パリの職人による、技と粋を集めた「Le19M」の幕開け。シャネル 2021/22年 メティエダール コレクション
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パリの職人による、技と粋を集めた「Le19M」の幕開け。シャネル 2021/22年 メティエダール コレクション
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2021/22 Métiers d’art collection
CHANEL (シャネル) が Virginie Viard (ヴィルジニー・ヴィアール) による2021/22年 メティエダール コレクションを12月8日(日本時間の深夜1時)に発表した。今回ショーの会場となったのは、要注目の CHANEL の新たな複合施設「Le19M」。メティエダールの職人の粋が一挙に集結する新たなパリ・モード界のランドマークだ。
19区に位置し、Gabrielle Chanel にとっても重要な数字である19に由来する 「Le19M」は、刺繍のアトリエであるルサージュやアトリエ モンテックス、金細工のゴッサンス、帽子のメゾン ミッシェル、羽根細工のルマリエ、プリーツのロニオン、そして靴のマサロをはじめとする専門のアトリエが一挙に集結。コンテンポラリーかつエレガント、そして壮大なスケールを描く「Le19M」のデザインを手がけたのは、建築家の Rudy Ricciotti (リュディ・リチオッティ) だ。
「巨大で開放的な空間であり、ファサードは無数の白い糸のようにコンクリートで装飾されています。庭園や美しい散歩道、そしてエキシビションも開催される予定の大きなギャラリーもあります」と Virginie Viard。
今回のメティエダールコレクションは、まさに「Le19M」をお披露目する絶好の機会。Virginie Viard はショーについてこのように続けている。「ショーの前に上映されるムービーの振り付けは、ディミトリ シャンブラに依頼しました。インビテーションのボックスには、ラッパーの MC ソラーやアブダル マリック、そして作家のサラ シーシュ、アンヌ ベレスト、ニナ ブラウイたちが、le19M にアトリエを構えるメゾンダールについて、それぞれのビジョンを綴ったテキストも含まれています。また、REMEMBERS が映像制作を手がけたアニメーションのワンシーンからつくったポストカードもあります。一人ひとりのモデルを異なるイラストレーターに描くことを依頼し、各モデルがそれぞれのメゾンダールを象徴し、シャネルのアイコンからインスパイアされたショートストーリーの中で成長してほしいと考えました。それぞれのメゾンダールを最高のかたちで描きかったのです、でもツイストを効かせて」。
コレクション自体も、「Le19M」に共鳴するかのように都会的かつ洗練されたムード。メゾンを象徴する黒と白のバイカラーや Virginie Viard らしいフレッシュなピンクは健在ながら、シャンパンゴールドやバーガンディ、ノーブルなパープルといった深みのある色合いが差し込まれ、どこかマチュアな仕上がり。刺繍の多くも、「Le19M」の建物からインスピレーションを得たという。
ファーストルックは、くるぶしまで伸びるシングルコートに素足、ベージュ×ブラックのヒール付きメリージェーンの組み合わせ。シンプルな装いながら、アトリエ モンテックスが手がけたシルバーのグラフィカルなスパンコールの刺繍やメゾン ミッシェルによるリボンのヘッドピースがルックを華やかに盛り上げる。ツイードジャケットやバミューダパンツ、カーディガンやニットなど、いずれもウェアラブルなアイテムが並んだが、ディテールを見れば見るほど職人たちの卓越した技術を堪能することができる。モダンなグラフィカルパターンや大胆なアクセサリー使いとメゾンが誇るサヴォアフェールの化学反応が、「Le19M」の幕開けを盛大に祝福した。
また、ショーの音楽は Oneohtrix Point Never (ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー) こと Daniel Lopatin (ダニエル・ロパティン) が担当。CHANEL のアンバサダーであり、ソロの音楽プロジェクト「Ether」をスタートさせた Soo Joo Park (パク・スジュ) とも共演を果たした。その全貌は是非、映像から確認してほしい。