和感なく浸透している。広告会社を中心に「O2O(Online To Offline)」なんて言葉の流行ばかり先行しているが、多くの消費者はすでに「O2O」を取り入れた生活をあたり前に行っているのだ。そんな中で消費者に情報を提供するブランドは、本当にウェブとリアルの垣根を超えることができているのだろうか?先述した通り多くのファッションに限らない企業(ブランド)では、いまだ縦割りの組織の中でウェブはウェブ担当、雑誌やリアルはプレス(PR)担当というように、それぞれの役割が限定化されているように見受けられる。繰り返しになるが、よりマーケティング活動の精度を高め、ROIの最大化を図るためには、すべてのメディアとプロモーション手法を横断的に分析し、一気通貫したストーリーを描くことができる「総合演出家」のような存在がブランドの内外に必要なのだと考える。そのような存在がブランドの中に現れたときに初めて、ファッションブランドのプロモーションは本当の意味でロジックを持ちはじめるのではないかと思う。
最後に、ロジックとアイデア(クリエイティブ)というのは鶏と卵のような関係だ。どちらが先にあるべきという訳ではなく、どちらが決定的に重要というワケでもない。それぞれが単独では存在し得ない、相互補完の関係である点は、企業のプロダクトとマーケティングの関係にも似ている。私のようにマーケティングに従事する人間は決して万能ではなく、あくまで各企業のプロダクトというものが存在してこそ、その役割を与えられる。だからこそ互いが互いを理解することがなにより重要であると考える。言ってしまえばプロダクトを完璧に理解した内部の人がマーケティングの仕組みをマーケッター同様に理解することができればブランドの成長に非常に大きなインパクトを与える存在になると思う。
<ロジックで攻めるファッションマーケティング – 目的と効果の数値化、明確化 (第1回/全2回)>
STORYWRITER / 企業のマーケティングコンサルティングとコミュニケーションプランニングソリューションを提供。大手広告会社においてウェブと既存メディアを融合したクロスメディアコミュニケーションの企画立案に従事。その後、国内有名ファッションブランディングエージェンシーにおいて、コミュニケーションプランナーとしてさまざまなファッションブランドのブランドプロモーションのコミュニケーションプランニングを担当。2012年10月、「STORYWRITER (ストーリーライター) 」立ち上げ。現在さまざまな業種の企業のマーケティング活動のサポートを行っている。
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