時を経ても色褪せないもの。ハマ･オカモトが着こなすアヴィレックス

—スタイリストの TEPPEI さんはサイズ感にかなりにこだわっていましたね。

TEPPEI さんはサイズの鬼なんで(笑)。ご一緒するようになって長いんですが、丈ひとつで服が決まるっていうことを彼の手腕で日々感じていますね。時間があれば一緒に買い物にもついてきてもらっています。丈って同じサイズ表記でも思っている以上にバラバラなんですよね。TEPPEI さんと出会ってからよく見るようになりました。

—TEPPEI さんと出会う前はどのように服を選んでいましたか？

どうしようもないですよ、全部 Lサイズ(笑)。どうやって服を買っていたのか覚えていない。僕、人生で制服を着たことがないんです。通っていた学校は全部私服通学で。高校生の頃には毎日コーディネートを考えるのに疲れてしまって。もうどうでもよくなっていましたね。そのテンションのまま19歳でデビューして。今でも忘れられないのが22歳くらいのとき。自分が出演した音楽フェスのバックヤードの様子が小冊子になって発売されたんですが、そこに写っていた自分がひどいわけですよ。デビューしたてだったので、自分が写っているかな？ とピュアな気持ちで見たのに、一貫してひどい(笑)。これは誰も憧れないぞと。そんな時期に TEPPEI さんとお会いして、スタイリングを担当していただくことになりました。今考えると本当に幸運でしたね。

—洋服のこだわりはありますか？

自分が通っていないカルチャーの服は着ないことですかね。例えば鋲ジャンとか。僕はパンクを通っていないので、拝借するのはちょっと違うなと。バンド T シャツも持っていますが、自分が本当に好きで聴いているバンドのものしか着られないですね。今日私服で着ていた AVIREX の Brunswick のコラボ MA-1もその一つ。レーベル自体がずっと好きだったのもあって、夢のコラボというか。ずっと着続けたいアイテムです。あとこだわりで言うと、メガネを買い換える時期を決めています。宣材写真を撮るときとツアーのタイミング、あとは使用歴が長くなったら新しいメガネを買うようにしていて。毎日別のメガネをつけるというよりは、時期によって新しいものに更新していく感じですね。

—今後挑戦してみたいファッションスタイルを教えてください。

B ボーイっぽいスタイルはあまりしたことがないので、チャレンジしてみたいですね。ちょっとやんちゃな雰囲気の自分を見てみたいです。あと、撮影で着た黒のワントーンみたいなコンセプチュアルなスタイリングにも挑戦したい。普段の生活では着る機会がないので、コンセプトや目的、制作の意図を組んだコーディネートにはすごくワクワクします。

—どのように歳を重ねていきたいですか？

高田純次さんみたいになりたいです。自然体な自分でいたいですね。そろそろ僕も30代半ばになるので、いろいろなところで「ちゃんとした自分」を求められることが増えたんです。でも僕はそんなにちゃんとしてないので(笑)。いい加減なことだけ言っていたいんですよ。「ちゃんとしてなくていいんだ」っていう部分も出していけたらなって思います。どうしてもちゃんとした自分って「役割」みたいになっちゃうじゃないですか。高田さんって、街ブラの番組で巣鴨の70代くらいのおばあちゃんたちに「あら今日は卒業旅行？」って声をかけていて。すごくないですか？(笑) 冗談と本気の塩梅が本当に天才ですよね。僕もそうなれるように、もっと肩の力を抜いて地で行けるものを開拓していきたいですね。