写真家の小見山峻が4年ぶりの写真集「call, overhaul, and roll」を発表
News
写真家の小見山峻が4年ぶりの写真集「call, overhaul, and roll」を発表
Shun Komiyama
releases photobook "call, overhaul, and roll"
前作「Hemoglobin」から4年ぶりとなる、写真家の小見山峻による写真集「call, overhaul, and roll」の予約販売が開始。現代社会の中で、「迷う」ことのポジティブな意味を追いかけ、「実際に自ら、ならば迷うだけ迷ってみせよう」という決意のもと制作が行われた作品である。音楽家の TAIHEI (タイヘイ) による書き下ろし楽曲、音楽ジャーナリストの有泉智子と、ファッションデザイナーの吉田圭佑による文章も添えられた。1000部の数量限定で発売される。
本書には、小見山の住む横浜から札幌まで、バイクに跨り、彷徨い、寄り道を繰り返しながら走り抜けた、1500キロメートルのロードトリップの一部始終がレンズに収められた。閉塞した社会からの脱出、死別した親友への葬い、徹底的な物理孤独への願望、バイクだからこそ感じられる風の肌触りへの欲求など、様々な感情に押し出された旅である。撮影そのものが目的ではなく、1人の人間としての逃避行であった。その結果、記録として残された写真群は、これまで以上に小見山自身の純粋な好奇心を色濃く浮きぼりにしている。
小見山は下記のようにコメントをしている。
「いつの間にか、道を間違えることや遠回りすることが悪手かのように避けてばかりの毎日になっていました。迷うことなんて、下手をすれば食事の回数よりも多い代謝のひとつだと言うのに。ならば今こそ迷えるだけ迷ってみせようと。馬鹿げた時間の使い方に踏み切ったのです。思いつきのような衝動に駆られ、バイクのハンドルに安物の包囲磁石を取り付け、それを頼りに北を目指しました。
写真を生業にして、あれやこれやと格好をつけ、撮る理由をでっち上げている毎日ですが、その実、つまるところは「僕はここにいた」と伝えたいだけ。
何事もなければ、まだ何十年と生活は続いてゆくと信じています。その折々で、 「僕はここにいた」をただ愚直に積み重ねていくのでしょう。この本のように。
踏み出せない誰かに、何故か帰りたくない夕方に、太陽がもどかしい朝に、毛布にしがみつく真夜中に、道に迷うあなたに。そして天国にも届くよう願いを込めて。」