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with Peter Philips

繊細な違いを求めて。ピーター・フィリップスが提案する、ディオールの多彩な色表現

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繊細な違いを求めて。ピーター・フィリップスが提案する、ディオールの多彩な色表現

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with Peter Philips

photography: utsumi
text: Yuko Igarashi

うるおいに満ちた質感とほどよい発色。2009年のローンチ以来、メイクアップとスキンケアを同時にかなえるリップとして愛されてきたティント リップ バーム「ディオール アディクト リップ グロウ」。優れた保湿効果をもたらすだけではなく、一人ひとりに合った血色を作り出す、唇の ph と水分量に反応する最新テクノロジーを採用したリップは、いまや DIOR (ディオール) ビューティーの代名詞とも言えるアイテムだ。そんな「ディオール アディクト リップ グロウ」が、メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターの Peter Philips (ピーター・フィリップス) の指揮のもと、2025年1月1日に更なる進化を遂げて誕生。そしてこのリニューアルを記念し、新たなディオール アディクト リップ グロウにインスパイアされたスプリング コレクション 2025 〈グロウマニア〉が同タイミングでデビューする。幅広いカラーバリエーションを備えてブラッシュアップしたリップ グロウと、そんなリップを彷彿させる輝きを詰め込んだ春らしいパステル カラーのメイクアップ アイテム。これらの魅力を Peter のコメントとともに紹介していく。

ディオール アディクト リップ グロウ 全15色*うち数量限定色4色 各¥4,950 ©︎Parfums Christian Dior

新しくなった「ディオール アディクト リップ グロウ」の1番の魅力は、あらゆるニーズに応える15色のカラーラインナップ。従来1つだったアンダートーンを、クール系とウォーム系の2種類を採用し、さらに多様な肌色に対応するカラーパレットに仕上げた。

—従来のリップ グロウとのカラーの違いを教えてください。

今までは全体的に青みがかった発色で、唇にのせると、少しライラック寄りに色づいてしまうということが共通しておりました。ただ、今回のリニューアルで、やや黄みがかったウォーム系の発色も実現できる新たなテクノロジーを採用し、これによりさらに繊細なカラーの違いを表現できるようになりました。この新しいフォーミュラにより、男性が使いやすい色みも増えたのではないかと感じています。

—リップ グロウを作る際、男性が使用することも視野に入れておりましたか?

ここ最近、男性はメイクアップにオープンになってきていますよね。そして、メイクを楽しむときに必ずしもメンズ専用コスメを選択するというわけではない。自分好みのアイテムであれば、男性用、女性用という枠を特に意識していないように感じます。なので、開発するうえでジェンダーニュートラルという視点を大事にしています。

—カラーの詳細をお聞かせください。

まず、PINK、RED & CORAL、NUDE、PASTEL という4つのコアとなるカラーに分類されています。そして、それぞれ仕上がりの発色がウォーム トーンとクール トーンになるものを入れるように構成しました。例えば NUDE では2色ラインナップしますが、020 マホガニーがウォーム系、012 ローズウッドがクール系となります。そして、クラッシックなものから華やかなものまで対応できるようなバリエーションをご用意しました。

同日にローンチするスプリング コレクション 2025〈グロウマニア〉はそんな「ディオール アディクト リップ グロウ」からインスピレーションを得た限定コレクション。やわらかなピンク、透明感のあるピュアなブルーやライラックなど、きらめきをまとったパステル調の色彩でまとめられた。

—スプリング コレクションをパステルカラーにした理由は?

リップ グロウの発売とともにこのスプリング コレクションは始まります。そのため、本コレクションのテーマは「グロウ」です。そして、グロウを表現する色を考えたときに、春らしいパステルが良いのではないかと思ったのです。パステルはやわらかくて優しい。そして、他のものを邪魔することなく色みを追加できる。つまり、美しさを引き出すカラーだと、私は思っています。

—とても淡くてつけやすそうな色みが多い印象です。発色のこだわりはありますか?

これ以上強いカラーにしてしまうとグロウというよりシャインというテイストになってしまうことを懸念しておりました。パステルということでやわらかく、それから優しさを持った色合いということを念頭に置いています。

—色以外で意識したポイントがあれば教えてください。

先ほどご紹介したリップ グロウもそうですが、本コレクションもウォーム トーンとクール トーンを取り揃えております。これは私が手がけるコレクションに一貫していることですね。全体のバランスをとることを心がけています。

—それでは肌の色みに合わせてアイテムを選択するのが良いのでしょうか?

ご自身の色を補正したいということであれば、自分の肌と逆のニュアンスを選ぶのをおすすめします。素肌の色みを強調したいということであれば、同じようなトーンを選ぶと良いでしょう。また、人によってはあえて組み合わせて使う方もいます。例えば目元にはウォーム系、口元にはクール系など、暖色と寒色の化学反応を楽しむ方もいらっしゃいますね。また、リップ マキシマイザーの206 ピーチマニアは暖かみのあるピーチカラーですが、中に入っているスパークルがクール系のシルバーです。なので、暖色と寒色どちらも楽しんでいただけるようなものとなっていますよ!

—どちらも楽しめるのは面白いですね! そのようなアイテムは他にもありますか?

リップ マキシマイザーの082 グロウマニアは半透明のグロスに、異なるサイズや色みのきらめきを詰め込みました。先ほどの206はグロスの色とグリッターでコントラストを出していましたが、これはグリッターによる輝きのみでコントラストを出していますね。逆に204 ヌードマニアはスパークルを使用しませんでした。本当にニュートラルな色を作りたかったので、ヌードとベージュ、それからローズウッドの中間のような色みです。

—今回、ライラックカラーのアイテムが二つ登場していますね。何か理由はありますか?

日本のお客様の強い要望にお応えして、グロウ マキシマイザーとルミナイザーの2つをライラックカラーで発売することとなりました。本当に肌ときれいにマッチするのか? と最初は疑問に思っていたのですが、実際に使ってみると仕上がりがとても良いことに逆に驚かされました。さらに日本人以外の肌にもなじみが良い。日本の皆様のおかげで、全世界の方々が恩恵を受けることになりました(笑)。

—ありがとうございます。最後に少しパーソナルな質問をさせてください。メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターに就任されてから10年が経ったかと思いますが、変わったことはありますか?

SNS の影響もあり、非常に知識の豊富なお客様が増えました。消費者の方々が専門的な知識を身につけています。ただ、かつてはトレンドがすべてを支配していました。例えば、新色を発売した途端、もうそれがシーズンカラーとなり、みんながその色を使いたがる。そんな時代です。しかし、今は口コミで商品が広がります。それは一方で本当に良いプロダクトしか話題にならないということでもあります。

—逆に変わらないことはありますか?

私たちの姿勢です。メゾンの DNA でもありますが、私たちは最高品質を追求してまいりました。そして、継続性を持たせるため、商品の改善や改良に努め、常に発明心を持つことを忘れないようにしてきました。そうすることで、私たちが出す商品が常に消費者を魅了し続けると考えています。DIOR のアイテムを使っていただき、そのプロダクトについて語ってもらう。これが広告になる現代。精通しているお客様の一歩先を私たちは行き、常に魅力を感じるような商品開発をしなければいけない。その根元にはやはり質の高いものを打ち出すということが大事ですね。