カンヌが注目するインド出身の女性監督、Rohena Gera (ロヘナ・ゲラ) 初長編作品『あなたの名前を呼べたなら』が公開
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カンヌが注目するインド出身の女性監督、Rohena Gera (ロヘナ・ゲラ) 初長編作品『あなたの名前を呼べたなら』が公開
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to launch in japan from August 2
長編デビュー作ながらカンヌ国際映画祭批評家週間のコンペティション部門で、GAN基金賞を受賞した Rohena Gera (ロヘナ・ゲラ) 監督作『あなたの名前を呼べたなら』が8月2日(金)より公開する。
ムンバイ出身の監督、Rohena Gera はアメリカで大学教育を受け、その後、映画、テレビ業界で助監督や脚本家として活躍。海外生活が長く、インサイダーとアウトサイダーの2つの視点を持つ Rohena Gera がはじめて手がけた長編デビュー作となる本作は、インドのムンバイを舞台に厳しい身分制度や因習を乗り越えて愛を育む男女の物語。監督自身が幼少期を共に過ごした住み込みのメイドが、人間以下の扱いをされていた悲しい記憶から生まれたという。
先進国で “身分の違い” はラブストーリーのエッセンスとして描かれることが多いが、舞台はインド。フィクションとはいえ、スタッフや監督の家族、友人にすら「絶対に起こり得ない物語」と断言されるほど “身分違いの恋” というものはタブーと捉えられている。現在インドでは、主人公ラトナのように住み込みで働く労働者というのは4,000万人を超え、そのほとんどは女性だ。低い賃金だけでなく、寝泊りも狭い廊下やキッチン、食事は主人たちの食べ残しを床で食べさせられるなど日常的に不当な扱いを受けている。驚くのは、インド全域においてこの待遇が幅広く容認されているということ。雇用側だけでなく、労働者側もその状況を変えることのできない現実と捉えているのだ。おまけにラトナは未亡人というハンディキャップも負っている。親の都合で不治の病の旦那の元へ嫁がされ、旦那が死亡した途端、食いぶちを減らすために出稼ぎを強いられムンバイに出てきたという経緯が作中で語られている。インドの慣習では、未亡人は再婚はおろか、たとえ実の妹の結婚式であろうと新婦の前に姿を見せることはできない。サリーの色は制限され、アクセサリーですらも不謹慎だと非難を浴びる。そんな日本ではなかなか感じることのない不条理な待遇が決して誇張ではなく、この作品の中ではごく自然にありのままに描かれている。
本作を撮影するにあたり、監督はシーンごとに進めていくのではなく、時系列ごとに進める手法をとったという。ひとつひとつのシーンを丁寧に撮影してゆくことで、主人公たちの心の距離が自然に近づき、いつしか観客も二人の言葉に出せない気持ちを感じ取るようになってゆく。身分をしっかりと理解し献身的に仕える一方で、前向きに自身の夢に踏みだしてゆくラトナを演じるのは、『モンスーン・ウェディング』(2001) でウェディング・プランナーと微笑ましい恋に落ちるメイド役で注目された Tilotama Shome (ティロタマ・ショーム)。彼女自身もインド映画界を離れてニューヨーク大学の演劇教育の修士号を取得し、 貧困や暴力に苦しむ人々のために活動した経験を持つ芯の強い女性だ。ラトナのやさしさとおいしい食事に癒され、心のままに生きようと目覚める雇用主アシュヴィンには、インド系シンガポール人の Vivek Gomber (ヴィヴェーク・ ゴーンバル)。人権派弁護士演じた2014年公開の映画『裁き』では、プロデューサーとして企画を立ち上げ、80万ドル (約9000万円) もの製作費を全額出資したというインド映画の良心的存在として知られる。そのほか、フランス仕込みのシックなインテリアや、ラトナが目を輝かせる布市場の路地など、ムンバイのおしゃれな一面も楽しい本作の公開を楽しみにしていて欲しい。
<あらすじ>
経済発展著しいインドのムンバイ。農村出身のメイド、ラトナの夢はファッションデザイナーだ。夫を結婚4か月で亡くし未亡人になった彼女は、婚家から口減らしのためにムンバイへ送り出された。彼女が住み込みで働くのは、建設会社の御曹司アシュヴィンの新婚家庭……のはずだったが、結婚直前に婚約者の浮気が発覚し破談に。広すぎる高級マンションで暮らす一人暮らしする傷心のアシュヴィンを気遣いながら、ラトナは身の回りの世話をしていた。ある日、彼女がアシュヴィンに小さなお願いをしたことから、二人の距離が縮まっていく…。
<試写会プレゼント>
TFP では 2019年7月24日(水)に渋谷のユーロライブにて18時30分から開催される試写会へ5組10名様をご招待。上映は19時00分から、応募方法は、TFP のツイッターをフォローして投稿されるこの映画の記事をリツイート。締切は 2019年7月5日(金)24時まで。当選通知はツイッターのダイレクトメッセージから。TFP の公式ツイッターはコチラからぜひチェックしてみて。
※なお、当選連絡から3日以内にご返信のない場合は権利が白紙となることがございますのでご注意ください。
作品情報 | |
タイトル | あなたの名前を呼べたなら |
原題 | Sir |
監督 | Rohena Gera (ロヘナ・ゲラ) |
出演 | Tilotama Shome (ティロタマ・ショーム)、Vivek Gomber (ヴィヴェーク・ ゴーンバル)、Geetanjali Kulkarni (ギータンジャリ・クルカルニ) |
配給 | アルバトロス・フィルム |
制作年 | 2018年 |
製作国 | インド・フランス合作 |
上映時間 | 99分 |
HP | anatanonamae-movie.com |
©︎2017 Inkpot Films Private Limited,India | |
8月2日(金)より、Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開 |