スタイリスト・熊谷隆志インタビュー
Takashi Kumagai
「トレンドに捉われないスタイル」、今や多くのブランドやメディアで使い回されている常套句ともいっていいフレーズだが、その根っこを探っていく時、ファッションの分野でまず辿り着く人物が、熊谷隆志だろう。90年代のパリでスタイリストとしての活動をスタートさせて以後、フォトグラファー、ディレクターといった職種のみならず、ファッションのフィールドすらも越えながら活動範囲を拡大し続けている。近年では Biotop (ビオトープ) や WILD LIFE TAILOR (ワイルド・ライフ・テーラー) を始めとするショップのディレクターとしても有名だ。マルチな才能を発揮する熊谷氏の、そのスタイルのベースにあるものとは?ここでは、熊谷氏が手掛けるメンズブランド NAISSANCE(ネサーンス) の2013-14年秋冬展示会のタイミングで収録したインタビューを紹介する。
スタイリスト・熊谷隆志インタビュー
Portraits
*You’ll find the English text after the Japanese.
「トレンドに捉われないスタイル」、今や多くのブランドやメディアで使い回されている常套句ともいっていいフレーズだが、その根っこを探っていく時、ファッションの分野でまず辿り着く人物が、熊谷隆志だろう。90年代のパリでスタイリストとしての活動をスタートさせて以後、フォトグラファー、ディレクターといった職種のみならず、ファッションのフィールドすらも越えながら活動範囲を拡大し続けている。近年では Biotop (ビオトープ) や WILD LIFE TAILOR (ワイルド・ライフ・テーラー) を始めとするショップのディレクターとしても有名だ。マルチな才能を発揮する熊谷氏の、そのスタイルのベースにあるものとは?ここでは、熊谷氏が手掛けるメンズブランド NAISSANCE (ネサーンス) の2013-14年秋冬展示会のタイミングで収録したインタビューを紹介する。
—まず、4シーズン目となるNAISSANCEの現行コレクション (2013年春夏) について。グリーン、イエロー、ネイビーなど、色が特徴的ですが、どんなイメージで制作なさったのですか?
映画『太陽がいっぱい』(1960年) に出てくる Alain Delon (アラン・ドロン) がテーマ。麻のジャケットとかショーツとか、南フランスのイメージで作りました。コートダジュールにアジア人がいたら、たぶんこんな感じなのかな。ショーツの丈は、業界で一番短いと思います。
—たしかにかなり短いですね。リアクションはどうですか?
いいですよ。僕自身、海パンにしろ何にしろ、普段から短い丈が好きでよく履いています。その丈から出る足がキレイだと思うので。その筋で、70年代あたりに戻したフォルムにこだわりながら、短めの短パンに仕上げました。あとは、いつもの NAISSANCE のスタイル。流行にとらわれず、僕の好きなフランスやアメリカの古着にインスピレーションを得ながら作っています。
—いま熊谷さんが着用なさっているジャケットも、NAISSANCE の新作ですよね。サラリと着こなしていらっしゃいますが、実はタキシードだったりして。
そう。麻素地でタキシード。絶妙なグリーンの発色にもこだわっています。
—熊谷さんが手掛けていらっしゃる主なブランドには GDC (ジー ディー シー) と NAISSANCE がありますが、それぞれにディレクションの違いはありますか?
GDC は1998年からクリエイティブディレクターとして続けていて、購買層は20〜30代前半。対するNAISSANCE は、2011年秋冬スタートの新しいブランドで、こちらの購買層は20代後半から、上は70歳まで。イメージしていた通りのファン層ができてきています。NAISSANCE は置いている店も、Biotop や WILD LIFE TAILOR など、わりに大人が来るセレクトショップが多い。僕のライフスタイルに関する提案に合う服ができているとおもいます。
—NAISSANCE 立ち上げのきっかけになったのは?
