open the door to a new world of scents vol.1

【香料連載】 第1回 世界のお茶

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【香料連載】 第1回 世界のお茶

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photography: So Mitsuya
text: AYANA
edit: miwa goroku

人気の香り、ときめく余韻、あの人の香り、刺激的なスパイス…… 香りに求める要素は人それぞれ。さらにその日、その場所によって、使いわける香りをいくつか知っていると、服装や気分まで変わってきそうです。ファッションフレグランスからニッチなメゾンフレグランスまで、どこまでも広がる膨大なラインアップから、ビューティライターの AYANAが<香料>をフックに香りの魅力を紐解く新連載。独自のデジタルコラージュで注目を集める写真家・三ツ谷想のヴィジュアルとともに、新しい香りの世界へとつながる入り口までご案内。

NICOLAI (左): まろやかな香りの薬草、マテ茶が主役。オスマンサスやジャスミン、フィグ、コリアンダーが隠し味。NISHANE (右): 烏龍茶とシトラスのマリアージュに、アオモジやムスクが添えられて。フィグが爽やかな余韻を残す

「お茶」という存在が私たちに与える安心感たるや。一息つきたいときに「お茶にしましょう」と言ったり、来客があればお茶を出したり。緑茶、紅茶、プアール茶に烏龍茶と、ところ変われば種類こそ変化するけれど、その文化や概念は普遍であり、誰もがお茶の前には少しだけ心を許してしまいます。

だからお茶のフレグランスも親しみやすいものになります。みずみずしくさっぱりとしていて、大人っぽくもフレッシュで、癒しもエネルギーもくれる……万能すぎて目眩すらおぼえるポテンシャル。フルーティな香りと組み合わせればフレーバーティーに、スモーキーな香りと組み合わせれば燻製茶に、というレンジの広さも、文化部なんだけど運動部とも仲良くなれちゃうあの子って感じで頼もしく、お茶の香りをツイストした名品フレグランスも個性はさまざま。きっと自分にフィットするものがあるはずです。

 

ROGER & GALLET (上): アルベルト・モリヤスが描く、まったく新しいアールグレイ。L’ARTISAN PERFUMEUR (右): 燻した中国紅茶のラプサンスーチョンに、スパイスやハチミツ、バニラをひとさじ。THE HOUSE OF OUD (下): ブルーティー & ブラックティーをベースに、まろやかなハーブをブレンド

お茶の香りって誰もが接してきているものだから「あのとき誰かと過ごした時間」までも想像させ、ごくごく個人的な甘い記憶やほろ苦い思い出を突然呼び覚ましたりします。すごく親密で特別なものに感じるのに、誰もが惹かれてしまう、誤解を恐れずにいえば村上春樹の小説みたいなところがあるわけですね。

ただフレグランスの素材としては比較的新参者のようで (グリーンティーの香水などは90年代に台頭したと言われます)、独自のノートを形成するには至っていない。その個性によってグリーンノートとか、グルマンノートに入る感じでしょうか。フレグランスの圧倒的人気を誇るフローラルノートに比べると、その存在はまだまだニッチなものといえるかもしれません。

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