Sweden Unlimited (スウェーデン・アンリミテッド) 設立者、Richard Agerbeek (リチャード・アガビーク) インタビュー
Sweden Unlimited
デジタル・サイトの制作を中心に、「ストラテジー」「デザイン」「テクノロジー」を柱としたさまざまなサービスを提供するニューヨークのエージェンシー Sweden Unlimited (スウェーデン・アンリミテッド)。これまでに、Lanvin (ランバン) や Jason Wu (ジェイソン ウー)、Coach (コーチ)、Kate Spade New York (ケイト・スペード ニューヨーク)、Marc Jacobs (マーク ジェイコブス) といった著名ブランドのサイトを手がけ、設立から15年以上経った今も尚、ファッション/ラグジュアリー業界からの依頼が後を絶たない。デジタル・エージェンシーが乱立する昨今において、同社が選ばれる理由はどこにあるのだろうか? ミュージシャンとしてのキャリアを前身に、双子の姉妹と共に Sweden Unlimited を築き上げてきた Richard Agerbeek (リチャード・アガビーク) にインタビューを敢行し、その活動の軌跡を辿った。
Sweden Unlimited (スウェーデン・アンリミテッド) 設立者、Richard Agerbeek (リチャード・アガビーク) インタビュー
Portraits
(The original text in English follows afterwards)
デジタル・サイトの制作を中心に、「ストラテジー」「デザイン」「テクノロジー」を柱としたさまざまなサービスを提供するニューヨークのエージェンシー Sweden Unlimited (スウェーデン・アンリミテッド)。これまでに、Lanvin (ランバン) や Jason Wu (ジェイソン ウー)、Coach (コーチ)、Kate Spade New York (ケイト・スペード ニューヨーク)、Marc Jacobs (マーク ジェイコブス) といった著名ブランドのサイトを手がけ、設立から15年以上経った今も尚、ファッション/ラグジュアリー業界からの依頼が後を絶たない。デジタル・エージェンシーが乱立する昨今において、同社が選ばれる理由はどこにあるのだろうか? ミュージシャンとしてのキャリアを前身に、双子の姉妹と共に Sweden Unlimited を築き上げてきた Richard Agerbeek (リチャード・アガビーク) にインタビューを敢行し、その活動の軌跡を辿った。
–幼少期の思い出について聞かせてください。
僕の幼少時代はちょっと普通ではなかったんだ。両親は、僕が生まれる少し前の1960年代半ばにオランダからアメリカへ移住してきた。もともとインドネシア出身の父親はアメリカン・ドリームを夢見て、東海岸全域でシトロエンを扱う唯一のカーディーラーと修理店を始めようとしていたんだ。
けれど、宇宙船のように珍しい形をしたフランス製のシトロエンは、1980年代に「アメリカの殺人首都」と呼ばれるような治安の悪い場所では極端に目立ってしまって、父のアメリカン・ドリームは予想通りにはいかなかった。そして、彼が自分で几帳面に描いたお店の看板のペンキが全て乾いた頃には、メーカー側が「アメリカ大陸周辺には今後シトロエンを輸入しない」と決めてしまった。残念ながら父は全財産を失ってしまったけれど、彼の計画ではこの結末を到底予測することができなかったんだ。
幼少期に置かれていたこの少し変わった状況から、僕はいまだに影響を受けていると思う。この環境によって揺るぎない労働倫理やユニークなデザインを生み出す視点、そして冒険心への情熱を植えつけられたのは明らかだし、そういった意味でも父親には感謝しているよ。
–創設者の3名は、エレクトロニック・ロックバンド「Sweden」としての活動から始まったそうですが、その後、どのようにして Sweden Unlimited を立ち上げたのですか?
