チャド・ムーアと東京回遊録 vol.4
bottega veneta
× Chad moore
model: miu & lala takahashi
photography: chad moore
styling: riku oshima
hair & makeup: kouta
edit & text: manaha hosoda
cooperation: beat cafe
“Tokyo is a cruel mistress.” 以前、何かの海外雑誌で見かけたフレーズを思い出す。ー東京は残酷なほど中毒性のある街ー ストレートな物言いに一瞬たじろぐが、今の東京を改めて見渡せば、言い得て妙だと納得もする。オリンピックを控え、日ごとに表情を変えている東京。毎日のようにどこかで何かが起こっていて、私たちはいっときも目が離すことができない。
そんな東京の街に魅せられた人間が、ここにもひとりいる。ニューヨークのアートシーンで次世代を担う写真家として注目を集める Chad Moore (チャド・ムーア) だ。もともとは BMX ライダーとして活動し、世界を飛び回っていた彼だが、いわずとしれたニューヨークの写真家 Ryan McGinley (ライアン・マッギンレー) のアシスタントになり、写真の道を歩みだしたのはすでに10年以上前のこと。昨年の春に日本初となる個展を成功させた彼にTFPはインタビューを敢行。彼から「東京で撮影をしたいんだ」という連絡を受け取ったのは、それから数ヶ月後のことだった。
「自分にとって写真とは世界と関わる手段」と語る Chad Moore は普段、自身が住むチャイナタウンやイーストビレッジでローカルな友達をカメラで記録している。「僕にとっては全ての瞬間が宝物。写真を、ダイアリーとしてドキュメントするような感覚で撮っているのかも」という彼に変わりゆく東京の街を心ゆくままに記録してもらうことにした。ゲストは、東京で活躍するアップカミングなモデルのふたり Miu と高橋ララ。彼のレンズに映った「言葉には表せないマジカルな魅力」をとくとご堪能あれ。
夜が更けるにしたがって、ますます東京の街は活気づく。私たちが行き着いたのは、Chad 本人が行きつけにしているという渋谷のバー、ビート・カフェ。これまでも国内外の文化人が集い、いくつものストーリーが生まれてきた場所だ。Daniel Lee (ダニエル・リー) の Bottega Veneta (ボッテガ・ヴェネタ) のドレスに身を包んだふたりは、心なしか普段よりも大人びて見える。Daniel Lee が生み出すのは、センシュアルでありながらも洗練された現代のモード。構築的なデザインと計算し尽くされたカッティングが着心地良く、着る人それぞれのスタイルをさりげなくひきたてる。
チャド・ムーアと東京回遊録 vol.4