それぞれの想い出を刻んで、アクネ ストゥディオズと秋元梢のパリ紀行 vol.1
acne studios
with kozue akimoto
model: kozue akimoto
photography: shono inoue
hair: akemi kishida
make up: miki matsunaga
edit & text: manaha hosoda
1996年、スウェーデン・ストックホルムで Jonny Johansson (ジョニー・ヨハンソン) が100本のデニムを友人に贈ったことからはじまった Acne Studios (アクネ ストゥディオズ)。彼らがパリでショーを開催するようになってから、10年という月日が流れた。歴史と伝統が色濃くにじむ街においても、ブランドの由来である「Ambition to Create Novel Expression (新たな表現を創造するという野心)」をつらぬき、確かに足跡を刻み続ける。
同じく、パリ ファッションウィークに10年ちかく足を運んでいるモデルの秋元梢も、その街並みに自身の軌跡を重ね合わせる。着用したのは、「エモーショナル・パッチワーク」をテーマにした2022年秋冬コレクション。両者にとって思い入れの深い地を舞台に、かけがえのない一瞬を記録する(第1回/全4回)。
それぞれの想い出を刻んで、アクネ ストゥディオズと秋元梢のパリ紀行 vol.1
ハンドペイントのプリントが独特の風合いをまとうレザージャケットが、大理石に自然と調和する。まるで Gerhard Richter (ゲルハルト・リヒター) の抽象画のような、はたまた雨ざらしになっていたかのような、一言では言い表しようのない質感が Acne Studios そのものを感じさせる。今シーズン繰り返し引用された、ドロップショルダーにロングスリーブ、オーバーサイズのテーラードジャケットは、余分な装飾を省いたデザイン。柔らかさの中に奥行きがひろがるラムレザーは、着れば着るほど身体に馴染んでいく。ベージュのトップスを忍ばせ、ダメージ加工をクリスタルのアクセントとともに補修したニットのブーツをあわせて、彫刻を彷彿とさせる美しい佇まいを演出する。