しなやかな強さの先に。ディーゼルと町田啓太 vol.2

強さ。それは、日常のささやかな出来事や人々の感情に寄り添うこと。では、ファッションにおける強さとは何か。――服をまとうことで、自分自身を鼓舞し、内に潜む繊細さをも解き放つ力。それは無骨さと優美さ、挑発と優しさという相反するものをそっと抱きしめることで立ち現れる。

Glenn Martens (グレン・マーティンス) が手がける DIESEL (ディーゼル) を語る上で「強さ」は欠かせないキーワードである。ブランドが持つ反骨精神を受け継ぎながらも、その奥には繊細さや柔らかさが確かに息づく。ダメージ加工やデストロイデニムなどのストリートカルチャーを背景にしたアティチュード。ひと目には挑発的に映るそれらも、緻密に計算されたシルエットや素材使いなど、ラギッドな印象の裏に潜むディテールが、装う人にそっと寄り添う。

アンビバレントな魅力を宿す DIESEL を着こなしたのは、俳優の町田啓太。凛とした佇まいから時折見える表情や仕草に宿る「柔らかさ」。その相反する要素が共存した先に見える、美しい余白を切り取った(第2回/全4回)。

model: keita machida
photography: ibuki yamaguchi
videography: hana shimizu
styling: yuki yajima
hair & make up: yosuke akizuki
text: miku oyama
edit: manaha hosoda & miku oyama

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ジャケット ¥111,100、ロングスリーブ T シャツ ¥59,400、シャツ ¥50,600、パンツ ¥59,400/すべて DIESEL (ディーゼル)、シューズ/スタイリスト私物

オルタナティブレザーのセットアップは、モードとロマンが息づくスタイルの原点。シルエットひとつで洗練と力強さを同時に宿し、ワードローブの核となるアイテムだ。ラグジュアリーなジャケットとパンツは、ハンドブラシ加工によるヴィンテージ感のあるツヤが魅力。素材の良さを引き立てるストイックな佇まいには、クリーンなブルーのシャツを合わせてよりソリッドな印象に。さらに、DIESEL らしい大胆でテクニカルなトップスを加えて、遊び心も忘れない。