Interview with Shunsuke Sato from satisfaction guaranteed, the brand with over 2 million Facebook fans: part 2

Facebookのファン数200万人以上を誇る、いま注目のブランドビジネスを展開するsatisfaction guaranteed(サティスファクション・ギャランティード)佐藤俊介氏インタビュー 後編

Interview with Shunsuke Sato from satisfaction guaranteed, the brand with over 2 million Facebook fans: part 2
Interview with Shunsuke Sato from satisfaction guaranteed, the brand with over 2 million Facebook fans: part 2
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Facebookのファン数200万人以上を誇る、いま注目のブランドビジネスを展開するsatisfaction guaranteed(サティスファクション・ギャランティード)佐藤俊介氏インタビュー 後編

Interview with Shunsuke Sato from satisfaction guaranteed, the brand with over 2 million Facebook fans: part 2

シンガポール発信ですべてが“Made in Japan”のブランド、satisfaction guaranteed(サティスファクション・ギャランティード)。Facebookのファン数が200万人を超え(2012年6月18日現在)、ファッション部門としては国内1 位、さらに世界からもみても29位と、Facebookをきっかけとし世界に勝負に出た企業として、圧倒的な存在感をしめしている。また2011年に伊藤忠テクノロジーベンチャーズから総額約2億5千万円の出資を受け、アジアを中心にさらなる国際的な展開を行っている。このブランドを手がける会社 SATISFACTION GUARANTEED PTE LTDの代表・佐藤俊介氏はテレビや雑誌など数多くのメディアで取り上げられ、いま最も注目を集める経営者のひとり。そんな佐藤氏にバックグラウンドから今後の展望、さらには海外でビジネスを成功させるためのヒントを聞いた

©THE FASHION POST

取材・文: 編集部

シンガポール発信ですべてが“Made in Japan”のブランド、satisfaction guaranteed(サティスファクション・ギャランティード)。Facebookのファン数が200万人を超え(2012年6月18日現在)、ファッション部門としては国内1 位、さらに世界からもみても29位と、Facebookをきっかけとし世界に勝負に出た企業として、圧倒的な存在感をしめしている。また2011年に伊藤忠テクノロジーベンチャーズから総額約2億5千万円の出資を受け、アジアを中心にさらなる国際的な展開を行っている。このブランドを手がける会社 SATISFACTION GUARANTEED PTE LTDの代表・佐藤俊介氏はテレビや雑誌など数多くのメディアで取り上げられ、いま最も注目を集める経営者のひとり。そんな佐藤氏にバックグラウンドから今後の展望、さらには海外でビジネスを成功させるためのヒントを聞いた

前編はこちらから

– 2010年からシンガポールに拠点を構えていますが、なぜ進出を決めたのですか?

シンガポールというのは地理的にアジアのハブなので、そのエリアを攻めるのであればシンガポールを拠点にすることがとても理にかなっているというだけのことです。スタッフ構成は東南アジア人が多いので、そうなると地理的にシンガポールが距離的に近いというのと、商圏エリアであるということ。あとはグローバルな人材を集めていかないといけないのですが、シンガポールは異文化が混じり合っていてさまざまな人たちを採用できます。日本では国際的な人材というのはほとんどいないですからね。なので、僕らほどシンガポールに拠点を移したほうがいい会社はないと思うので、ある意味で必然だと思っています。

2/4ページ:satisfaction guaranteedの今後の展開は?

– タイとかだとFacebook上での通信販売のやり取りが多いと聞きますが、Paypalなどがまったく信用されていないそうで、銀行振込が主流だそうです。シンガポールでもそういう感じでしょうか?

アジアは基本そうですね。シンガポールは別なんですけど。インドネシアとかも基本的には銀行決算で、クレジットカードは普及率7%ぐらいです。93%はクレジットカードを持ってないですからね。決済手段というのは日本とは全然違いますよね。そもそもECについても考え方がまったく違います。昔の日本みたいな感じですかね。ただいまのインドネシアが仮に10年前の日本だとしても、10年かかるかといったらそうではないのです。急速にアジアは成長しているので。なのでいまのうちにやっておかないといけないことは多いと思います。

– 今後の展開は?

日本のいいプロダクトというのを、satisfaction guaranteedというブランドで世界に発信していくというのが僕らの目的なので、ファッションだけじゃなくていろいろなプロダクトを含めたブランドビジネスをやっているということを強烈にアピールして、やっていくことです。

Angry Bird, Photography: TinyPrintables via flickr
例えばAngry Birds(アングリーバーズ)とかもそうなんですけど、もうゲームだけの会社じゃないですからね。東南アジアではもう完全にプロダクトメーカーになっています。Tシャツとかのレベルじゃなくて、コップとか布団カバーまでありますから。ゲームという側面だけでAngry Birdsを見ちゃうとまったく違ってきちゃいます。LINE(ライン)とかもきっとそうなっていくと思いますね。なのでいまはインターネットを介してのブランドの作り方ってそうやって変わってきている。だから僕らもそれと一緒でファッションというのは仮の姿でしかないという感じですかね。

 

 

 

 

3/4ページ:「日本の成功モデルだと思って日本の服を海外に持って行ってもほとんど売れないのは、だれもそういうのを望んでいないから。」

– ちなみに洋服とかはどういうところで買うんですか?