Sweden Unlimited という名前は、僕ら創設者の3名が活動していたエレクトロ・ロックバンド「Sweden」に由来している。1990年代半ばから後半にかけて、僕たちは Don Hills や Mercury Lounge、CBGB といった、ダウンタウンのあらゆる場所で演奏していたんだ。とにかく音楽を作ったり演奏することは楽しかったんだけど、ドリンク・チケット代だけでは、会場代を支払うこともままならなかった。だから、Photoshop と html を独学で習得してフリーランスで仕事を請け負い、ライブのお金を工面していたんだ。当時のガールフレンド(現在の妻)Leja と、彼女の双子の妹が技術担当で、僕はデザインを担当していた。彼女たちはコンピュータを使いこなし、細かい気配りができ、どんなプロジェクトにも対応できるようなカリスマ性を備えると同時に、挑戦を厭わず、納得いくまで諦めない恐るべきチームなんだ。
1998年のある時に、インターネット関連会社を起業したばかりの友人が、僕たちに Flash 4 が使えるかどうかをメールで尋ねてきた。それで、誰も Google を知らなかったその当時に、AltaVista (アルタビスタ) という検索エンジンで「Flash 4 Tutorial」と検索をかけて使い方を調べながら、その日のうちに赤いボールが弾んでいるアニメーションを作るのに成功した。だから翌朝に「Flash 4だよね、使えるよ!」って返信したんだ。それ以外のクライアントにも、彼らが望むスキルをニューヨークで備えているのは僕たちだということを、急速に証明できたね。例えば Joe’s Pub でエレクトロ系の DJ が回している時に、「ウェブサイトを作りたいの?だったら Sweden がやってくれるよ」っていう会話がよく交わされていたりね。世紀の変わり目の頃には、エージェンシーとバンドを区別するために、「Sweden」の後に「Unlimited(無制限の)」を付けることにした。その後デザインや Flash サイト、映像、撮影、150をはるかに超える数のウェブサイトなどを約15年に渡って手がけ、今では20人以上のスタッフを抱えている。内部の人たちもクライアントもいまだに「Sweden」と呼ぶ方がしっくりきてるみたいなんだけどね。
–1999年の創設以来、Sweden Unlimited が一貫して掲げている制作理念はありますか?
クライアントのために、最良のデザインと考え抜かれた解決策を提案できるよう、精一杯努力しているよ。とにかくパーソナルなレベルのサービスを提供したいし、僕たちの技術や関心、テイストに合ったプロジェクトを追求していきたいんだ。だから、相性が良いとは思えないプロジェクトを断ることもよくあるよ。また、ユーザー体験に基づいた技術的な解決策を提供している一方で、ウェブサイトは会社がブランド表現をする上で重要な役割を担っていると感じている。世界に向けてブランドを認知してもらうために不可欠な領域だし、ブランド認知の「最前線」として捉えているよ。ウェブサイトは世界中のユーザーが最初に来る場所だし、気に入ってくれたら何度も訪れてくれるからね。そして、僕たちはこれまでに素晴らしいブランドと共に仕事をしてきた。彼らは自分たちが何をすべきかを熟知しているけれど、必ずしもデジタルの知識があるわけではないし、時間も人員も不足している。だから、僕たちはブランドの可能性をオンラインで伝えていき、ブランドの真の魅力を表現できるものを生み出して、手助けをしたいと思っているんだ。ウェブサイトはブランドそのものを表しているべきで、Sweden Unlimited のサイトにはならないように心がけているよ。
–クライアントによって、制作のアプローチに違いはありますか?また、主な制作過程を教えてください。
まず、それぞれのクライアントに最も適したアプローチで戦略を練るようにしている。その上で、クライアントの目標や状況に合ったプロジェクトを作るために、僕たちのサービスを調整していくんだ。制作のプロセスに関しては医師の診察と比較するのが好きなんだけど、まずは相手の状況を徹底的に掘り下げて把握し、その状況を再考察して目標を設定する。そこではじめて、規範的でそれぞれに合った最良の解決策を提案することができるんだ。
僕たちは、細かい気配りや整った書類、念入りな計画を好む一方で、直観や経験、完璧なセンスに代わるものはないと思っている。技術は時間とともに上達していくけれど、センスに関しては教えるのが難しいんだ。だから適切な人材を確保することがとても重要。プロセスの中でもうひとつ大切な側面は、クライアントのニーズをしっかりと汲み取りながら、新たな可能性へと導いていくことだね。クライアントは当然自分たちのブランドについて熟知しているから、どのようにしてそのブランドが生まれたのかを理解することがカギとなってくる。デジタルの世界を知る僕たちは、新しく未知なものへとリードしていかなければいけないんだ。制作過程に関しては、慎重すぎるに越したことはないと思う。最初のアイデアが正しいというのはよくある話だけど、さらに深く追求することだってできるし、打ち壊すことや最初からやり直すのを恐れないことだね。それと、誰かに対して自分を誇示するのではなく、自分自身に対して、より向上できると信じることが大事なんじゃないかな。
–では、ファッション関連のサイトを手がける際に最も重視していることは何ですか?
