Mademoiselle Yulia
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世界に羽ばたくファッションアイコン、Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) インタビュー

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Portraits/

世界を股にかけ活躍する DJ、アーティスト、デザイナー、そしてファッションアイコンの Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) が、『The Fashion Post (ザ・ファッションポスト)』にインタビューで二度目の登場。

世界に羽ばたくファッションアイコン、Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) インタビュー

Massimo Giorgetti (マッシモ・ジョルジェッティ) の現代的な感性が冴え渡る EMILIO PUCCI (エミリオ・プッチ) のアシンメトリーなシャツドレスは、軽やかでありながらアーティスティックな佇まい。ドレス ¥ 201,000 EMILIO PUCCI (エミリオ・プッチ)、ブレスレット モデル私物

Massimo Giorgetti (マッシモ・ジョルジェッティ) の現代的な感性が冴え渡る EMILIO PUCCI (エミリオ・プッチ) のアシンメトリーなシャツドレスは、軽やかでありながらアーティスティックな佇まい。ドレス ¥ 201,000 EMILIO PUCCI (エミリオ・プッチ)、ブレスレット モデル私物

Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) のインタビューは昨年の4月にも行ったが、そこから1年足らずの間にまたしても大きな動きが。これまでにアクセサリーブランド GIZA (ギザ) のデザイナーとして知られてきた彼女が初めて洋服のブランドを立ち上げたのが昨年の10月。ブランドの名前は GROWING PAINS (グローイング・ペインズ)9月に開催されたファッションウィーク直後に発表されたデビューコレクションは、業界筋はもちろんのことストリートのファッションキッズたちが多数押し寄せ、その影響力のほどを見せつけた。

そしてブランドデビューの熱りも覚めやらぬまま12月にはアーティストとしての最新曲をリリース。これまでエレクトロプリンセスとして知られてきた彼女は、自身のルーツでもあるガレージロックを彷彿とさせるバンド構成の3つの新曲で新境地を開拓している。ちなみにお気付きの人もいるかもしれないが、今回の新曲は彼女の新たなアーティスト名義 YULIA (ユリア) による初の活動でもある。かのアメリカ版『Vogue (ヴォーグ)』を以ってして「現在のファッション業界における真のテイストメイカー」と言わしめる彼女は今回、『The Fashion Post』のために Josephine Baker (ジョセフィン・ベーカー) を彷彿とさせるジャズルックを披露。フォトグラファーは Bottega Veneta (ボッテガ・ヴェネタ) による若手フォトグラファー発掘アワードである「New Exposure Award (ニュー・エクスポージャー・アワード)2013年度優勝者であり気鋭アーティストの Jorgen Axelvall (ヨーガン・アクセルヴァル)。トップメゾンのクルーズコレクションを纏った彼女のタイムレスな美しさを、独占インタビューとともに堪能あれ。

身体のラインにしなやかに寄り添うドレープとハードなチェーンモチーフ、Givenchy by Riccardo Tisci (ジバンシィ バイ リカルド ティッシ) が打ち出す究極のミックス&マッチ。ドレープトップス ¥ 220,000、バロックパールイヤリング ¥ 100,000 共に Givenchy by Riccardo Tisci (ジバンシィ バイ リカルド ティッシ)

身体のラインにしなやかに寄り添うドレープとハードなチェーンモチーフ、Givenchy by Riccardo Tisci (ジバンシィ バイ リカルド ティッシ) が打ち出す究極のミックス&マッチ。ドレープトップス ¥ 220,000、バロックパールイヤリング ¥ 100,000 共に Givenchy by Riccardo Tisci (ジバンシィ バイ リカルド ティッシ)

— 昨年末にリリースされた新曲について教えてもらえますか?打ち出したかった音楽性であったり、テーマだったり。

今回発表したのは3曲、リードシングルの「GoGo」と「This Weekend」、あと友達のバンド Animal Feelings (アニマル・フィーリングス) とコラボした「Let Go」。これまでは CD アルバムのリリースを前提にテーマを決めて制作してたけど、今回はダウンロードを主軸にした構成にしたかったから、あえて2曲のみの限定で発表しました。

 

— 以前のインタビューでも、ダウンロードやストリーミングをはじめ音楽業界の構造が様変わりしていると語ってらっしゃいましたね。今回の新曲は、これまでのイメージを覆す、いわば脱エレクトロとも取れる音楽性が印象的でした

あの時既に新曲の構想は考えていて、これまでエレクトロのイメージが強かったから全く違うことがしたかった。実はエレクトロのアーティストと捉えられることに違和感を感じてたので。もともと10代の頃からバンドをやっていたから、ガレージロックでいこう、みたいな。トラックの制作はロンドンの Oli Chang (オリ・チャン) がやってて、グラフィックは NY Ebony Fleur (エボニー・フルアー) が作ってくれた。ちなみに今回の新曲はダウンロードのほかにアナログディスクでも作っています。

 

— アーティスト名義 YULIA (ユリア) での新たな門出となった新曲ですが、これまで Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) としての活動に比べ何か変化はありましたか?