一緒に年をとっていきたい、いいブランドを自分で手掛けたかったから。NAISSANCE では、僕が60歳になったら60歳の服を作るとおもう。逆に GDC は、年を取らないようなディレクションをしています。ブランドが僕と一緒に年を取ってしまうと、ロゴが無くなったり、キラーアイテムのスタジャンが変わってしまったり、いまならガーデニングやボタニックでやっているのですが、そういうコアの部分がズレてしまうので。
—では NAISSANCE は、熊谷さんご自身も普段からよく着ていらっしゃるのですね。
そうですね。でも植物を買いに行く時などは、GDC も着ています。カマとかクワが入れられる、ボタニック・バイイング・スーツを作っているので。あと、ガーデニング関連でいえば、SOLSO (ソルソ) という植栽を手がける集団があるのですが、そこの制服も GDC で作っています。GDC は若い時の自分+グリーン、NAISSANCE は等身大の僕、といった整理の仕方です。
—ディレクターとしては、つねにかなりの数のプロジェクトを手掛けていらっしゃいますよね。
全面的にディレクションさせていただいているのは、先ほどの話でも挙がったBiotopと、WILD LIFE TAILORの恵比寿、丸の内、梅田。あと SATURDAYS SURF NYC (サタデーズ サーフ ニューヨーク) 代官山は、日本の展開に関する部分でアドバイザリーとして参加しています。関わっているプロジェクトとしては、だいたいいつも両手で数えるくらいはあるかもしれない。
—熊谷さんが提案するライフスタイルは今、広く一般にも浸透していますが、そのあたりの手応えはどう感じていますか?
ライフスタイル提案は、僕はもうだいぶ前からやっています。やりたい方向性もメディアで露出しちゃっているので、何よりライフスタイルとかインテリアは僕の趣味なので、がんばって持ちこたえてやり続けている。僕の方向性を汲み取って、商売につなげたいとか、一緒に何かやっていきたいという人はちゃんとアピールしてきますよね。それで実際に話し合ってみて、あ、同じ方向を向いているなとわかったら、じゃあやろうってなる。最近は、GENERAL DESIGN (ジェネラルデザイン) の大堀伸さんとよく一緒に仕事をしています。彼とは世界観が共有できる。やっぱり同じ方向を向いている人じゃないと、うまくいかないです。
—いまに通じる熊谷さんのライフスタイルの原点は、どこにあるのでしょうか?
昆虫と植物と動物は、小さい頃から好きなんです。僕が尊敬する人は、ファーブルとシートンだから。昔からいつも図鑑ばっかり見ていて、いまはそれがたまたま仕事になっちゃったという感じ。いまの男の子たちって、本当すごいですよ。Biotop で、「どの鉢にしようかな〜」とみんな本気で悩んでいる。ちょっと前までだと考えられない風景ですよね。思うに、植物を好きな気持ちって、みんな潜在的に持っている。でも、ちょっと恥ずかしかったり、どこで買えばいいのかわからなかったりして、これまで手が伸ばせていなかったと思うんです。要は、リーバイスとかの古着にこだわるのと一緒。男の子って、この植物は多肉のアレでコレで、って調べるの好きじゃないですか。僕は、そこに行って欲しかった。そして実際に思い通りになったからラッキー、と思っています。
—それは、熊谷さんが道をつくったからですね。
僕は、自分の家でもスタジオでも、居心地がよくないとダメな人間なので。基本は趣味です。
—熊谷さんは、トレンドではなく“スタイル”が提案できる、数少ないスタイリストだと思います。最近は台湾『GQ (ジーキュウ)』から、世界のスタイリスト特集の取材を受けたとか。
僕の場合は、バイイングもしているということかな。いままでのスタイリストといえば、ショーを見るだけだったので。でも、ショーとバイイングって、やっぱりズレがある。ショーで見たものが全部売れるわけじゃない。結局のところ、ショーを見ないバイヤーたちが、展示会で直接バイイングして、それが店にあるという現状。そこにギャップあるんです。僕はその部分を、けっこう埋めているとおもいます。
—そして自身でも服を作る。
ショーを先に見て、たとえば SAINT LAURENT (サンローラン) のパクリを作ってもしょうがないでしょう。自分が昔から好きな古着とか、好きな国の民族衣装とか、それを NAISSANCE という形にして出している。それがたまたま、僕がいまやっているグリーンの活動とか、ライフスタイルの提案に合っているから、ちょっとだけ人気が出てきている。
—熊谷さんのスタイルのベースにあるのは?