ファッション・ブランドのデザインをする時には、スタイルとユーザビリティ(使いやすさ)の間で二分される。一般的にファッションは多義性のあるもので、スタイルに重点が置かれている。それに、固定されていたり、予測できるようなものであってはいけないよね。何が次に来るのかを予測したり、先駆者になるための直観力を型にはめることはできないし、神秘性を備えて人々を惹きつけるためには、多くの意味を持たせなければならない。アートと同様にファッションは、あまり説明的にならず、服そのものが語っているのが理想だよね。その一方、オタクで数学的なプログライミングやユーザー体験の世界に曖昧さは必要ないんだ。
僕たちはいつもユーザビリティとブランド表現とをミックスさせてバランスを保っているよ。ユーザー体験には決まったルールがあるけれど、多くのファッション・ブランドではそれを適用することができない。例えば、赤は「止まれ」緑は「進め」といったようなルールは、すべてをモノクロに統一したいファッション・ブランドのサイト・デザインには通用しないんだ。だから、いかに折り合いをつけて、臨機応変に対応できるかがカギとなってくるね。
NOWNESS
HP: www.nowness.com
ブランド表現は、典型的なユーザー体験のルールと同等(場合によってはむしろそれ以上)に重要で、欠かすことのできない存在だね。その表現によって、ユーザーにファッションやラグジュアリーを体験したような気分を持たせなければいけないし、その感覚は感情へと繋がっていく。これを考慮すると、「ガラスのビーズでできたオーダーメイドのガウンは実用的な洋服の形か?」と言ったら「No」だし、「ではその洋服を着用したことは、役者がアカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞するための正しいユーザー体験だったか?」と言ったら「Yes」になるよね。
Hood by Air
HP: www.hoodbyair.com
–デジタル・サイトを構築する上で、テクノロジーとデザイン性のバランスを保つために工夫していることはありますか?
テクノロジーとデザインの融合は、どのプロジェクトにおいても欠かせない要素だね。技術チームに初期の段階から参加してもらうことや、テクノロジーもクリエイティブであると考えることはとても重要なんだ。僕たちはデザインの挑戦にも賛同してくれる、想像力に富んだ技術者たちと仕事をしたいと思っている。だから、デザインのプロセスに敬意を払ってくれるプログラマーを好むし、それと同時に僕たちも彼らに敬意を払い、テクノロジーの可能性からも影響を受けているんだ。それと、コラボレーションの可能性も信じているよ。長い年月をかけて気づいたのは、必要とされる全ての専門知識を一晩で習得することはできないということ。もし誰かと協力し合わなかったら、自分のスキルの範囲だけではアイデアも限られてしまう。そうすると、結果としてクライアントを助けることもできないし、素晴らしいチームとだったら可能なことも達成できなくなってしまうんだ。
Mission 360
HP: mission-360.com
–eコマース・サイトの構築において、もっとも重要なポイントは何ですか?
eコマース・サイトは、自主的にショッピングをするためのツールだから、デザインする時はいつもエンドユーザーの気持ちを理解する必要があるんだ。 eコマース・サイトのデザインには、まず、良質なセンスと信頼、直観が大切で、次に、継続的に適応させて繰り返していくことが重要になってくる。もし、最も一般的でベストな手法を知っていたとしても、ビジネスや顧客はそれぞれに異なるよね。だから、全てに当てはまる解決策なんてないし、継続的な反復と適合がカギとなってくるんだ。この業界は絶え間なく進化していくし、常にあらゆる新技術や利用者行動の情報をアップデートしていかなければいけない。2年前には鉄則だったことが今は時代遅れだったりするぐらいだから、クライアントは毎年デザインを見直してもいいと思っているぐらいだよ。
Erin Fetherston
HP: erinfetherston.com
–Lanvin のeコマース・サイトは、どのようにして構築しましたか?
