Panasonic
with tomoki sukezane

「洗練はひとつじゃない」。スタイリスト・祐真朋樹が、新作冷蔵庫「WXタイプ」を通して見る、これからのキッチン風景

Panasonic
with tomoki sukezane

photography: masahiro sambe
Videography: michi nakano
Music: Modern Jazz War
Hair: hiro tsukui
Make up: ikumi shirakawa
Text: miwa goroku
Edit: yuki namba, sena kuroda, kaede sakuma

生活感をミュートした、ラグジュアリーホテルのような空間に身を置いたときの高揚感と、そこで暮らしたいと思うことは、少し違う。そして、その “洗練” のかたちもまた、時代によって少しずつ変わっていく。1980年代から長くファッションシーンの最前線を見続けてきたスタイリスト・祐真朋樹は、その変化をどう見ているのだろうか。

30年以上愛用していた冷蔵庫は、レストランの厨房を思わせる、ステンレス製の “冷蔵庫然” とした一台だった。彼が子供の頃に見ていたカラフルな家電や、万博以降の “未来っぽさ” に満ちた時代の空気、扉から飲み物が出てくる冷蔵庫に感じた高揚感……家電には今でもどこか、ワクワクする何かを期待してしまうのだという。

そんな祐真氏が今回向き合ったのは、Panasonic (パナソニック) の新作冷蔵庫「WXタイプ」。石目調のマットな質感をまとったその佇まいは、これまで彼が惹かれてきた “冷蔵庫然” とした存在とは異なる。「クローゼットみたいで面白い」と感じたという「WXタイプ」を前に、「洗練はひとつじゃない」と語る祐真氏。これからのキッチンやインテリアについて、自身の近況も交えながら聞いた。

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「洗練はひとつじゃない」。スタイリスト・祐真朋樹が、新作冷蔵庫「WXタイプ」を通して見る、これからのキッチン風景

―家電にも普段からこだわりがあるとお聞きしました。

かっこ悪いよりは、かっこいい方がいいですよね。洋服を選ぶときの感覚に似ているかもしれません。仕事で使っているクローゼットスチーマーも Panasonic のもので、それもこの冷蔵庫に似たマットなカラー。自分で選ぶものは、やっぱり見た目に気をつけたい。

―これまで、どんな冷蔵庫を使ってきましたか。

30年くらいずっと、自宅でも事務所でもステンレス製の冷蔵庫を使っていました。背の高いフリースタンディングタイプ。狭い空間でも使いやすく容量もしっかりありました。何より “シルバーの塊” みたいな、シンプルなかっこよさが好きでした。レストランのオープンキッチンの奥に見える厨房機器のプロっぽい感じというか、そういう憧れがベースにあったかもしれません。

—プロユースに憧れるというのは、時代のムードとしてもありましたね。

パソコンとか車もそうですよね。そういった機械系のプロダクトは、デフォルトカラーがシルバーやメタリックでした。

―ちなみに今、他に Panasonic 製品で使っているものはありますか。

最近、事務所の冷蔵庫も買い替えて、コンパクトなものにしたんですけど、それも Panasonic です(NR-B18C2)。家にあるものでいうと、洗濯乾燥機「Cuble (キューブル)」とか、シェイバーも。数年前に出た「LAMDASH PALM IN (ラムダッシュ パームイン)」を見て、かっこいいなと思っていたところ、それを妻が息子にプレゼントしていて。僕も使ってみたいなと横目で見ています(笑)。あと、ビルトインの食洗機と、天井埋め込みのエアコンも Panasonic 製。結構愛用していたんだなと、改めて実感しました。Panasonic はブランドとして、製品内容やデザインに一貫したものを感じるところが好きです。

「DRESSEDUNDRESSED (ドレスドアンドレスド)」のジャケットとパンツを着用。「冷蔵庫はマットなチャコールグレーのような色。黒の衣装だと色が被るかもしれないと思いつつ、でも光沢感のある生地だし、ポツポツと穴の空いた加工もあるし、それならいいかなと思って選びました。2009年スタートのブランドですが、僕自身は不勉強で最近知りました。展示会に招かれて見に行ったときに一目惚れして購入」。

“冷蔵庫然” としていない。その面白さ

 

—今回ご覧いただいた冷蔵庫「WXタイプ」の第一印象はいかがでしたか。

個人的には、“冷蔵庫然” としているものを今まで選んできたのですが、でも、これはちょっと違う。クローゼットみたいで面白いなと思いました。

—家電というより、家具のような佇まい。

そうですよね。表面に触れると、ざらっとしたテクスチャーが印象的で。昔の冷蔵庫って、もっとツルッとピカッとしていたし、見た目にもハイテク感があった。そこから考えると「WXタイプ」は、ちょっと真逆。でも、それが面白いなと思いました。石や左官材みたいな質感があって、なるほど、こういうふうに空間になじませていく考え方なんだなと。だから最初に見たとき、冷蔵庫というよりクローゼットみたいに見えたのかもしれません。こういう方向で考えられているのは新鮮でした。全面ツルツルだと指紋も目立つから、その点も気が利いていますよね。

―ファッション目線で評価するなら?