10代はシブカジ、アメカジ。Levi’s® (リーバイス) で育ったというのもあるけど、わりとアイビーでずっときました。20代以降は、パリに住んでいたこともあり、ヨーロッパとアメリカとフィフティ・フィフティくらいです。
—熊谷さんから見る、いまの日本のファッションは?
素人のほうが、スタイリストとかファッション編集者とかより、ずっとオシャレ。いい傾向だと思います。
—いま、世界的な流れとして熊谷さんが感じていらっしゃるのは、どんな動きでしょうか?
ニューヨークに J.Crew (J.クルー) の Liquor Store (リカーストア) ができた (2008年) 当時は、ラギットがきましたよね。日本の『Free & Easy (フリーアンドイージー)』を見本に逆輸入、みたいな感じで流行っていましたが、いまのニューヨークは、ちょっとエレガントでコンサバになっている。日本でも、J.Crew やラギッドからくる流れは終わって、やはりちょっとコンサバになってきています。素人の子たちがやっているレイヤードとか、独特の世界観との二刀流になっているんですけど、けっこう面白いなとおもって見ているところです。逆にヨーロッパが、アメリカの真似になっていてつまらない。とにかくいまのメンズは、ニューヨークと東京がひっぱっています。
—熊谷さんが好きな東京のスポットを教えてください。
代官山蔦屋書店、神宮外苑、紀尾井町の AUX BACCHANALES (オーバカナル)、白金の Biotop、あたりかな。しょっちゅういます。
—そういえば先日、代官山蔦屋書店で熊谷さんをお見かけしました。いつもどのあたりをチェックしているのですか?
だいたいインテリアの雑誌が目当てです。
—代官山蔦屋書店では、インテリアやガーデニング系の雑誌は、全体に好調とも聞いています。『Inventory (インベントリー)』とか『Anthology (アンソロジー)』とか『Kinfolk (キンフォーク)』とか。そのあたりですか?
海外に月1ペースで出ているので、『Inventory』などは、海外で先に買っています。そういえば次の『Inventory』では、僕の特集が組まれるみたいです。
—白金のBiotopはリニューアルをしましたね。
僕の中の勝手なイメージですが、たとえば colette (コレット) がサンフランシスコに出店したらどうなるだろう?というのが裏テーマ。これまでは、ツリーハウスとか、ずっとオーガニックな感じでやってきましたが、店に置いているものは THE ROW (ザ ロウ) があったりなどハイブランドが多いので、2階のワンフロアくらいはちょっとファッションっぽくしました。超カッコよくなったので、ぜひ見に行ってください。
—熊谷さんの中でのサーフのポジションは?仕事としてのオファーもありそうですが。
ちょうど明日からもハワイでサーフィン。サーフィンは完全に趣味です。基本、仕事にはしたくない、逃げ場がなくなっちゃうので。以前、Quiksilver (クイックシルバー) のディレクターをやったことがありますが、仕事にすることによって、もっとサーフィンに行けたりとか、そういう楽しさもあるんだったら、全然やりたいです。
—ハワイが好きなんですね。
いろいろ行きます。バリ島、オーストラリア、ハワイ、あと鎌倉。
—熊谷さんのサーフスタイルとは?
普通の短パンにTシャツにビーサン。ファッションのファの字も考えません。
—話は変わりますが、フォトグラファーとしての活動も伺いたいです。展覧会は、年1ペースで開催されていますよね。
昨年は SATURDAYS SURF NYC 代官山のギャラリーのオープニングエキシビションで展示したりしました。あとは普通に、ファッション誌で撮っています。風景に関しては、これまで撮りためてきた写真が、けっこう売れるんです。寝室に飾りたいとか、そういうオーダーがよくきたりして。いま、デジタルとフィルムのはざまにいて、写真集のために改めて撮り下ろそうとか、そういう構想はないかな。フィルムは風景だけで、それ以外のファッションなどはデジタルですが、僕の中で、デジタルの写真を売るという感覚はまだできていなくて。そのあたりは模索中です。
—ムービーの視点はありますか?
