sosuke ikematsu

語らない強さ。池松壮亮と IM MEN が交わす余白 vol.4

大袈裟な演出も、雄弁な言葉もいらない。シンプルなのに視線を奪う── IM MEN (アイム メン) の服には、そんな “語らない強さ” の説得力がある。2021年の立ち上げ以来、創業者・三宅一生が掲げた「一枚の布」という視点を軸に、デザインとエンジニアリングの両面から、“男性のための新しい日常着” の可能性を広げてきた IM MEN。形を決めつけず、着る人の姿勢に委ねること。そして完成するそのクリエイションには、計算尽くされた機能性と、着る自由の余白が同居する。

池松壮亮という俳優は、その “語らない強さ” を自然体のまま証明するような存在だ。役を演じるというより、その人物として呼吸をしているように映る。撮影当日も、カメラの前で、ただそこに在るという佇まいだけで、景色の意味を塗り替えてしまうような不思議な魅力があった。彼の歩幅や肩の傾きひとつが、服の表情を静かに変化させる。凛とした静けさを纏う池松壮亮の姿と、IM MEN の余白の美学が、都市の中でそっと交差する (最終回/全4回)。

IM MEN with sosuke ikematsu

model: sosuke ikematsu
photography: kodai ikemitsu
styling: babymix
hair & make up: ayumi naito
edit: nonoka nagase & miu nakamura
text: nonoka nagase

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ジャケット WOOL LIKE TWEED ¥132,000、中に着たジャケット TOUGH COTTON¥71,500、シャツ COMPACT SHIRT ¥33,000、パンツ WOOL LIKE TWEED ¥66,000、シューズ SWIFT FLYFRONT ¥55,000、ストール *参考商品/すべて IM MEN (アイム メン)

落ち着いたブラウンのジャケットとパンツは、ポリエステルでツイードの温もりを再現したテキスタイルが特徴の「WOOL LIKE TWEED」シリーズから。軽やかな生地に流れるようなタックが施され、風や歩みに呼応してしなやかに揺れる。布が踊るように表情を変える、まさに“着るよろこび”を映し出したようなセットアップだ。

中に着た「TOUGH COTTON」のブルゾンは、オーガニックコットン100%の高密度生地を製品染めし、洗いざらしのような柔らかさをまとった一着。着るほどに色と質感が深まり、時間とともにその人だけの風合いを刻んでいく。

装いを凛と引き締めるのは、胸元から覗く鮮やかなブルーの「COMPACT SHIRT」。フラットに折りたためるミニマルなシャツは、光沢と張りのある軽やかな肌触り。柔らかくもしわになりにくく、日常に心地よさを添えてくれる。

IM MEN が紡ぐ布は、都市に溶け込みながらも確かな存在感を放つ。異なる”一枚の布”の重なりが、着る人と共に、新しい日常のかたちを描いていく。