実は、彼らがどうやって僕たちを見つけたのかよく知らないんだ。当時、Sweden Unlimited はまだ成長途中の段階だったし、フルタイムの社員が2人しかいなかった。そんな時に、Lanvin の代理として、ジュネーブかルツェルンのあたりにいたコンサルタントの Mahasti Mohammadi から、外国アクセントの柔らかい口調で電話がかかってきたんだ。いまだに僕の頭の中に残っているんだけど、その時とっさにイメージしたのは、アルファロメオに乗って、フランスのアルプス山脈と湖の間にある、曲がりくねった道路を高速で運転している上品な女性の姿。そして、彼女が纏ったエルメスの長いスカーフが、危険なほど後輪に近づいているような、非現実的な絵が浮かんだ。伝説的なブランドと仕事ができる目がくらむほどのビジネス・チャンスを前に、僕たちは全身全霊で最も野心的なプレゼンテーションを用意してパリへと旅立った。「GoToMeeting」を使ってぎこちない電話会議をするよりも、直接会ってプレゼンした方がいいと思ったからね。その結果、Leja は Mahasti と意気投合して僕らがそのプロジェクトを勝ち取ることができ、昨年彼らのeコマース・ビジネスが『Yoox』に引き継がれるまでの4年間、継続して仕事を請け負っていたよ。
–そうした世界有数のブランドに選ばれる理由は何だと思いますか?
「クリエイティブ面でもビジネス面でも並外れていたから」とか、「クライアントをパートナーとして扱っていたから」なんて言いたいところだけど、そんな表現じゃ平凡すぎるし、ちょっと思い上がって聞こえるよね。正直、競合の中からひとつのエージェンシーが選ばれる理由は、運やコネクション、価格設定、魅力的なクライアント・リストやポートフォリオなど、無数にあると思う。けれど僕たちの場合は、クライアントと直接会話を交わすことでつながりを生み出し、仕事を獲得してきたパターンが多いね。
–制作をする上で最も苦労する点と、最も面白い点を教えてください。
面白い点は、現状を打破することと、突然のひらめきを得ることだね。僕はこれまでに、デザイン上の難しい課題に何度も直面してきた。はっきりとしたビジネスの目標に、技術的な制約やブランド側のディレクションが合わさると、特有の難題が同時にいくつも発生する。僕は、こうした行き詰まりを解消するための課題を受け入れ、その問題が解決した時に、仕事の満足感や面白味を感じているね。逆に苦労する点は、不安や心配かな。ちょっとした不安を抱えていると、自分のフォーカスに鋭くなりすぎてしまって、大胆に新しいことへ挑戦するのを妨げてしまう。より冒険的で、壮大で、野心的な選択肢を知らずにいると、いくつもの機会を逃してしまうことになるからね。
Lela Rose
HP: www.lelarose.com
–制作のインスピレーションはどういったところから得ていますか?
シンプルに答えるとしたら「Siteinspire.com」から。こういう質問に対してはだいたい「アートやプロダクト・デザイン、建築からインスピレーションを得ているんだ」とか、「人生の絶頂で経験したことだね」っていう答えがよくあるパターンだけど、僕たちは Daniel Howell が運営している「Siteinspire.com」をほぼ毎日チェックしてるから、大きな存在になっているんだ。それと、これまでに出会った、もしくは一緒に仕事をしてきた才能ある素晴らしい人たちからもインスピレーションを得ているよ。
–音楽活動の経験は、Sweden Unlimited の活動にどのような影響を及ぼしていると思いますか?