7Dとか8ミリとか、小さい機材で撮ることはあります。先日は、TWIN CROSS (ツイン・クロス) という歌手で、ディレクターとしてムービーを撮りました(カメラマンは深水敬介)。そういう仕事は時々ありますが、でも基本的にムービーはないですね。僕、飽き症だし、ずっと回してられない。
—現在、NAISSANCEは13-14年秋冬の展示会が終わったところですが、次シーズンのテーマは「Test」なんですね。どんな思いが込められていますか?
これまでの4シーズンは、一切ブレずに作ってきましたが、この方向でいいのかな?という、自分に対するテストという意味での「Test」。ちょっとセンチな感じ(笑)。
—いま、RECTOHALL (レクトホール) 恵比寿では、NAISSANCE の特集をやっていましたね。限定でレディスもあると聞きましたが、サイジングの展開を増やしているのですか?
どうしてもレディスが欲しいとオーダーが来て、初めてレディスサイズも作ってみました。サイジングだけじゃなくて、パターンも変えてやっている。これも“テスト”の一環です。NAISSANCE はメンズですが、女の子のファンも多くて、要望は普段から多い。次は XS まで作ろうかなと検討中です。
—現在進行中のプロジェクトを教えてください。
いろいろありますが、大きいプロジェクトとしては、「インプレストタワー芝浦エアレジデンス」(港区芝浦地区に建築中のタワーレジデンス)のエントランスの植栽。これは10年計画です。Patrick Blanc (パトリック・ブラン) という、フランスの緑の魔術師と呼ばれる人 (金沢21世紀美術館「緑の橋」で有名) と一緒に仕事をしていた四緑園とやっています。これは間違いない。僕も住みたいくらいです。
<プロフィール>
熊谷隆志 (くまがい・たかし) スタイリスト、フォトグラファー、クリエイティブディレクター。1970年仙台生まれ。渡仏後、1994年スタイリストとして活動を開始。1998年レイク・タホ名義で、フォトグラファーとしての活動もスタート (現在は写真も本名名義)。広告・雑誌等で活動するかたわら、様々なファッションブランドのブランディングやショップ内装、植栽のディレクションなど、幅広い分野で活動中。
Nowadays, the phrase “styles uninfluenced by trend” has become a cliché expression amongst many brands and the media. However, if you track back to the origin of the phrase, the first person you will encounter in the field of fashion, is probably Takashi Kumagai. Having began his career in the 90s as a stylist in Paris, Takashi has continually expanded his field of work, not only in areas of photography and directing, but also to the extent of fashion. Recently, he has also acquired fame for his direction of Biotop, WILD LIFE TAILOR, and other stores. What is at the base of the styles created by the multitalented Takashi Kumagai? Here, we will introduce an interview recorded at the 2013-2014 autumn-winter exhibition of Takashi Kumagai’s men’s fashion brand, NAISSANCE.
—First, I would like to ask you about the 4th season of NAISSANCE’s running collection (2013 spring-summer). What sort of image did you have in mind when producing this season’s characteristic colors of green, yellow, and navy?
The theme was based on Alan Delon in the movie “Plein soleil” (1960). The linen jackets and shorts were designed in the image of southern France. I guess if there were Asians in Cote d’Azur, that is how they would look. I think the lengths of the shorts are the shortest in the industry.
—They were certainly very short. How did people react to them?
Very well. I myself like to wear undersized shorts, whether it be swimming trunks or anything else. I wear them on a regular basis. I think they enhance the style of the legs. Upon designing the shorts, I was very particular about recreating a form representative of the 70s. The rest is common NAISSANCE style. I ignore the current trend and acquire inspiration from French and American vintage clothes that I love.
—I noticed the jacket you’re wearing is also a new NAISSANCE release. You seem to wear it casually, but is it a tuxedo?
Yes, it’s a linen tuxedo. I was very particular about producing this perfectly colored green.
—Are there any differences in the way you direct your two main brands, GDC and NAISSANCE?
I have been working as the creative director for GDC since 1998 and its customers range between the age of 20 to early 30s. On the other hand, NAISSANCE is a new brand we started in the autumn-winter of 2011, and it’s targeted towards age groups ranging from late 20s up to the 70s. Its growing fan base clearly reflects our expectations. The select shops that deal with NAISSANCE, such as Biotop and WILD LIFE TAILOR, have a rather mature customer base. I feel the clothes successfully reflect the lifestyles I propose.
