強くしなやかなフェミニニティ。佐久間由衣が着るシャネル

2020/21 年秋冬 プレタポルテ コレクション、CHANEL ファッション・コレクションのアーティスティック・ディレクター Virginie Viard (ヴィルジニー・ヴィアール) を惹きつけたのは、80年代に撮影されたスーツにジョッキーブーツを合わせた Karl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド) のモダンな着こなし。そこから生まれたのは、ジョッキーブーツを現代的にアレンジし、どんなルックにあわせても成立する画期的な一足だった。

そもそも、乗馬は Gabrielle Chanel (ガブリエル・シャネル) がこよなく愛したもののひとつ。ロマンティカと名付けた競走馬を所有していたほど情熱を傾けていた Gabrielle Chanel は、女性はドレスを着たまま横向きで馬に乗らなければいけないという当時の慣習をはねつけ、自身のために乗馬服を仕立てたという。紳士服から着想を得たシックな装いで馬を乗りこなすその自由な姿は、女性たちの羨望の的だったに違いない。

「CHANEL の服は腕を通すだけで、特別な気分になれる」という佐久間は、マスキュリンなパンツルックも大胆なシェイプを描くドレスも見事に着こなす。CHANEL を語る上で欠かせない白と黒の2色を基調としたコレクションにアクセントを加えるのは、ビザンチンスタイルのコスチュームジュエリー。ゴールドとカラーストーンの組み合わせは Gabrielle Chanel のお気に入り。女性の内側に秘める強さを引き出すステートメントピースだ。