僕たちは、ミュージシャンかつデジタルのプロたちを採用したり、彼らに仕事を頼むことが多いんだ。音楽とウェブデザインには関連性があると思うし、どちらにも数学の知識やテクノロジー、そして想像力が必要とされるからね。集中的な仕事に取り組むには、良質なサウンドトラックを持つことが必要不可欠だし、ひどいデザインには最悪な音楽からの影響を想像できてしまう。僕の場合、このプレイリストを聴きながらたくさんの仕事をこなしてきたんだ。
–今後予定しているプロジェクトや、挑戦してみたい分野などがあれば教えてください。
今は W Hotels と提携して、ブランド初となるエディトリアル・コンテンツ「The Angle」を作っている。W Hotels は世界46ヶ所で展開しているから、グローバルなアプローチで編集戦略を固めていく必要があるし、一緒に働かせてもらうことで貴重な経験をさせてもらっているよ。まずは、ブランドが過去から伝来してきた価値ある資産を取り入れるところから始めて、次にコンセプトを定めてオリジナルのコンテンツを作っていった。今は、ファッションやデザイン、音楽をはじめとしたブランドの文化的な側面を紹介するストーリーを特集している。CMS(コンテンツマネジメントシステム)には、世界中の W Hotels チームが簡単に情報をアップデートできるように、Wordpress (ワードプレス) を使っているんだ。
僕たちは長年ファッションや小売り向けのeコマースを中心に活動してきたけれど、最近では製品を販売する際に、関連したストーリーを伝えることが当たり前になってきたよね。Sweden Unlimited が制作するウェブサイトは、どれもeコマースとコンテンツを融合させたものなんだ。今ではもはや、『Vogue』のページ内にある情報であろうと、誰かが編集した情報であろうとあまり関係なくなってきたよね。こうした変化によって、良質なコンテンツを扱うプラットフォームを作ることが不可欠になったし、自分たちが制作するサイトを満たすためのデジタル・コンテンツを生み出すきっかけになった。だから、オリジナルのデジタル・コンテンツには将来的にも多大な可能性があると感じているよ。
<プロフィール>
ニューヨークを拠点に、ファッション・ブランドやライフスタイル・ブランドの戦略、デザイン、開発に特化したデジタル・エージェンシー。クライアントに対するデジタル・ソリューション全般をデザイン/開発し、ユーザー・リサーチやエディトリアル戦略、ヴィジュアル及びユーザー体験のデザイン、そして、サイトの構築を包括的に行っている。近年では、コンテンツ制作のサービスもスタート。クライアントには、Michael Kors や Kate Spade、W Hotels、Serena & Lily、Erno Laszlo、Ann Taylor、Coach、NOWNESS、Jason Wu をはじめ、数多くの著名ブランドが名を連ねる。
HP: www.swedenunlimited.com
-Tell us a little bit about memories of your childhood.
My childhood could be described as somewhat unusual. My parents immigrated to the US from Holland just before my birth in the mid-1960’s. My father, originally from Indonesia, came seeking his share of the American dream in the form of the only Citroen auto dealership and repair shop on the entire East Coast.
These French spaceship-like automotive rarities stuck out like a sore thumb in a city that in the 1980s would receive the unfortunate distinction of “murder capital of America.” That American dream turned out to be harder to achieve than anticipated. Just as the paint dried on all of the meticulous hand painted signs my father personally painted on his dream French import car dealership, the French automaker decided it would not import their innovative vehicles anywhere near the continent that my poor papa had just sunk life savings towards. But that French wrench in John Agerbeek’s plans didn’t make him second guess his commitment to these innovative machines.
What that odd mix of circumstances did to my childhood I think I am still coming to terms with its lasting effect. What is crystal clear, however, is thanks to my father I was instilled with an unwavering work ethic, an eye for unique design, and the passion for enterprise.
-You started your career with twin sisters Leja Kress and Alex Kress as an electronic rock band the Sweden. How did Sweden Unlimited come into being?
The name Sweden Unlimited came from the name of the electro-rock band we three founders were in, Sweden. During the mid to late 1990s, we played a host of downtown venues like Don Hills, Mercury Lounge, CBGB’s, just to name a few. While making music and performing was fun, it didn’t exactly pay the bills unless we could pay our utilities with drink tickets. So we taught ourselves Photoshop and html and took on freelance design gigs to pay the bills.
My then girlfriend (now wife) Leja and her twin sister were the tech team, and I designed. Leja Kress and Alex Kress are a formidable team unto themselves; they throw themselves into a challenge and don’t give up until it’s perfect. These siblings provided the computer proficiently, eye for detail and charisma that set us on a path to take on any project. Sometime around 1998 we got an email from a friend that was on the ground floor of a dot-com start-up asking if we knew Flash 4. I guess you could say we “AltaVista-ed” a Flash 4 Tutorial since Google wasn’t a verb or anything anyone knew about yet. We then proceeded to successfully animate a red bounding ball and emailed them back the next morning, Yes! Yes, we know Flash 4! That client plus many more quickly proved to New York that we had a desirable skill set. “Do you need a website? Well, SWEDEN can build you one!” was most likely how the conversation would have been overheard at some electro DJ set at somewhere like Joe’s Pub. To differentiate the band from the agency the somewhat ironic suffix ‘UNLIMITED’ was added sometime around the turn of the century. After nearly 15 years of designs, Flash sites, videos, photo shoots and well over 150 websites irony has turned to credence for our now 20+ person team. Insiders and clients still refer to the company as “SWEDEN”.