—What motivated you to establish NAISSANCE?
I wanted to make a good brand that I could grow old with. When I become 60, I’m planning to make clothes for 60 year olds at NAISSANCE. Conversely, I direct GDC so its designs won’t age. If the brand ages with me, the core of the brand will go off track, maybe leading to the eradication of the logo or the modification of its killer item stadium jumpers, which are currently being made for our gardening and botanical series.
—So you wear NAISSANCE on a regular basis?
Yes I do. However, when I go to buy plants, I wear GDC, because we make botanical-buying-suits that enable you to carry sickles and hoes. On the topic of gardening, GDC also creates uniforms for SOLSO, the architectural planting group. I consider GDC to be the young me + greenery, and NAISSANCE to be the real me.
—As a director, you must be engaged in quite a number of projects.
I’m only responsible for the total direction of Biotop and the WILD LIFE TAILOR stores in Ebisu, Marunouchi, and Umeda that were mentioned earlier. Regarding SATURDAY SURF NYC Daikanyama, I assume the role of advisor for its business in Japan. As for the number of projects I’m engaged in at a time, usually no more than what I can count on my fingers.
—How do you feel about the widespread popularity of your suggested lifestyles amongst the general public?
I’ve been proposing lifestyles for quite a while now. I’ve talked about my aspirations to the media and I consider lifestyles and interiors to be my hobbies, so I’m sticking to my word and making sure I continue what I started. Those who are aware of my aspirations and wish to start a business or work in collaboration with me come forth and make an appeal. After a talk, if I feel we’re headed in the same direction, I go for it. Recently, I do a lot of work with Shin Ohori from GENERAL DESIGN. It usually doesn’t work out if we’re headed in different directions.
—What do you consider are the roots to your current lifestyle?
I loved insects, plants, and animals since I was a child. The two people I used to look up to were Fabre and Seton. I always used to look through pictorial books and I guess that just happened to become my job. The young men of the current generation are truly amazing. At Biotop, the male workers seriously worry about what flower pot to use. An unimaginable scene just a while back. As I see it, everyone potentially possesses a certain amount of interest in plants. However, they never really had a chance to reach out, maybe due to embarrassment or simply not knowing where to buy them. In other words, it’s similar to how people fixate on vintage Levi’s. You know how men like to look up trivial knowledge on this and that, such as which plant is succulent or not. This is exactly the road I hoped they would pursue, and I consider myself lucky that things are proceeding accordingly to my wishes.
—That’s because you set them on that particular path.
I’m the kind of person who needs to be comfortable whether I’m at home or in my studio. It’s basically my hobby.
—I feel you are one of a few select stylists who can propose “styles” rather than trends. I heard you were recently interviewed by Taiwan’s “GQ” for an edition featuring stylists of the World.
In my case, I also assume the role of buyer. Until now, most stylists just watched the shows. However, there’s a difference with what is presented at the shows and what is bought. Everything they see at the show doesn’t necessarily sell out. As a matter of fact, the buyers who don’t see the shows are the ones who purchase the clothes at the exhibitions for their shops. Such reality is what creates the gap. I feel my work effectively fills in that gap.
—And you also create clothes as well.
I see the shows first but there is no point in me creating a copy of SAINT LAURENT for example. I produce NAISSANCE goods through shaping vintage clothes and native costumes I’ve always loved. And the fact that such clothes coincidently matched my ecological activities and the lifestyles I propose, lead to their little gain in popularity.
—What is at the base of your style?
When I was in my teens, Shibuya casual and American casual. I grew up with Levi’s®, but I basically wore Ivy style. Ever since my 20s, my experience in Paris influenced me to wear European and American styles on a 50-50 basis.
—What are your thoughts on Japan’s current fashion scene?
The amateurs are way more fashionable than stylists and fashion editors. I think that’s a good sign.
—What sort of movement in fashion do you sense on a global scale?
Back when J.Crew’s Liquor Store was established in New York (year 2008), ragged fashion was in style. They were popular in a sense of being reimported like Japan’s “Free & Easy,” however, the current New York is of a more elegant and conservative style. In Japan as well, J.Crew and ragged fashion has died down and conservative fashion is gaining popularity in the same way. I’m quite interested in the layered look taken in by the amateurs and how they combine it with their original styles. On the other hand, I feel European fashion has become just a copy of the Americans. In any case, the current men’s fashion scene is lead by New York and Tokyo.
