今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
2/2026
『ブゴニア』
©2025 FOCUS FEATURES LLC.
『哀れなるものたち』『女王陛下のお気に入り』などで知られる鬼才 Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス) 監督が、これで5度目のタッグとなる Emma Stone (エマ・ストーン) を主演に迎えて描いた誘拐サスペンス。『エディントンへようこそ』『ミッドサマー』の監督 Ari Aster (アリ・アスター) がプロデューサーに名を連ね、2003年の韓国映画『地球を守れ!』をリメイクした。世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。やがてテディの隠された過去が明らかになることで、でたらめな誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。主演の Emma Stone は髪を剃った丸坊主姿も披露し、陰謀論者に囚われたミシェル役を熱演。彼女を宇宙人だと信じてやまない誘拐犯2人組を、『憐れみの3章』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の Jesse Plemons (ジェシー・プレモンス) と、オーディションで抜てきされた新星 Aidan Delbis (エイダン・デルビス) が演じる。狂気とユーモアが見事に融合した本作は、今年注目の1作。ぜひ、劇場にて前代未聞の誘拐サスペンスの行方を追ってみては。
公開日: 2月13日(金)
監督: Yorgos Lanthimos
出演: Emma Stone、Jesse Plemons、Aidan Delbis
HP: gaga.ne.jp/bugonia
『私たちの一日』
©2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
大作商業映画からは距離を置いた独自のスタイルで作品を発表し続けている韓国の名匠 Hong Sang-Soo (ホン・サンス) の長編30作目。休業中の俳優と隠遁生活を送る老詩人の、交わりそうで交わらない一日を描いた作品が公開。友人の家に滞在する休業中の俳優サンウォンと、小さなアパートでひとり暮らしをする老詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若い客たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。演技には何が必要か。どうすれば俳優、詩人になれるのか。なぜ詩を書き始めたのか。若者たちが問いかける話題は、いつしか人生についての大事な対話へと発展していく。そんな中、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消してしまう。交互に描かれる2つの場所と時間、そこで繰り広げられるコミカルな会話劇を通して、日常に潜むドラマチックな瞬間を見つけ出していく本作品。俳優のサンウォン役は Hong Sang-Soo 作品に欠かせない Kim Min-Hee (キム・ミニ)、詩人のホン・ウィジュ役は『川沿いのホテル』でロカルノ国際映画祭の主演男優賞を受賞したキ・ジュボンが務めた。Hong Sang-Soo 監督のデビュー30周年を記念して5カ月連続で新作を上映する企画「月刊ホン・サンス」の第4弾作品として2026年に劇場にて公開。些細な出来事から生まれる問題や葛藤を、Hong Sang-Soo ならではの視点で描く人間模様。何気ない日常の記録を、スクリーンで体感してみてほしい。
公開日: 2月14日(土)
監督: Hong Sang-Soo
出演: Kim Min-Hee、Gi Ju-bong (キ・ジュボン)、Song Sun-Mi (ソン・ソンミ)
HP: mimosafilms.com/gekkan-hongsangsoo
『私のすべて』
©2024 L.F.P.-LES FILMS PELLÉAS/FRANCE 3 CINEMA
本作は、『犬の裁判』で共同脚本を手がけた Anne-Sophie Bailly (アンヌ=ソフィー・バイイ) が長編初監督を務め、人生を息子に捧げてきた女性の心と体の解放を繊細に描いたフランス発のドラマ作品。パリ郊外に暮らすシングルマザーのモナは、若くして授かった発達に遅れのある息子ジョエルをひとりで育ててきた。現在30歳過ぎのジョエルは、障がい者のための職業作業所で働いている。モナとジョエルは互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた。そんなある日、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが、彼の子どもを妊娠する。2人の関係について何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる。『悪なき殺人』の Laure Calamy (ロール・カラミー) がモナを演じ、ジョエル役とオセアン役には障がいを持つ当事者である Charles Peccia Galletto (シャルル・ペッシア・ガレット) と Julie Froger (ジュリー・フロジェ) を起用。撮影現場には障がいを持つ俳優のケアを担当する、フランス映画界でただ1人のアクセシビリティ・コーディネーターを登用した。それぞれ異なる視点での想いや悩みを鮮明に描いた心の旅を見届けて欲しい。
公開日: 2月13日(金)
監督: Anne-Sophie Bailly
出演:Laure Calamy、Charles Peccia Galletto、Julie Froger
HP: cinema.starcat.co.jp/myeverything
『たしかにあった幻』
©CINÉFRANCE STUDIOS – KUMIE INC – TARANTULA – VIKTORIA PRODUCTIONS – PIO&CO – PROD LAB – MARIGNAN FILMS – 2025
『あん』『朝が来る』の河瀨直美監督が6年ぶりに劇映画のメガホンをとり、『愛のかたち』と『命のつながり』を題材に、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねてオリジナル脚本で描いた人間ドラマが公開。物語の中心となるのは、神戸の臓器移植医療センターで働きながら小児臓器移植医療の促進に取り組んでいたフランス人のコリー。西欧とは異なる日本の死生観や倫理観の壁は彼女が思っていた以上に厚く、医療現場の体制の改善や意識改革は困難で、無力感や所在のなさを感じていた。そんな彼女にとって、屋久島で出会った恋人・迅が心の支えだったが、彼の誕生日でもある7月7日の七夕に突然姿を消してしまう。1年後、迅が失踪するはるか前に彼の家族からも捜索願が出されていたことを知ったコリーは、彼の実家がある岐阜を訪れる。そこでコリーは、自身と迅との出会いが宿命的であったことを知る。主演は『ファントム・スレッド』『蜘蛛の巣を払う女』などで知られるルクセンブルク出身の女優 Vicky Krieps (ヴィッキー・クリープス)。謎めいた恋人・迅を寛一郎が演じ、尾野真千子、北村一輝などの豪華俳優陣が名を連ねる。幻想的な映像美の中で描かれる人間模様と恋の行方を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日: 2月6日(金)
監督: 河瀨直美
出演: Vicky Krieps、寛一郎、尾野真千子
HP: happinet-phantom.com/maboroshi-movie
『両親が決めたこと』
©2024.LASTOR MEDIA, KINO PRODUZIONI,ALINA FILM ALL RIGHTS RESERVED.