-Is there a philosophy that you have maintained at Sweden Unlimited since the beginning in 1999?
We strive to provide the best looking and most thoughtful solutions for our clients. We like to provide a very personalized level of service and pursue projects that we feel a good match for our skills, interests, and tastes. We often turn down work, clients or projects we don’t feel a good fit. At our core we provide user experience driven tech solutions, however, we feel the website is an essential part of a company’s brand expression. It is a vital area for a brand to affect its perception to the world. We like to think of a brands website as the “frontlines” of brand perception. The website is where the world first come to first and keep coming back if they have a good experience. We have worked with so many amazing brands that really know what they do very well, but they don’t always know digital or have the time or people. We want to help translate the brand’s potential online and make something that truly expresses what they are about. It should be about what they are about; it shouldn’t look like a Sweden Unlimited site.
-Are there any differences in creative approach to each client? Tell us a bit about the basic creative process.
We like to strategize the most appropriate approach for each client. We then tailor our service to make the project well suited to the company’s goals and circumstances. We like to compare our process to that of a Doctor’s diagnosis. We start with an in-depth discovery into your particular situation, review landscape, define goals and only then can we make the best prescriptive and bespoke solution for you.
While we love the details, beautiful documents, and careful planning, there is no substitute for intuition, experience, and impeccable taste. Skill can always be improved with time, but I’ve found that taste is a hard thing to teach – so recruiting the right talent is crucial. The next essential aspect of our process is listening to the clients needs while leading them to new possibilities. The clients know their brands very well, so understanding where there are coming from is key. Since we are aware the digital world, we must take the lead on what new and unknown.
I think one can’t be too precious with the creative process. Often your first idea may be the right one, but could always be pushed a lot further. Don’t be afraid of tearing down and starting over. It’s not about proving to others that you are good, it’s proving to yourself that you can always do one better.
-What are you most mindful when you create websites for fashion brands?
There is often a dichotomy between style and usability when you are designing for a fashion brand. Typically fashion is about ambiguity. In fashion, there is a strong emphasis on style. You don’t want to be so rigid and predictable. Your intuition to predict or to be a pioneer of what is “next” can’t be formulaic. There is a mysteriousness and intrigue to fashion that lends itself to be more equivocal. With fashion, as with art, it’s often better to say less and let the work speak for itself. However, with the very nerdy and mathematical world of programming and UX, you can’t be that vague.
We are always balancing that mix of usability and brand expression. While there are steadfast rules for user experience, you can’t always apply them for a fashion brand. Heuristic rules like red means stop, green means go all goes out the window when you are designing for a fashion brand that wants everything to be black and white. One has to figure out how to meet in the middle or be very resourceful.
We have realized that the brand expression is an integral part of the experience that is just as important or may even sometimes trump typical user experience rules. It still has to feel like a fashion or luxury experience and that luxury feeling is just that, a feeling – an emotional connection.
Consider this, is a couture glass beaded gown a practical form of clothing? No. Is it exactly the right user experience for an actor to accept their Oscar for best supporting role? Yes.
-How do you maintain the balance between technology and design when you build a digital site?
A marriage of technology and design are a vital part of any project. Having the early participation of tech team is essential. It is also important to understand that technology is creative too. We like to work with imaginative tech people that can bend to the will of the design challenge.
We like programmers that are respectful the design process as much as we are respectful and inspired by the possibility of technology. We believe in the potential of collaboration. Over the years, we realized that you can’t acquire all the expertise you require overnight. If you don’t collaborate, your ideas will be limited to your own skills. As a consequence, you will not be able to help your clients and so can’t achieve as mush as you can with a great team.
-What is the most important point when developing eCommerce site?
An eCommerce site is essentially a tool for having an autonomous shopping experience and whenever one is designing a tool you need to have empathy for the end user.
With eCommerce website design, it’s important to create a sense of quality, trust, and intuitiveness. Another important practice is to continually adapt and iterate. Although you may know all the most common best practices, every business is different, and every customer is different. There is not one set of solutions for everyone, so constant iteration and adaptation are key.