—Please tell us what your favorite areas in Tokyo are.
Places such as Daikanyama Tsutaya Bookstore, Jingu Gaien, AUX BACCHANALES in Kioi-cho, and Biotop in Shirogane. I spend most of my time in these areas.
—Come to think of it, I spotted you at Daikanyama Tsutaya Bookstore the other day. Which sections do you usually check?
I usually go there for magazines on interiors.
—I hear the overall sales of interior and gardening magazines at Daikanyama Tsutaya Bookstore are rather good. Are magazines such as “Inventory,” “Anthology,” and “Kinfolk” part of your choices?
I go abroad once every month so I usually buy “Inventory” overseas before it’s released in Japan. By the way, it seems I’m being featured in the next edition of “Inventory.”
—I hear Biotop in Shirogane is expecting a renewal.
This is solely my own image, but the unofficial theme is what would happen if colette opened a store in San Francisco, for example. Until now, Biotop was consistent with its organic theme with features like the tree house. However, its products contain quite a selection of high brands such as THE ROW, so I thought why not make the entire 2nd floor more fashionable. It’s going to look really good so please come and visit.
—What is the position of Surf to you? It seems you have a job offer.
I’m actually leaving for Hawaii tomorrow to go surf. Surfing is completely just one of my hobbies. I basically don’t want to mix it with work or I’ll have nowhere to escape. I have had experience directing for Quiksilver though. If the work enables me to have fun such as go surfing more often, then I will accept, no question.
—You really like Hawaii.
I go to a lot of places. Bali, Australia, Hawaii, and also Kamakura.
—What is your surf style?
Just ordinary shorts, T-shirt and flip-flops. Nothing near fashionable.
—On a different note, I would also like to ask you about your activities as a photographer. You hold exhibitions on a once a year basis.
Last year, I exhibited my work at the gallery opening exhibition of SATURDAYS SURF NYC. The rest I take for fashion magazines. In regard to landscapes, photographs I’ve taken over the years seem to sell quite well. I get a lot of orders to the essence of “I want to put it up in my bedroom.” I’m currently in between digital and film, and I have no intention of taking photographs for any photo albums. I take landscapes with film and fashion with digital but I’m not ready to sell any digital work yet. I’m still pondering on that.
—Do you take movies as well?
Sometimes with small equipment such as 7D or 8mm. The other day, I directed a movie for a band called TWIN CROSS (the cameraman was Keisuke Fukamizu). I sometimes get asked to do jobs like that but generally, I don’t do movies. I get bored easily and can’t record for long periods of time.
—NAISSANCE just finished the year 13-14 autumn-winter exhibition, and the theme for the next season is “Test.” What are your ideas behind this theme?
My work has been consistent for 4 seasons now, but I’ve come to wonder whether I’m heading in the right direction. The “Test” of the next season is to test myself. Rather sentimental don’t you think.
—NAISSANCE is currently being featured in RECTOHALL Ebisu (until Feb 24th). I heard you have a limited edition of ladies wear, but are you thinking of expanding on this?
I had a desperate order for ladies wear so I made women-sized clothing for the first time. Not only the size, but I also changed the patterns too. This is also part of the “test.” NAISSANCE is a men’s fashion brand but it has a lot of female fans too and I regularly get requests for ladies wear. I’m thinking about making an XS size next.
—Please tell us what projects you’re currently working on.
I’m currently working on a number of projects, but the biggest one is probably the planting design for the entrance of “Imprest Tower Shibaura Air Residence” (a tower residence under construction in the Shibaura region of Minato-ku). This is a 10 year project. I’m working with Shiryokuen, a company that worked with the French so-called Green Magician, Patrick Blanc (well known for the “Green Wall” at the 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa). I have no doubts about this project. I even want to live there.
<Profile>
Takashi Kumagai / 1994 Started working as a stylist. 1998 Started working as a photographer under the name Lake Tajo. Currently works for advertising and magazines as a photographer under his real name Takashi Kumagai. He also works as a director in various fields that include branding for fashion labels and the direction of shop interiors.