ブシュロン160年の歴史が蘇る、ヴァンドーム広場の歴史的邸宅がリニューアル
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ブシュロン160年の歴史が蘇る、ヴァンドーム広場の歴史的邸宅がリニューアル
La place Vendôme 26: Renovation of Boucheron's Heritage Maison
Kering (ケリング) は30日、フランスの名門ハイジュエラー Boucheron (ブシュロン) のヘリテージであるヴァンドーム広場26番地のブティックの改装計画を発表した。
ジュエリーの世界における絶対的なサンクチュアリとしてその名を轟かせるパリ、ヴァンドーム広場。「シャネル N°5」のパッケージデザインのルーツでもあるこの8角形の広場は、今やパリの代表的な観光名所としても知られている。世界の名門ジュエラーたちが軒を連ねるこの地に、世界初となるブティックを開業したのが、フランスの老舗メゾン Boucheron (ブシュロン)。1858年に Frédéric Boucheron (フレデリック・ブシュロン) によって創業された Boucheron は、ヴァンドーム広場の持つ地理的な特性に目をつけ、中でも美しい光が差す26番地に邸宅を構えた。建物の元の所有者の名前から「l’hôtel particulier de Nocé (ロテル・パルティキュリエール・ドゥ・ノセ)」と呼ばれたこの建物は、その美しい光のコントラストから「光の邸宅」として当時の上流階級の人々に愛されたという。
Boucheron を傘下に抱える Kering (ケリング) は3月30日、公式のプレスリリースにてフランスのジュエリー界における金字塔ともいえるこの建造物を改装する構想を明らかにした。この改装計画は、Kering の会長兼 CEO である François-Henri Pinault (フランソワ=アンリ・ピノー) の「ラグジュアリーとは伝統に深く根ざすと同時に、常に進化し続けるものである」というフィロソフィーに則って進められる。
改装の責任者を務めるのは、歴史的記念物主任建築家の Michel Goutal (ミシェル・グタール)。なお Kering はこのほかに、パリの歴史的建築物を修復するという複数の大規模プロジェクトを同時に進めており、その中の一つであるセーヴル通り40番地の元病院の建物は現在 Kering と Balenciaga (バレンシアガ) の本社に、そしてベルシャス通りにあるパンテモン修道院は、Yves Saint Laurent (イヴ・サンローラン) の新しい本社への改築が進められている。