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stella mccartney "a to z"
by olafur eliasson

【限定公開】ステラ マッカートニーのマニフェスト「A to Z」:オラファー・エリアソン

© Olafur Eliasson, 2020

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【限定公開】ステラ マッカートニーのマニフェスト「A to Z」:オラファー・エリアソン

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stella mccartney "a to z"
by olafur eliasson

by Manaha Hosoda

ブランド創設時から先駆的なビジョンを掲げ、それを貫くだけでなく、常に発展させてきた Stella McCartney (ステラ マッカートニー)。いまやサステナブルファッションのオーソリティとしての地位を確立したが、その道中は決して平坦なものではなかった。

世界中が未曾有の困難に直面している今、Stella McCartney は2021年に20周年という大きな節目を控え、今一度ブランドの原点に立ち返り、新たな未来を創造するマニフェスト「A to Z」を打ち出した。

このプロジェクトに招致されたのは、世界各国で活躍するアーティストたち。アルファベットに込められたブランドのヴィジョンをアーティストそれぞれが自由に表現している。TFPでは、彼らが Stella McCartney のために特別に制作したアートワークにこめた思いをエクスクルーシヴにお届け。第三弾は、オーガニックを指す「O」を手がけた Olafur Eliasson (オラファー・エリアソン)。

O is for Organic
by Olafur Eliasson

Olafur Eliasson は、アイスランド系デンマーク人の現代アーティスト。コペンハーゲン出身で、現在はベルリンを拠点に活動している。1990年代初頭より、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など様々な手法で作品を発表し続け、大規模なインスタレーションでも広く知られている。光や水、霧といった自然現象を用いた作品を通して、サステナブルな世界の実現を呼びかけており、国際的にも高い評価を得ているアーティストだ。先日まで東京現代美術館にて開催されていた日本では10年ぶりとなる大規模個展が記憶に新しい人も多いだろう。

“What do we do with space in our short life on this tiny planet here?” – Olafur Eliasson

Mert Alas & Marcus Piggott (マート・アラス&マーカス・ピゴット) が撮影した「A to Z」キャンペーンビジュアル〈Organic〉

「声をかけてくれたステラには感謝しています。

私は面白いことに”O”が意味するのは”Oooh”かなとステラに話したことがあります。ステラのアルファベットを使ったアイディアには共通する点が多く、この作品は”O”のコンセプトにあっていると思います。ステラのアルファベットのアイディアはワクワクするし、どこか共感するところがありました。『“O”は世界や惑星を連想させないかな』と話しました。あらゆる可能性を秘めている。そしてどんな場所が”O”を占領するのか。”O”が意味するのはOKの”O”ではなかったかもしれないし、”Ohh”の”O”かもしれません。

もしくは、オーガニックに近い”O”かもしれない。勿論、オラファーの”O”とも考えたかったのですが、それは今回のトピックではありません。占領する場所、この小さな惑星での短い人生の中で、私たちがその場所をどうするのか?資源の欠乏や何かの欠乏について勉強すれば、”O”を作ることができます。何も埋めないこと、余白で埋めつくすこと、です。私たちは通常、そのスペースを個体やもの、アクティビティなどでどう埋めるかばかり考えています。余白は残り物のようなもので、私たちは特に何もせずに通り過ぎるだけです。埋めることばかりを考えている思考を逆にしてみてください。何も入れていないスペースについて考えてみてください。私たちが埋めないものは何か?私たちは何を意味しているのか?何もせずとも実際に何かできるのか?それは”the presence of absence”(オラファーは同名の作品群を発表している)と言えるかもしれません。今、どうして私たちは自分たちがしたことばかりで定義されているのでしょう?私たちがしていないことで定義されてもいいですよね。だから、この“O”は何も入っていない丸なんです。無いものの輪郭といえるかもしれません。

私たちがしていないこと、もしくはしないことを選べることがわかったら、そこには何かがあるかもしれません。スケッチのようなものです。作品はこのことについて表現しています。この”O”は文字として、オムニバス、もしくはオーガニックを意味しているんです。

基本的に、これはガラスプレートです。これが私のアートの作り方です。ガラスに穴がありますが、これは私が切り出したものです。ピンクの鏡が裏にあったので、取り出してみたんです。ドローイングについて考えてみてください。私はスペースを作っているんです。無いもので何かを明らかにしているんです。取り除いて、スペースを作ることで、参加しているようなものです。ここには無いものを主題として示しているのです。

ステラは、誤った選択をせず、必要無いものを買わないこと、そして環境配慮した革新的な物選びをすることは、地球をいっぱいにしないことを選んでいると思いました。いっぱいにせず、そこまで必要と思っていないものは買わず、心地よいとは感じないものには関わらない。それは簡単なことではありません。取り除くことでアート作品を作っているようなものですからね……正反対です。ただ何かを作り続けているような作品とは違うのです。」

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