今週のTFP的おすすめ映画
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おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
1/2026
『イマジナリーライン』
©2024 東京藝術大学大学院映像研究科
新鋭映画監督である坂本憲翔が、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻18期の卒業制作作品として長編デビュー作を公開。映画学校を卒業したばかりの山本文子は、音楽好きの親友であるモハメド夢を出演者として協力してもらいながら映画制作を続けていた。1年前に母を亡くし喪失感を抱える文子に、夢は母の遺灰を海に撒くことを提案する。2人は文子の母の故郷である鎌倉を訪れるが、日本で生まれ育った夢が在留資格を持たないことが発覚し、県境を越えたという理由で入管施設に収容されてしまう。2023年6月の入管法改正案の採択により入管制度の厳罰化が進んだ状況をふまえ、仮放免者や入管の被収容者への取材を行い、入管内部の実態に深く切り込み、本作品に落とし込んだ。『チャチャ』の中島侑香が文子役で主演を務め、俳優で脚本家としても活動する LEIYA が親友・夢を演じる。タイトルの『イマジナリーライン』は、映像制作の専門用語で「向かいあう人物の間を結ぶ仮想的な線」のこと。本作では、それを人と人との間に生じる「見えない線引き」と捉えて表現している。現代社会が抱える問題を提起しつつ、それぞれの心に生まれた変化と彼女らの行く末を描いた作品。仮放免者や支援者などの視点から描いた葛藤や心境を鮮明に表現した本作を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。
公開日:1月17日(土)
監督: 坂本憲翔
出演: 中島侑香、LEIYA、丹野武蔵
HP: www.lamp-kk.com/imaginary-line
『モディリアーニ!』
©Modi Productions Limited 2024
Johnny Depp (ジョニー・デップ) が1997年の映画『ブレイブ』以来約30年ぶりに監督を務め、芸術家 Amedeo Modigliani (アメデオ・モディリアーニ) の人生を変えた激動の72時間を描いたドラマ作品。1916年、イタリア人の画家 アメデオ・モディリアーニ は才能に溢れながらも批評家に認められることなく、作品も売れず酒と混乱の日々を送っていた。キャリアを終わらせて街を去ろうとする彼を、画家仲間のモーリス・ユトリロやシャイム・スーティンなどが彼を引き止める。友人で画商のレオポルド・ズボロフスキに助言を求めるモディリアーニだったが、彼の心は混乱するばかりだった。やがてモディリアーニは、自身の人生を変えることになるアメリカのコレクター、モーリス・ガニャと出会うことで徐々に物語が進んでいく。『ジョン・ウィック チャプター2』の Riccardo Scamarcio (リッカルド・スカマルチョ) がモディリアーニを演じ、名優 Al Pacino (アル・パチーノ)、ドラマ『シャンタラム』の Antonia Desplat (アントニア・デスプラ)、『ボイリング・ポイント 沸騰』の Stephen Graham (スティーブン・グレアム)が共演。芸術と破滅、愛と再生が交錯する、狂気と情熱が込められた作品が現代に放たれる。
公開日:1月16日(金)
監督: Johnny Depp
出演: Riccardo Scamarcio、Antonia Desplat、Bruno Gouery (ブリュノ・グエリ)
HP: longride.jp/lineup
『グッドワン』
©2024 Hey Bear LLC.
