パッケージの美学。ディティールに宿るラグジュアリー
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パッケージの美学。ディティールに宿るラグジュアリー
the 4 beautifully packaged cosmetics
for 2025 autumn
photography: asako nakamura
text: natsuki endo
edit: manaha hosoda, miku oyama
目をひくデザインやカラー、まるでジュエリーのような佇まいのものまで。毎日使うコスメだからこそ、ファッションやジュエリーと同じように、ビジュアルにもこだわりたい。今回は、手に取るだけで心をときめかせ、日々の生活に彩りを添えるアイテムたちをご紹介。前編は、その日の気分を映すメイクアップアイテムをご紹介。
オンブル ドゥ エルメス パレット クワテュール オンブル・オプティック12 ¥15,290 *数量限定/Hermès (エルメス)
コンパクトに宿るエレガンス
アイパレットを開く瞬間は、いつだって胸が高鳴る。「オンブル ドゥ エルメス パレット クワテュール」は、まさに洗練をまとったミニマルなオブジェのようだ。メゾンのエンブレムが輝くラウンドケースを開くと、中には幾何学的な円と四角のシェードが並ぶ。バウハウスのアートワークから着想を得たそのデザインは、メゾンの美意識と哲学を鮮やかに物語り、繊細でありながらも力強い発色で、目もとに新たな表情を宿してくれる。
ドリス ヴァン ノッテン ノマディックケース 全2種 各 ¥34,320/DRIES VAN NOTEN (ドリス ヴァン ノッテン)
装いを変えるフレグランス
香水を「着飾る」ようにまとうことができるなら。 DRIES VAN NOTEN (ドリス ヴァン ノッテン) が提案するのは、プリントの芸術とブランド哲学である「不可能な組み合わせ」に着想を得た持ち運び用のフレグランスケース。その鮮やかな色合いと柄は、まるで持ち歩く芸術品のような存在感を放つ。今回登場したのは、フローラルとウッディの2種のコフレ。「フローラル コフレ」には、ローズピンクのマーブル模様にアールデコ調のキャップをセットしたケースが、「ウッディ コフレ」には、無機質なストローク仕上げの本体と、日本の伝統技法「墨流し」から着想を得たキャップを組み合わせたケースが、セットされた。遊び心を反映させたデザインは、フレグランスの枠を越え、ファッションの一部のように溶け込んでくれる。
バーバリー アルティメット グロウ クッション 全6色 各 ¥9,900/Burberry Beauty (コティ ジャパン)
ヘリテージを肌にまとって
今年2月に日本に上陸したばかりの Burberry Beauty (バーバリー ビューティ)。ファッションの哲学を落とし込んだメイクアップアイテムは、どれも英国の品格を携えたタイムレスなデザインが特徴だ。その中でも一際目をひくのが、ゴールドのコンパクトにセットされたクッションファンデーション。ふたにはブランドを象徴する「バーバリーチェック」のモチーフがあしらわれ、光の加減によって一層鮮明に浮かび上がる。伝統とモダニティが融合したラグジュアリーなコンパクトは、メイクアップのステップを単なる準備としてではなく、自分を整えるための特別なリチュアルへと昇華させる。
リップバーム&ティントリップバーム全5色各 ¥8,525/BYREDO (バイレード)
日常を彩るお守りリップ
メイクアップの主役として華を添えるリップ。色をのせた瞬間の高揚感はもちろん、その佇まい自体が密やかな自信をくれるお守りのようだ。日常に欠かせないリップケアに、新たな価値をもたらすべく誕生した「リップケア コレクション」。竹をイメージしたという有機的なラインが、手に取るたびに自然との調和を思わせ、しなやかさと凛とした強さを感じさせる。磨き上げられたメタルの重厚感とひんやりとした感触は驚くほど自然に手に馴染み、マグネット式のキャップは、開閉時に心地よいフィット感を与える。手にする人に寄り添った緻密なデザインは、リップを塗り直す日常的な仕草さえも、心が弾む時間へと変えてくれるはず。











