toyo kitchen style

機能美とくつろぎが響き合う。トーヨーキッチンスタイルの新しい暮らし〈後編〉

「暮らしのニーズ」は、時代とともに常に変化している。日本の住宅環境や家族構成も以前とは大きく変わり、「住宅は広ければいい」という価値観から、「コンパクトで使い勝手のよい空間」へのニーズが高まっている。“使いやすいキッチン”を掲げる TOYO KITCHEN STYLE (トーヨーキッチンスタイル) は、暮らしの効率化と快適性を追求し続けてきた。その視点はキッチンだけにとどまらず、住宅全体の動線にまで及ぶ。そうしてたどり着いたのが、「ゼロ動線空間」というユニークな発想だ。単に LDK をコンパクトにするのではなく、機能的な動線を確保しつつ、調理・食事・くつろぎのすべてを一つの場所に集約。キッチン、ダイニング、リビングが融合した、現代に求められる豊かな空間を覗いてみよう。

toyo kitchen style

photography: Junpei Kato
prop styling: Maiko Akiyama
prop direction: Yui Sekine
text: Aika Kawada
edit: Sena Kuroda & Miu Nakamura

まずは、TOYO KITCHEN STYLE の DNA ともいえるキッチンの様子から見ていこう。これまで住宅はキッチンとリビングの空間を壁や家具で区切ることが多く、人の動線が途切れてしまい、調理中や食後に家族が同じ空間をともにすることが難しかった。しかし「ゼロ動線空間」は、キッチン、ダイニング、リビングが一体となり、食事する人、片付ける人、くつろぐ人が同時に空間を共有できる。一般的なアイランドキッチンでもリビングやダイニングを見渡すことはできるが、ゼロ動線空間ではさらに、キッチンに立つ人とダイニングに座る人の視線が交わりやすい。自然と会話が生まれ、空間そのものがコミュニケーションを育む場となるのだ。おまけに、広い LDK の片付けの手間も軽減する。美しさと機能性に加え、「少しでも人と人との時間を大切にしたい」という想いを形にした空間だ。

そんな空間の中心にあるのが、リビングのようにくつろげて、ダイニングのように食事もできる「集(つどい)ダイニング」。ソファとテーブルを組み合わせることで、くつろぎと食事を同時に楽しめる新しい空間が生まれている。さらに注目したいのは、テーブルの高さ。一般的に、ダイニングテーブルの高さは座面の高さから約30cmの距離が理想とされているが、「集ダイニングテーブル」は「集ソファ」にあわせ、あえて20cm差に設定。TOYO KITCHEN  STYLE の研究によると、食事をする時の高さを担保しつつ、くつろぐ際は圧迫感がなく、空間を遮らない高さが20cmだという。テレビへの視線も妨げず、オーダーメイドならではの細部にまで配慮された設計が光っている。

かつてのようにテレビが生活の中心ではなくなったものの、Netflix や YouTube などの動画視聴が増え、テレビは今も暮らしの大切な一部に。住宅環境のトータルコーディネートを考えるならば、テレビボードもキッチンやソファなどとデザインを統一したいもの。「iNO」シリーズの「キルトマット」では、脚部などのディテールまで揃えることで、空間に一体感をもたらしている。

TOYO KITCHEN STYLE のアイランドキッチンやテレビボードの特徴のひとつが、「脚」の存在だ。そこには大きく3つの理由がある。1つ目は湿気や汚れがたまりやすい場所に空間を設けることで清掃ができる。2つ目は空調管理。アイランドキッチンはおよそ横幅2m近くあり、部屋の中央に置かれることでエアコンの風の流れを遮りやすいが、脚によって下に空間を設けることで室内の空気が循環しやすくなるという。3つ目は、テレビ台なら一番試聴しやすい高さに、キッチンなら作業しやすい高さに好みにあわせて調整できることだ。 また、「アイランド」という名の通り、360度どこから見ても美しい仕上がりな点も見逃せない。壁づけを前提にせず、自立して部屋の中央に置くことを想定したデザインになっている。そのため、空間のレイアウトが柔軟で、その時々に合わせて、より快適な「ゼロ動線空間」を模索できるのも魅力だ。

ゼロ動線キッチン iNO キルトマット ¥2,429,636、収納ブロック(2段家電タイプ) ¥1,182,000、 UFO キルトマット ¥557,920〜、集ダイニングテーブル ¥383,900、集ソファ ¥825,000、集クッションL ¥16,500、TVイゾラ ¥998,800 *すべて掲載例価格/すべてTOYO KITCHEN STYLE (トーヨーキッチンスタイル)

「ゼロ動線空間」は、驚くほどコンパクトな18畳のスペースで実現可能だ。わずかな面積に、アイランドキッチン、集ソファ、集ダイニングテーブル、そしてアイランドテレビボードが美しく調和する。ソファを3人掛けにすれば、わずか7.5畳での実現も可能だという。多彩な機能を兼ね備えたアイランドキッチンに、シャンデリアを合わせるスタイリングも理にかなっている。

キッチン、テレビボード、ソファの3つの要素を部屋の中心に向かって配置することで、空間にいる人々の視線が自然と集まり、コミュニケーションが生まれやすくなる。テレビを見ながら食事をする人、調理の合間に隣に座って食事を取る人など、ふとした瞬間に人と人との距離がぐっと近づく。想定された動線が限られることで、室内にはちょうどよい距離感が生まれるのだ。スマートフォンの普及により、誰とでも簡単に連絡を取り合えるようになった。しかしその反面、ついネットの世界に意識が向きがちで、目の前の人との時間が希薄になりやすい。プライベートな時間が優先される今だからこそ、本当の豊かさとは何か、改めて考えたい。TOYO KITCHEN STYLE は、そんな時代だからこそ、キッチンを中心に人が自然と集い、つながりが生まれる空間づくりを目指している。