Roger Donaldson (ロジャー・ドナルドソン) 監督の娘としても知られる India Donaldson (インディア・ドナルドソン) が長編初監督を務め、2024年・第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューで新人監督賞を受賞した本作品。父とその友人と3日間のキャンプに出かけた少女が、大人の不完全さに気づく瞬間をとらえ、大人になることの喪失感と希望を描いた物語。17歳の少女サムは父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。旅をしていく中で、クリスとマットは長年のわだかまりをぶつけあいながらも、ゆるやかにじゃれあう。サムはそんな彼らの小競り合いに呆れながらも聞き役と世話役を引き受け、静かに空気を読み続ける。しかし男たちの行動によりサムの大人への信頼が裏切られ、サムとクリスの親子の絆は揺らいでしまう。映画初主演の Lily Collias (リリー・コリアス) が主人公サムを繊細に演じ、『ドラッグストア・カウボーイ』の James LeGros (ジェームズ・レグロス) が父クリス役、テレビドラマ『プリズン・ブレイク』の Danny McCarthy (ダニー・マッカーシー) が父の友人マット役を務めた。大人になることの「喪失感」と「希望」を表現した、忘れがたいひと夏の物語。新世代が映し出す成長譚をぜひ劇場で体感してみては。
公開日:1月16日(金)
監督: India Donaldson
出演: Lily Collias、James LeGros、Danny McCarthy
HP: cinema.starcat.co.jp/goodone
『アバウトアス ・バット・ノット・アバウトアス』
©The IDEAfirst Company, Octobertrain Films, Quantum Films
孤独な文学教授と作家志望の青年が、亡き恋人の秘密をめぐって繰り広げる洒脱な会話劇をワンシチュエーションで描いたフィリピン映画。『ダイ・ビューティフル』を手がけた Jun Robles Lana (ジュン・ロブレス・ラナ) が監督・脚本を担当し、LGBTQ+や性加害、愛する人との別れ、SNS世代の危うさなどさまざまなテーマを盛り込みながら、現代フィリピンの病巣と愛憎を描き出す。コロナ禍の大都会マニラで、著名な小説家である恋人マルコスを亡くしたばかりの文学教授エリックが、老舗レストランで教え子のランスと再会する約束をしていた。エリックは喪失感を抱えながらも、自分を慕うランスとの時間を楽しみにしていた。アップルパイやダフトパンクの話題で距離を縮めていく2人だったが、マルコスのある話をきっかけに空気が一変。エリックは自分を見つめるランスの瞳の奥から、マルコスの驚くべき真実を知る。共演には、日本でも話題を集めたドラマ『ゲームボーイズ』の Elijah Canlas (イライジャ・カンラス) が美青年ランス、フィリピンのベテラン俳優の Romnick Sarmenta (ロムニック・サルメンタ) が文学教授エリックを演じた。普遍的かつフィリピンという地でしか起こりえない出来事をきっかけに進んでいく物語を、日本の劇場にてその魅力を堪能してみては。
公開日:1月17日(土)
監督: Jun Robles Lana
出演: Elijah Canlas、Romnick Sarmenta
HP: someonesgarden.org/aboutusbutnot/
『喝采』
©2024 Crazy Legs Features LLC
ブロードウェイの伝説的な女優 Marian Seldes (マリアン・セルデス) をモデルに、キャリア終焉の危機に直面した大女優が最後の舞台に挑む姿を描いたドラマ。『ナイト・ウォッチャー』『ポワゾン』を手がけた Michael Cristofer (マイケル・クリストファー) 監督が、実話を基に製作した感動作が誕生。ブロードウェイの第一線で活躍してきた大女優リリアン・ホールは、チェーホフの戯曲『桜の園』の公演を間近に控えていたが、稽古中に突然言葉を失うアクシデントに見舞われ、医師から認知症だと告げられてしまう。それは彼女にとって引退勧告にも等しい、あまりにも残酷な現実だった。人生のすべてを舞台に捧げてきたリリアンは、病気を抱えたまま本番をやり遂げることを決意する。病状の悪化により、現実と妄想の境界さえも曖昧になっていくなか、最期になるであろう舞台のためにすべてをかける姿が映し出される。『トッツィー』などに出演している名優 Jessica Lange (ジェシカ・ラング) が主人公リリアンを熱演し、リリアンを支え続けるアシスタントのイーディスを『ミザリー』の Kathy Bates (キャシー・ベイツ)、隣人で元芸術家のタイを Pierce Brosnan (ピアース・ブロスナン) がそれぞれ演じた。人生讃歌の感動作をぜひスクリーンで見届けてみては。
公開日:1月9日(金)
監督: Michael Cristofer
出演: Jessica Lange、Kathy Bates 、Lily Rabe (リリー・レーブ)
HP: lillianhall.ayapro.ne.jp
『おくびょう鳥が歌うほうへ』
©2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights Reserved.