高齢夫婦のどちらかが安楽死するとき、そのパートナーが健康であってもともに安楽死する「デュオ安楽死」を題材にした家族ドラマ。ヨーロッパで急増するデュオ安楽死を決めた両親と、その子どもたちの心の機微を、ユーモアを交えながら温かく描き出す。スペイン・バルセロナで暮らしている、末期がんに侵された80歳の舞台女優クラウディア。がんは脳にまで転移し、錯乱や半身麻痺、さらに自我の喪失も近づくなか、彼女は安楽死を選択する。子育てよりも舞台優先で生きてきたクラウディアを支え続け、今なお愛してやまない夫フラビオも彼女とともにスイスで安楽死することを決意し、3人の子どもたちに打ち明ける。子どもたちは戸惑い反発するが父の意志は固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、ついに最後の旅へと出発するときがやって来る。『欲望のあいまいな対象』『家へ帰ろう』の Angela Molina (アンヘラ・モリーナ) が妻クラウディア、『トニー・マネロ』『伯爵』の Alfredo Castro (アルフレド・カストロ) が夫フラビオを演じた。本作は、2024年・第49回トロント国際映画祭で新たな挑戦作を評価する「プラットフォーム部門」の作品賞を受賞。一見ネガティブにも思える「死」というテーマを、ユーモアと人間味あふれる眼差しで描き、観る者それぞれの価値観に静かに問いかける。
公開日: 2月6日(金)
監督: Carlos Marques-Marcet (カルロス・マルケス=マルセット)
出演: Angela Molina、Alfredo Castro、Monica Almirall Batet (モニカ・アルミラル・バテット)
HP: m-pictures.net/futarigakimeta
『キラー・オブ・シープ 4Kレストア版』
©1977 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for KILLER OF SHEEP
アフリカ系アメリカ人の日常と人間性を描き、アメリカ映画に静かな革命をもたらした映画作家 Charles Burnett (チャールズ・バーネット) が1977年に発表した長編デビュー作。ロサンゼルスの片隅で暮らすアフリカ系アメリカ人労働者の日常を、写実的なまなざしと詩情豊かな映像美で描く。ワッツ暴動の爪痕が残る1970年代初頭のロサンゼルス、ワッツ地区。スタンは妻と2人の子どもたちを養うため羊の屠殺場で働きながら、空虚な毎日を送っている。日々の労働と貧困のせいで肉体的にも精神的にも疲れ果てている彼は自分の殻に閉じこもるようになり、妻は孤独を募らせていく。UCLA 映画学部の大学院生だった Charles Burnett 監督が卒業制作として手がけ、身近な人々を中心とした素人のキャストを集めて地元ワッツで撮影。音楽著作権の問題で長らく公開できなかったが、2007年にアメリカで劇場公開が実現した。数十年の時を経て完成した4Kレストア版では、ラストシーンを彩る楽曲に、当初 Charles Burnett 監督が望んでいた Dinah Washington (ダイナ・ワシントン) の「Unforgettable」に差し替えられた。70年代の当時のアメリカならではの日常を描いた名作が、4Kレストア版として現代に蘇る。
公開日: 2月7日(土)
監督: Charles Burnett
出演: Henry G. Sanders (ヘンリー・G・サンダース)、Kaycee Moore (ケイシー・ムーア)、Charles Bracy (チャールズ・ブレイシー)
HP: afterschoolcinemaclub.com/everydayblues