今回の新曲で一番の変化といえば、レーベルです。以前は大手のレコード会社の制約のもと曲を発表していたのですが、今回から友人のレーベル ATS BRAND (エーティーエス・ブランド) とタッグを組んでいます。これまでのイメージを変えること、そして自分のクリエイションに対する思いを率直にインディーアーティストとして表現したかったこと。この1年の間に様々な出来事があった中でも、この心境の変化は一番大きい気がします。

ワイルドなアニマルモチーフも Clare Waight Keller (クレア・ワイト ・ケラー) の手にかかれば極上のフレンチシックに。コート ¥ 429,000、ブラウス ¥ 118,000、レーススカート ¥ 159,000、ゴールドリング「DARCEY」 ¥ 51,000、2連リング「CARLY」 ¥ 33,000、ゴールドブレスレット「DARCEY」 ¥ 58,000 全て Chloé (クロエ)

ワイルドなアニマルモチーフも Clare Waight Keller (クレア・ワイト ・ケラー) の手にかかれば極上のフレンチシックに。コート ¥ 429,000、ブラウス ¥ 118,000、レーススカート ¥ 159,000、ゴールドリング「DARCEY」 ¥ 51,000、2連リング「CARLY」 ¥ 33,000、ゴールドブレスレット「DARCEY」 ¥ 58,000 全て Chloé (クロエ)

色んなブランドと触れ合ってきたからこそ、そのどれにも属さない私のスタイルにも気がついた

— アーティストとして新たなアプローチに挑戦している傍ら、デザイナーとしても GROWING PAINS という新しいブランドをローンチさせています。まず名前の由来について聞いてもいいですか?

GROWING PAINS、日本語で訳すと成長痛という意味です。特に深い意味は込めてないんだけど、自分にとってファッションブランドを立ち上げるというのは大きな挑戦だったから、何となく。正直なところ、語感が良かったからというのが本音なんだけど ()

 

— ラグジュアリーメゾンから気鋭ブランドまで、世界中のデザイナーの洋服を見てきた Mademoiselle Yulia によるファッションブランドとなるとかなりハードルも高い気がしますが

もちろんラグジュアリーブランドの洋服は素敵だし、若いデザイナーのエネルギーにも惹かれる。でも色んなブランドと触れ合ってきたからこそ、そのどれにも属さない私のスタイルにも気がついた。だからこそ GROWING PAINS では、ラグジュアリーや若手といったジャンルに属さない、リアルにストリートの若い子たちが共感出来るワードローブを提案したいと思っています。今回のデビューコレクションでは私の好きな90年代のアメリカのテレビ番組や映画にインスパイアされています。古着のような生地感を加工で表現したり、あえてミスマッチなカラーファーをミックスしたり。トレンドを意識するというよりも、とにかく私がその時関心のあるものを洋服という形で表現しています。

 

— 最近ではセレブリティとアパレルブランドコラボであったり、大手アパレル企業によるキャラクターブランドも多く見られますが、GROWING PAINS というブランドの中で Yulia さんはどのような役割を果たしているのでしょう?

ブランドのコンセプトやシーズンのテーマはもちろんのこと、デザイン画、素材やディティール選び、生産工場とのやり取りからビジュアル撮影、プロモーションに至るまで全部自分たちで手がけています。だからこそ所謂アイコンを起用したキャラクターブランドと捉えられるのには抵抗があります。私の好きなもの、関心のあるものを表現している一方で、私自身の活動とブランドはどこか別の軸で捉えているので。

— そろそろ次のシーズンのコレクションも進めている時期かと思います

これまで LA のカジュアルブランド Joyrich (ジョイリッチ) とのコラボでも洋服は作っていますが、さっきも言った通り GROWING PAINS では私が日常の中で感じたこと、感心を持ったことを直接的に表現したいと思っています。先日撮影で香港と台湾に行ったのですが、日本とはまた違う都市の熱気に感化されました。近未来的なネオン、どこか懐かしいスーベニア、伝統的な中国の靴。あらゆる時代のファッションが強烈に混じり合った光景は、来季2016-17年秋冬コレクションの大きなテーマの一つです。ちなみに現地では、王家衛 (ウォン・カーウァイ) とのコラボレーターとしても知られる夏永康 (ウィン・シャ) の撮影も行いました。彼の世界観もまた一つのインスピレーションになっています。

ハリのあるテクニカルファブリックの素材感を引き出したリトルブラックドレスは、シンプルなフロントと対照的に大胆なバックシルエットがアイコニック。ドレス ¥ 332,000、メタル「LOVE」バングル ¥ 78,000、イヤリング (ヘッドピースとして着用) ¥ 78,000 全て Lanvin (ランバン)

ハリのあるテクニカルファブリックの素材感を引き出したリトルブラックドレスは、シンプルなフロントと対照的に大胆なバックシルエットがアイコニック。ドレス ¥ 332,000、メタル「LOVE」バングル ¥ 78,000、イヤリング (ヘッドピースとして着用) ¥ 78,000 全て Lanvin (ランバン)

HP: mademoiselleyulia.com
Instagram @mademoiselle_yulia
Twitter @MLLE_YULIA
Facebook ページ Mademoiselle Yulia


Photographer / Jorgen Axelvall at W
Stylist/ Shunsuke Okabe
Makeup / Kanako Yoshida
Hair / Mizuho Hayashitani

問い合わせ先
エミリオ・プッチ ジャパン 03-5410-8992 HP: www.emiliopucci.jp
クロエ カスタマーリレーションズ 03-4335-1750 HP: www.chloe.com
ジバンシィ表参道店 03-3404-0360 HP: www.givenchy.com
ランバン ジャパン 03-4500-6172 HP: www.lanvin.com