『レディ・バード』『ハンナ』などに出演する女優 Saoirse Ronan (シアーシャ・ローナン) が初プロデュースを手がけて自ら主演を務めた本作は、大都会で自分を見失った生物学者が故郷で新たな生き方を模索する姿を描いたドラマ。イギリスでベストセラーとなった Amy Liptrot (エイミー・リプトロット) のノンフィクション回想録『THE OUTRUN』を原作に、『システム・クラッシャー』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したドイツ出身の Nora Fingscheidt (ノラ・フィングシャイト) 監督が映画化。スコットランド・オークニー諸島の雄大な自然を背景に、主人公の断片的で混濁した内面世界を繊細な演出で描き出す。ロンドンの大学院で生物学を学んでいた29歳のロナは、スコットランドの故郷に10年ぶりに帰ってくる。暴力的な体験や入院、恋人との別離など、人生の限界を迎えた彼女は依存症の治療施設に入所し、90日間のリハビリプログラムを経て断酒生活を開始した。故郷で孤独な時間を過ごす中で、少しずつ自らの内面と対話を重ねていくロナだったが、数々のトラブルを引き起こしてきた記憶の断片が彼女を悩ませ続ける。誰もが抱える悩みや葛藤を鮮明に映し出した本作を、ぜひ劇場で体感してみてはいかが。
公開日:1月9日(金)
監督: Nora Fingscheidt
出演: Saoirse Ronan、Paapa Essiedu (パーパ・エッシードゥ)、Nabil Elouahabi (ナビル・エルーアハビ)
HP: outrun2026.com
『SEBASTIAN セバスチャン』
©Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
ロンドンの街を舞台に、小説家の夢とセックスワークの狭間で揺れ動く青年の姿を赤裸々につづったドラマ。監督・脚本は、1950年代末に起きたフランスの映画運動 Nouvelle Vague (ヌーベルバーグ) 以降のフランス映画に強く影響を受けたというフィンランド出身の新鋭監督 Mikko Makela (ミッコ・マケラ) が務めた。ロンドンに暮らす作家志望の青年マックス。将来を嘱望されている彼は、デビュー作となる長編小説をリアルなものにするため、セバスチャンという名前で男性相手のセックスワークを始める。未知の世界へと足を踏み入れ、さまざまなクライアントと接していくうちに、マックスは自分自身とセバスチャンとの境界線を次第に見失っていく。主人公マックスを繊細かつリアルに演じるのは、スコットランドとイタリアをルーツに持つ Ruaridh Mollica (ルーアリ・モルカ) 。共演は『タイタニック』や『ジュマンジ』の Jonathan Hyde (ジョナサン・ハイド)、『馬々と人間たち』の Ingvar Sigurdsson (イングバル・シーグルズソン) などのベテラン俳優らが名を連ねる。どちらが本来の自分なのかという葛藤とそこから見出される本質が、新たな価値観を提案してくれる。
公開日:1月9日(金)
監督: Mikko Makela
出演: Ruaridh Mollica、Hiftu Quasem (ヒフトゥ・カセム)、Ingvar Sigurdsson
HP: reallylikefilms.com
『CROSSING 心の交差点』
©2023 French Quarter Film AB, Adomeit Film ApS, Easy Riders Films, RMV Film AB, Sveriges Television AB
『ダンサー そして私たちは踊った』で国際的に高く評価された Levan Akin (レバン・アキン) 監督が、ジョージアのトランスジェンダーの少女と彼女を支えた祖父との実話に着想を得て、綿密なリサーチを重ねてイスタンブールのトランスコミュニティを描き出す。東西の文化が溶けあうトルコ・イスタンブールの街を舞台に、言葉も世代も文化的背景も異なる3人の人生が人捜しの旅を通して交差する姿を、温かなまなざしでつづったロードムービー。ジョージアで暮らす元教師のリアは、行方不明になったトランスジェンダーの姪テクラを探すため、彼女を知るという青年アチとともにイスタンブールへ向かう。しかし、行方をくらませたテクラを見つけ出すのは、思っていた以上に困難だった。やがてリアはトランスジェンダーの権利のために闘う弁護士エヴリムと出会い、助けを借りることになる。テクラを捜す旅を通して、リアとアチ、エヴリムの心の距離は少しずつ近づいていく。弁護士エヴリム役には、実際にトランス女性である Deniz Dumanli (デニズ・ドゥマンリ) を起用。2024年・第74回ベルリン国際映画祭にて、LGBTQ+をテーマにした作品に授与されるテディ賞の審査員特別賞を受賞した。異なる背景を持つ3人の人生、その行方とは。
公開日:1月9日(金)
監督: Levan Akin
出演: Mzia Arabuli (ムジア・アラブリ)、Lucas Kankava (ルーカス・カンカバ)、Deniz Dumanli
HP: mimosafilms.com











