ロエベ財団が KYOTOGRAPHIE で奈良原一高の「禅」シリーズを展示
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ロエベ財団が KYOTOGRAPHIE で奈良原一高の「禅」シリーズを展示
loewe
exhibits 'zen' by ikko narahara at kyotographie
ロエベ財団が「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」で日本を代表する写真家、奈良原一高の「禅」シリーズの展示を開催中。福岡に生まれた同氏は、アーティストの池田龍雄や河原温と同世代で戦後日本のアイデンティティを解釈する重要な人物の一人。「禅」は、具象や抽象の概念を超えた強さのある彼の特徴が現れた写真作品で、曹洞宗の総本山總持寺の僧侶たちの静謐さと厳粛さの両方を、謎めいたモノクロームの中に記録している。
本展は、「一即(すなわち)十」という仏教の思想から着想を得て建仁寺の塔頭、両足院を舞台に。会場では二面がふさがれていない角柱に作品を設置した。視点を変えると作品が消え、その先の庭に溶け込むように見える。奈良原一高の写真作品は、具象と抽象などの概念を超えた強さがあり、見えない瞬間を設けることで、心の目を作動させ、出逢い方を鑑賞者に委ねる側面を持たせている。
様式美の印象を強く残す両足院の空間で、写真家・奈良原一高の軌跡の一端を見つめる貴重な機会である。