髙橋恭司が新作写真集『WOrld’s End』を刊行、写真展を東京にて開催
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髙橋恭司が新作写真集『WOrld’s End』を刊行、写真展を東京にて開催
Kyoji takahashi
"WOrld’s End"
イギリスにある Derek Jarman (デレク・ジャーマン) の庭との出会いを経て、その後の移ろいゆく世界の様相を映し出した髙橋恭司渾身の一冊。
TFPで連載中の「Gauge」でもお馴染みのカルト的人気を誇る写真家・髙橋恭司が新作写真集『WOrld’s End』を Blue Sheep (ブルー・シープ) より8月26日にリリースする。
本書は、髙橋恭司がイギリス南東部の街、ダンジェネスに映画監督 Derek Jarman (デレク・ジャーマン) を訪ねてから約30年もの歳月を経て刊行となる写真集。
Derek Jarman は、『ジュビリー』や『カラヴァッジオ』、『BLUE』などで知られるイギリス映画界の鬼才。生前よりゲイであることを公表しており、1994年エイズによってこの世を去った。
同氏が晩年を過ごしたというダンジェネスの小屋「プロスペクト・コテージ」にて髙橋恭司は1992年に Derek Jarman のポートレートを撮影。「そこは世界の終わりのような場所だった。同時に、そこには全てがあった」と髙橋本人が振り返るその打ち捨てられた小屋と庭、そして2010年代後半のベルリン、ロンドン、東京の路上が収録された本書は、時間と空間を隔てて撮影された写真たちが混じり合うことで夢のように移ろいゆく「世界の終わり」を映し出している。
『WOrld’s End』の刊行を記念して、1992年に髙橋恭司が撮影したDerek Jarman の庭、近年のベルリン、ロンドン、 東京の写真プリントやポスタープリント、新作映像、そして写真集制作過程で綴られたテキストなどを展示した写真展が東京の2会場にて同時開催。髙橋恭司が捉えた「世界の終わり」、そして「世界の終わりがつづく世界」の写真を是非ともこの機会に楽しんでいただきたい。
髙橋恭司は本書の刊行にあたって下記のように語っている。
「デレク・ジャーマンの庭に立った時、自分が写真に撮りたいなと抽象的に考えていたことが、ここに具体的にあるなと感じました。世界の果て(エッジ)が目の前にあるなと。写真や映像になってはじめて完成する造形が目の前にあった訳です。デレク・ジャーマンは非常に優れた美術家だと思います。30年経ってより一層強くそう思います。写真と映像の時代である20世紀の最後にデレク・ジャーマンの庭があり、『BLUE』があった訳です。あれから30年経ってどう思うか。その答えが、WOrld’s Endの中にあるのではないのでしょうか。」