モダニズム建築のカリスマ、Oscar Niemeyer (オスカー・ニーマイヤー) の大回顧展が東京都現代美術館で開催

オスカー・ニーマイヤー《ニテロイ現代美術館》Photo: Leonardo Finotti

ブラジルのモダニズム建築の父であり、巨匠 Le Corbusier (ル・コルビュジエ) との設計でも知られるOscar Niemeyer (オスカー・ニーマイヤー / 1907-2012)。2012年に104歳で亡くなる直前まで活動していたこの伝説的なカリスマ建築家の、日本初となる大回顧展「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」が、東京都現代美術館で7月18日 (土) より開催される。

オスカー・ニーマイヤー《サン・フランシスコ・デ・アシス教会》Photo: Leonardo Finotti

ニーマイヤーは、ブラジルのリオデジャネイロ生まれ。リオデジャネイロの教育保健省 (1936)、ニューヨーク国連本部ビル (1947) などの設計にル・コルビュジエとともに携わり、1950年代に入ると国家の大プロジェクトである首都ブラジリアの設計に取り組んだ。建築という概念を超え、歴史的イベントとしてブラジルの名を世界に知らしめ、ブラジリアを世界遺産登録 (1987年) へと導いたのである。 60年代のブラジルの軍事政権下、ニーマイヤーはパリへと移り20年活動。85年の帰国後は母国に戻り、多くの設計を行い、後進の育成にも努めた。

本展では、ニーマイヤーの代表作のひとつ「イビラプエラ公園」の30分の1模型が大型空間でダイナミックに展開されるほか、彼のほぼ１世紀にわたる建築デザイン活動の全貌を、図面、 模型、写真、映像などによって紹介していく。ニーマイヤーの日常を垣間見ることのできる秘蔵映像、壮絶ともいえる首都ブラジリア建設の詳細なドキュメントといった資料も取り揃う、貴重な機会となっている。

オスカー・ニーマイヤー《イビラプエラ公園　講堂内部》Photo: Leonardo Finotti

「建築にとってアートはとても大切です」と語っていたニーマイヤーは、幼い頃からドローイングを得意とし、描いた絵をじっとながめることで、それが存在するように立ち現れることを感じていたという。フリーハンドの大胆さと自由さ、そしてそれを空間化していく時の身体感覚は、女性の身体に例えられるような有機的でダイナミックな曲線、生命感とモダニズムの幾何学の調和を生み出し、その未来的な形は日本の建築家にも多くの影響を与えてきた。

会場デザインは、ニーマイヤーからの多大な影響を認める建築家ユニットSANAA (妹島和世＋西沢立衛) が担当。ブラジルの光を思わせる白を基調に、ダイナミックでモダンかつ有機的な曲線で会場を構成している。

オスカー・ニーマイヤー《ブラジリア大聖堂》Photo: Leonardo Finotti

オスカー・ニーマイヤー《カノアスの邸宅》Photo: Takashi Homma 2002年

オスカー・ニーマイヤー《コンスタンティーヌ大学》Photo: Leonardo Finotti

＜イベント情報＞
オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男
会期: 7月18日 (土) 〜 10月12日 (月・祝)
時間: 10:00～18:00（7～9月の金曜日は21:00まで）＊入場は閉館の30分前まで
会場: 東京都現代美術館 企画展示室地下2F
住所: 江東区三好4-1-1
休館日: 月曜（7/20、9/21、10/12は開館)、7/21、9/24
主 催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、駐日ブラジル大使館、 ブラジル文化省、日本経済新聞社
ブラジル・エクゼクティブ・ プロダクション: Base7
会場構成: SANAA
模型企画・制作: 野口直人建築設計事務所
観覧料: 一般 ￥1,100 / 大学生・専門学校生・65歳以上 ￥800 / 中高生 ￥600 / 小学生以下無料

(関連イベント)
SANAAトークイベント 「We Love Niemeyer」(仮)
スピーカー: 妹島和世氏・西沢立衛氏（SANAA事務所 )、長谷川祐子 (東京都現代美術館 チーフキュレーター)
日時: 8月22日 (土) 15:00〜
場所: 東京都現代美術館 地下2F講堂

東京都現代美術館 チーフキュレーター 長谷川祐子によるギャラリー・ツアー
日時: 8月29日 (土) 15：00〜 / 9月12日 (土)15：00〜
場所: 企画展示室地下2Ｆ

同時開催: 「ここはだれの場所？」 「きかんしゃトーマスとなかまたち」 「MOTコレクション」

問い合わせ先／03-5245-4111(代表）/ 03-5777-8600（ハローダイヤル）
HP: www.mot-art-museum.jp