いろいろな国に行ったときに、その土地のドメスティック・デザイナーの服を買います。日本だったら溢れかえるほどドメスティック・デザイナーの服があるんですけど、例えばインドネシアとかに行くと、インドネシア人がやっているブランドとかってまだほとんどないんですよ。僕もシンガポールに住んでいるのでいろいろなアジアの人の感覚を勉強しているのですが、そこでわかったのが、日本の服というのはコーディネートの服なんですよね。コーディネートがくっついてこないと、日本の服ってかっこよく着こなせないんです。でも日本人って基本的にオシャレなんでそれができるんですけど、そのほかのアジア人は本当にそれができないんですよ。なんでできないかというと、サブカルチャーがないからなんです。

極端な話、ルイ ヴィトンみたいなハイエンドの服と、1,000円で売っているようなファストファッションの服の2種類しかない。真ん中がぽっかり空いちゃっているんですね。それがサブカルチャーなんですよ。日本はそこがあるので、例えばBEAMS (ビームス) の1万円のTシャツをなぜ買うかというと、あのオレンジのバッグからきてるわけですよ。そういうカルチャーがあって、ビームスの存在が証明されているからいいんですよ。アジアにはそういう感覚が本当にないので「なんで1万円のTシャツを買わないといけないの?」っていう感覚なんです。

それに挑戦しているのがローカルのデザイナーで、ちょっと値段を高めに設定して服を売ろうとしてます。で、どういう服ができあがっていくかというと、奇抜な服がどんどんできあがっていくんです。それこそ20年前の日本のファッションみたいな、ロリータパンクのデザインとか。一番わかりやすく言えば、COMME des GARÇONS (コム デ ギャルソン) ですよね。あのようなスタイルの服がアジアで流行っています。韓国でもそうです。韓国のファッションというのがアジアで人気が出るのはすごくわかるわけですよ。

日本の成功モデルだと思って日本の服を海外に持って行ってもほとんど売れないのは、だれもそういうのを望んでいないから。でも、普段なかなか時間がとれないんですけど、たまに日本のショップにいくと楽しくてしょうがないですよね。すごくオシャレだから。でもアジアだとそのオシャレが理解されない。だけどそれもわかるんですよ。わからないのがわかるし、日本の方が圧倒的にオシャレなのもわかる。そういうのを楽しんでいますね。だから海外にいるときはその国のドメスティックのものばかり買っています。

4/4ページ:「空港というのはすごく合理的な場所で、シンガポールという国とよく似ているんです。」

– 日本ブランドで、香港のJOYCE(ジョイス)とかLane Crawford(レーンクロフォード)で人気なのはハイエンドなストリートブランドですよね。

ストリートブランドがなんでアジアで流行るか?その理由は、ちょっとエッジがたっているし、わかりやすいキャラクターとかも使っている。わかりやすさがないとアジアではむずかしい。日本の場合、無地のTシャツでもかっこよく着られますよね。でもそれをかっこよく着こなせるのは日本人とヨーロッパ人ぐらいだと思います。アジアで無地のTシャツを着ているとダサくてしょうがないですよ。サイズ勘も適当だし。でもオシャレな人は毎月のように増えてきている感じがします。一気にくるかもしれませんね。

Changi International Airport (SIN), Photography: JasonParis via flickr

– 2025年までにアジア圏内で旅行する人の数が欧米圏内で旅行する人の数より圧倒的に増えると言われているのもあってか、ヨーロッパのハイブランドは空港ビジネスに力を入れてきています。satisfaction guaranteedのブランディングとして、空港ビジネスに興味はありますか?

とても興味深いところだと思いますね。やはり空港は聖域なので、いろいろな意味で価値のある場所だと思っています。Angry Birdsなんかも空港にとても力を入れていて、シンガポールでは空港ジャックとかやったりしています。シンガポールのチャンギ国際空港とかは、アジアのハブなので空港としていいのですが、ほかの東南アジアの空港とかはショボショボなんですよね。あと、ほかのアジアの国々では、日本のようにゴールデンパスポートでどこでも入れますという状況ではないので、海外旅行できる人はかなり少ないです。空港というのはすごく合理的な場所で、シンガポールという国とよく似ているんです。なんでもあるんですけど、どこにでもあるものしかない。シンガポールという国は空港みたいな国なんですよ。空港にカルチャーなんてないじゃないですか?国じゃないから。シンガポール行くと国じゃないみたいですよ。

佐藤俊介(さとう しゅんすけ)2006年に株式会社エスワンオーを設立。2007年にインターネットを活かしたアパレル事業を開始し、メイドインジャパンに拘ったブランド 「satisfaction guaranteed」をローンチ。satisfaction guaranteedは現在世界20カ国以上、200万人以上のファンをFacebookで獲得し、ファン数日本一のFacebookページとして話題と なっている。2010年、シンガポールにSATISFACTION GUARANTEED PTE LTDをを設立し、Founder&CEO就任。翌年に株式会社サティスファクションギャランティードジャパン設立、代表取締役社長CEOに就任し、株式 会社エスワンオーインタラクティブ代表取締役会長就任。ソーシャルメディア活用の先進例としてテレビや雑誌など数多くのメディアに取り上げられ、全国で講 演も多数行っている。2012年4月にシンガポールで行われたAPEC(アジア太平洋経済協力)にて単独スピーチを務めた。

Facebook: http://www.facebook.com/japan.satisfactionguaranteed
URL: http://satisfaction-guaranteed.jp/