theory
with sakiko hirano
model: Sakiko Hirano
Photography: Masayuki Ichinose
Videographer: Taro Okagawa
styling: Maiko Kimura
hair & make up: Boyeon Lee
edit & text: Manaha Hosoda & Miu Nakamura
1997年にニューヨークで誕生して以来、Theory (セオリー) は常に「挑戦する女性」の味方だった。その原点は、一本のパンツ。上質な素材と計算されたパターンがもたらす完璧なフィット感は、着る人に自信を与え、最大限のパフォーマンスを発揮してきた。
今回、ブランドを象徴する素材「Admiral Crepe (アドミラル クレープ)」を用いた新作を、活躍するフィールドの異なる4名の女性が多彩に着こなす。フォーカスするのは、美しいドレープ感と、凛としたハリ。身につけるだけで、背筋が伸び、エネルギーが満ちてくる。
最終回に登場するのは、食をこよなく愛し、独自の言葉と感性でその魅力を伝えるエッセイスト兼フードディレクターの平野紗季子。彼女が Admiral Crepe に袖を通したとき、そこに生まれたのは、その朗らかで伸びやかな人柄が織りなす肩肘のはらないエレガンスだ。着る人の個性に寄り添いながら、これまでと少し違う新しい自分に出会うという好奇心を刺激する。今の自分を愛し、次なるステージへと自分を引き上げるためのワードローブ。彼女らしい2つのスタイルを通して、そのアティチュードを紐解いていく。
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私を更新する、セオリーというアティチュード。vol.4 平野紗季子
Theory のルーツがニューヨークだと聞いて平野の頭にすぐ浮かんだのは、最近リニューアルオープンしたばかりのパーク ハイアット 東京の「ニューヨーク グリル」。ダイナミックなパノラマビューを望むここには、Theory の服づくりとも通じる、確かな哲学、洗練とあたたかさが宿っている。家族や友人たちとのカジュアルなランチから、大切な人とのロマンティックなディナーまで、Theory の Admiral Crepe はどんな瞬間にもフィットする。バックスタイルでエレガントにドレープを描くピンストライプのシャツに、「Admiral Crepe Wide Pull On Full Length」を合わせて、リラックスしたムードを演出しながらも、現代女性のコンテンポラリーなスタイルを反映させる。また、Admiral Crepe のドレスは、エレガントなマーメイドラインと首元をすっきり見せるボートネックが特徴。同素材のジャケットを合わせても、平野のようにシースルーシャツなどでカジュアルダウンしてもよし。シンプルなデザインだからこそ、どこまでもアレンジのイマジネーションが広がる。
—普段の活動を改めて教えてください。
肩書きとしては、エッセイストとフードディレクターとして活動しています。軸にあるのは「食のストーリーテリング」と「食のクリエイティブディレクション」。フードエッセイで知っていただくことが多いかなと思うのですが、菓子ブランド「(NO) RAISIN SANDWICH (ノー・レーズン・サンドイッチ)」の代表を務めていたり、企業の食文化事業に携わるなど、食を起点にさまざまな領域で活動しています。音声メディアでの発信も大切にしていて、ポッドキャスト・ラジオ番組「味な副音声」のパーソナリティは今年で6年目を迎えました。さらに2026年2月からは、フードとライフスタイルをテーマにした新番組「おやつ」も始まり、さまざまな形で食の物語を届けています。
—ご自身のブランドは、どういった経緯で始められたのですか?
きっかけは本当に個人的な「食べてみたい」という思いからでした。もともと私はレーズンが苦手だったんです。でも、レーズンサンドはたくさんの方に愛されているお菓子で、だからこそ憧れの存在でした。20代半ばのある時、「レーズンが入っていないレーズンサンドがあったら食べられるのに!」と思いついて。私は料理が全くできないので、パティシエの方に相談したところ「いいね!」と言ってくださったんです。デザイナーさんと3人で、部活動のような感覚で始めたのですが、予想以上に好評をいただき、2021年に法人化しました。
—なるほど。仕事とプライベートで、食に対する向き合い方の切り替えはありますか?
あまり切り替えはないですね。食べた時の心の動きがそのまま言葉になったり、企画になったりするので。「視察」として食べることはほとんどなくて、ただ好きだから食べている時間が、結果的に仕事に還元されていくサイクルです。食体験の中には「刺激的で感動するもの」もあれば「ただただ癒されて安心するもの」もありますが、いずれにせよ食に向き合っている自分は常に”何かを感じている生き物”でありたいなと思っています。
—今回のロケーションであるパーク ハイアット 東京の「ニューヨーク グリル」についても教えてください。
本当に大好きな場所です。東京の中でも別格のクリーンな空気感と気の良さがありますよね。好きなメニューは「カクテルシュリンプ」。カクテルグラスに海老がぶら下がっている、あの夢みたいな遊び心……!それがあの摩天楼で白いクロスまで運ばれてきた瞬間に、舞台が始まる感じがして、大好きです。栄養だけでなく心まで満たすことのできる「食」の強さを感じます。実は高校時代の4年間、ニューヨークに留学していたんです。マンハッタンから40分ほど北に行った鹿がいるような田舎でしたが、週末になるとマンハッタンに出て美味しいものを食べるのが楽しみでした。
—お洋服を選ぶことと、フードを選ぶことに共通点はありますか?
「着痩せ」のことしか考えてないです(笑)。というのは冗談ですが、やっぱりご飯を食べに行く時って、その場に相応しいスタイルっていうのは必然的に選んでいると思います。「このお店に行くから、こういう自分でありたい」と装いを選ぶのは楽しいですし、お店のマダムに「今日のドレス素敵ね」なんて褒めてもらえると、すごく嬉しいですよね。食体験というのは、自分一人で完結するものではなく、その場に居合わせた人たち全員で作り上げる「一夜限りの体験」だと思っているので。その中に、どういう装いでそこにいるかということも、大切な要素として関わってくる気がします。











