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nao manabe

【写真家たちの目線】 vol.4 真鍋奈央

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今、あなたが見ている明日はどんな景色ですか? のアンサーとなる1枚を、それに紐づく言葉とともに寄せてもらう本企画。この自粛期間中、写真家たちは自身のアーカイブを整理したり、写真集を作ったり、新しい日常/街の非日常を記録したり、パソコン越しで新たなシューティングのスタイルを模索する、など、いろんなアングルから写真と向き合い、これから先のことについて考えている。

本連載は、写真家が写真家に繋ぐリレー形式でお届けする。第3回に登場した浦芝眞史が紹介してくれたのは、徳島出身で現在は東京を拠点に活動する写真家・真鍋奈央。留学をきっかけに18歳より暮らしてきたハワイを舞台に10数年にわたって撮影された写真群を1冊にした写真集『波を綴る』を2019年に発表。旅行だけでは見ることのできない、真鍋ならではの視線で丁寧に切り取られたハワイの情景は高い評価を得て、入江泰吉記念写真賞を受賞。同書の刊行を記念した写真展のギャラリートークでは、本企画の第2回に登場した川島小鳥と対談している。

浦芝からは以下の紹介文を寄せられた。
「今年の春まで3年間、大阪で一緒に働いていた写真家の真鍋さんを紹介します。なおちゃんは海のような人だと思います。『大丈夫、地球は回っているから』と励ましてくれたことが忘れられません。マスクなしでも安心して爆笑できるようになったら、また東京に遊びに行きたい!」

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【写真家たちの目線】 vol.4 真鍋奈央

梅雨のある朝
玄関のドアを開けると小さな黒いモシャモシャがそこにいた
目が合ってしまった
私の目をじっと見つめたまま一直線に私の身体を伝い上がってきたので
思わず抱いてしまった

「えっ」とか「あっ」とか言っている間に世界規模で変質していく明日へ生まれ
今日に飛び込んできた青い目のモシャモシャ

触れられないものが世界を変えてしまったのかもしれないけれど
黄色い目になりつつあるモシャモシャは私の毎日に感触を運んできた

生きているものの感触は生々しく
手触りなく失われていったことを
ふと想ったりする

(文・真鍋奈央)