あんまり前に出ない感じですよね。ミニマルというか。でも、よく見ると質感にちゃんと個性がある。ファッションでもそういう服ってあるじゃないですか。派手ではないけれど、素材や仕立てで魅せるもの。この冷蔵庫も、そういう考え方に近い気がしました。黒なんだけど、いわゆる真っ黒な感じじゃない。木の質感がある空間とか、グリーンが見えるような部屋にも意外と合いそうだなと思いました。インテリアの世界でも、こういう方向はもっと広がっていくかもしれないですね。

こだわりの先にある、心地よさ

 

―ご自宅で、好きな空間はどこですか。

衣装部屋、シューズクローゼットは大好きです。あと、富士山が見えるリビングルーム。朝起きたら富士山に向かって手を合わせるのが毎日の習慣です。でも一番好きなのは、トイレかな。床、壁、カウンターと、色や素材の組み合わせが気に入っています。とても落ち着く空間です。

―「WXタイプ」を置く部屋をスタイリングするとしたら、祐真さんならどういうお部屋にしますか。

僕は基本的に、インテリアにおいてはウッドの質感が好きなんです。そこからすると、「WXタイプ」のダークな石目調というのは、一見するとちょっと世界観が違うように感じるかも。でも、この冷蔵庫を、木の柱があるような空間に置いても、面白く映えるかもしれないです。冷蔵庫の素材が黒だから全部が黒で統一するよりは、ストイックにしすぎずに、天然の質感と組み合わせる。窓を開けると木々のグリーンがふわーっと揺れている感じとか。広がりが出て、かっこいいかもしれません。

—祐真さんにとって、“洗練” された空間やスタイルとは?

難しい質問ですが、洗練はひとつじゃない、ということは言いたいです。海外のいいホテルに泊まると、「ああ、洗練されたインテリアだな」と思うことはありますが、そこに一生住みたいかというと、そうではない。実際の生活って、厳選されたラグジュアリーな物がセンス良く配置されているミニマルな空間だと、むしろ快適じゃないこともあると思うんです。一方で、その真逆とも言える空間に洗練を感じることもあります。たとえば、Wim Wenders (ヴィム・ヴェンダース) 監督の映画『PERFECT DAYS (パーフェクトデイズ)』の主人公のようなスタイルとか。彼の物数を最低限に整えた暮らし、憧れますね。ただ、あれほど削ぎ落とされた生き方……僕にはできそうにありませんが。

美しさは、使いやすさの延長線上にある

 

—冷蔵庫のなかを美しく整えることへのこだわりはありますか。

僕はたまに炒飯をつくるくらいで、ほとんど料理をしないので、冷蔵庫の主導権は妻と息子にあります。だから、勝手になかのものを動かさないように気をつけています。水とお茶をかなり飲むので、ボトルを空けたら補充するくらいですね。僕のすることは。今、改めて思ったのは、美しく整っているということは、使い勝手がいい状態っていうことですよね。それはキッチン収納でも、洋服のクローゼットでも同じだなと。

―空間としてのキッチンで、大事だと思うことは?

妻と息子と3人でキッチンに入っても、ちゃんと動線が確保されているとか、きれいに保つ工夫ができていること。それをクリアした上で、友人が来たときにも恥ずかしくないスタイリッシュさがあれば最高だと思います。

ワクワクする家電が、やっぱり好き

 

―「WXタイプ」は、冷凍機能がかなり進化しています。

すごく贅沢で豊かになりましたよね。僕が子どもの頃なんて、冷蔵庫ってもっとシンプルでしたから。扉は1面だけ、上に小さい冷凍室がついているだけで。今は、引き出しを開けたら氷ができていて、僕が大好きなお肉も美味しく保存できる。子供のときにびっくりした冷蔵庫があって。冷蔵庫の扉にウォーターサーバーがついているやつ。開けなくても、冷たいドリンクが飲める。うちのは麦茶も出るんだよって、蛇口が2口ある冷蔵庫が家にある友達が、すごく羨ましかった。

―家電には未来感やサプライズを期待してしまう?

期待しちゃいますね。家電も、ファッションと同じで、僕はやっぱりワクワクしたい。今日「WXタイプ」を実際に触ってみて、こういう方向性も新しいなと思いながら見ているところです。そんなふうに家電のデザインって、もっと自由度があっていいと思うんです。もちろん機能性は絶対大事。冷蔵庫なのに物が腐っちゃったら意味がないですから。そのベースがちゃんとあった上で、外見が変わっていく。そしていろんなインテリアとつながっていく。そのための選択肢は、もっとあっていい気がします。

―最後に、今後挑戦したいことを教えてください。

去年還暦を迎えたのですが、最近自分が書く字にうんざりすることが多いので、一念発起して書道にチャレンジしてみたいです。あと、今日の取材絡みで言うと、料理教室かな。28歳の息子が月2回、わざわざ横浜の料理教室に通っているほど料理好きなんです。かなり楽しそうな様子なので、僕も一度習ってみようかなと思っているところ。最近、脂質と糖質を控えるようにと主治医から言われているので、そのあたりも考慮した健康的な和食を作ってみたいです。

暮らしのなかに自然となじむ、静かで美しい家具のような存在を目指したという冷蔵庫「WXタイプ(NR-F60WX3)」。最大の特徴は、正面のガラスドアに施された石目調のマットな質感。天然石をはじめ、左官材、建築素材を参考にデザインされ、「ストーンブラック」の名の通り、石のような重厚感がありながら、手入れのしやすいなめらかなテクスチャーを両立させた。その洗練されたデザインとモダンな佇まいが、キッチンを上質な空間に導いてくれる。