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books' concierges recommend 8 art philosophy books

代官山 蔦屋書店コンシェルジュが選ぶアートの哲学書8選

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代官山 蔦屋書店コンシェルジュが選ぶアートの哲学書8選

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text: yumiko miyadai (daikanyama tsutaya books concierge)

「アート」とは何か、この作品はどう解釈するか。これは、現在を生きる私たちが何に美しさを感じ、何に価値がある、そして意義のある経験やものであると知覚するのかを問うことであり、それは「いかに生きるか」ということへと繋がっていく。「アート」あるいは「美的経験」をテーマに、理論から実践に至る幅広い哲学書を代官山 蔦屋書店コンシェルジュが選出。日常にあふれる「芸術」という存在を哲学の目線から紐解くと、多様な世界を垣間見ることができるはず。

01. 近代美学入門/井奥陽子

私たちが、現在何気なく抱いている芸術、芸術家、美、に関する常識の多くが、近代ヨーロッパで成立した価値観である。近代美学の解説を通してアートや芸術、美や崇高についての歴史を辿り、混沌としがちな言葉や概念を明瞭にしていく本。豊富な図とわかりやすい言葉で綴られた本書は、美術入門書としておすすめ。

02. なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門/ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル

出会うもののほとんどすべてが、美的価値を意識してデザインされている現代。そうした美的なものに気を配る生活を送る私たちが「なぜその生活が大事なのか」「美的生活とは何か」「その生活のあるべき姿」などを考え、問いへと導く。現代美学を代表する3人が提案する、哲学入門の授業向けに書かれた書籍。

03. アートの力:美的実在論/マルクス・ガブリエル

アートはどこでにでもある。それは私たちの生存に影響を及ぼす絶対者で、ラディカルに自律した存在であり、私たちの方がアート作品に巻き込まれるか否かのどちらかだ。それがアートの力なのだ。人気哲学者による大胆な美的実在論。

04. ポスト・アートセオリーズ:現代芸術の語り方/北野圭介

現代芸術は、今や混迷の中で理解しがたいものとなりつつある一方で、それを名だたる知性が語り、巻き込む磁場となっている。「芸術の終焉」「ポストモダニズム」「ポストセオリー」をキーワードにアートと現代思想の関係を紐解く。

05. 何もしない/ジェニー・オデル

人々の関心や注目度そのものが、経済的価値を持つようになる、いわゆる「注意経済(アテンション・エコノミー)」が蔓延し、有用で生産的であることを求められるこの世界で、芸術の鑑賞は新たな注意を向けるフレームワークを生み出す一つの体験となる。自らにふさわしい生き方を探る。

06. 創造性はどこからやってくるか—天然表現の世界/郡司ペギオ幸夫

創作の「ひらめき」はどこからやってきて「できた」はいつ生まれるのか。生命のモデル、外部と付き合うための実戦の方法である「天然知能」を「天然表現」へと展開し、著者自らが作品を制作し実践に挑む。異色の表現・創造論。

07. 庭のかたちが生まれるとき:庭園の詩学と庭師の知恵/山内朋樹

自然の石が庭の石となり、もとの石としての存在感を増していく。徹底して非意図的で以前からそこにあったかのように佇む「あってないような」日本庭園の庭づくりのプロセスを通して、即興と偶然、そして変化し続ける制作の在り方を克明に記す。庭師であり美学研究者でもある著者が、京都福知山の観音寺を訪ね、庭のつくられ方を記録した書籍。

08. 沈黙とイメージ/竹内万里子

痛みを伴う作品と出会う。目の前にあるこの写真をどうやったら「見た」と言えるのか。底知れない沈黙を前に想像することの限界を感じながらも、見ること、言葉にすることを問いつづける写真をめぐるエッセイ。