Ours is a complex world that is ever evolving, and you have to keep up-to-the-minute with all the new technologies and user behaviors. What was a hard fast rule two years ago may be outdated today. I am almost to the point of believing that a company could redesign their site every year – like a new line.
-You have developed the e-Commerce site of Lanvin. How did it come to be developed?
You know, I am not 100% sure how they found us. We were at a rather small stage of our growth. Sweden Unlimited had a total of two full-time employees when I got a call from the velvety and foreign-accented voice of a Mahasti Mohammadi. She was a consultant calling from somewhere like Geneva or Lucerne on behalf of Lanvin. The immediate image that is still stuck in my head is one of a chic woman speeding in an Alfa Romeo convertible on winding roads carved between the French Alps and some lake all the while her impractically long Hermes scarf is dangerously close to getting caught in her rear wheels.
Giddy at the chance to work with such a legendary brand we put our heart and soul into our most ambitious presentation to date and set off to Paris because we thought it’ll be better to meet and pitch in person rather than a potentially awkward GoToMeeting conference call. Leja clicked with Mahasti, and we won that project that lasted for four years until their ecomm business was taken over last year by Yoox.
-What do you think is the reason so many world-leading brands choose your agency?
I’d like to say something like “… it’s because we deliver exceptional creative and business solutions” or “…we treat our clients as partners…” but that all sounds too trite and conceited. Honestly, there is a myriad of reasons we or any agency are chosen over other agencies. It may be luck, someone knowing the right people, being the right price, having a desirable client list and portfolio of work, but for us sometimes it’s just the conversations that we have with clients – a connection is made and we win the work.
-What is the best or most enjoyable part of creative things for you? In contrast, what do you find most difficult?
Having a breakthrough or epiphany. I have often been confronted with difficult design challenges. Certain technical restrictions coupled with brand direction mixed with a clear business goal can create the perfect storm of unique challenges. I embrace the challenge to solve those impasses and when it’s solved it is a reward that is very satisfying and an oddly enjoyable aspect of the work.
What I find most difficult? Anxiety and apprehension. While a little anxiety can keep your focus sharpened too much can lead to not taking the daring leap into something new. Never knowing what could have happened with the bolder, bigger, more ambitious option would have garnered will always loom as a missed opportunity
-Where do you get your inspiration when creating websites?
A really simple answer: Siteinspire.com. The expected answer is probably something banal like “we draw inspiration from art, product design, and architecture” or “a culmination of our life experiences”. But we are on Daniel Howells’ siteinspire.com nearly everyday so that looms large. I suppose you could also say that we also take inspiration from all of the talented people that we have the great fortune to meet and work with.
-How has the career as a musician influenced to the Sweden Unlimited?
We work with and often hire many other musicians that are digital professionals. I think there is a kinship between music and website design. I attribute that to some similar mix of math, technology, and creativity that is required with both mediums. It is essential to have a good soundtrack for the heads down concentrative work we operate in. I can only imagine the terrible creative design bad music would inspire.
I have a great mix that I have done a lot of work to: Playlist: 004: Concentrate Drone
-What kind of projects are you currently working on? And what field would you like to challenge in the future?
Currently we are partnering with W Hotels to create the brand’s first editorial content destination, The Angle. This launch utilized Sweden Unlimited’s content creation studio to shoot, edit, write and style original branded content. Working with W was a unique opportunity in that the brand has 46 properties around the world –thus requiring a robust editorial strategy with a global approach. We first incorporated a range of legacy brand assets, then concepted and created original content. Now, the site features stories that present the brand’s cultural perspective across fashion, design, music, and more. We opted to use WordPress as our Content Management System in order to make updates simple for the W team around the world.
Our focus has always been e-commerce for fashion and retail. Over the years, the importance of telling stories in conjunction with selling products has become ubiquitous. Every single site we make is a hybrid of ecommerce and content. It is no longer so important to be in the pages of Vogue as it is to be Vogue, or be your editorial authority. With this change in the landscape, it’s been essential for us to build better content platforms and start creating digital content to fill up these sites we build. We see a big future in original digital content and see its great potential for good.
<Profile>
Sweden Unlimited is a New York City-based digital agency specializing in strategy, design and development for fashion and lifestyle brands. They routinely design and develop entire digital solutions for clients, encompassing user research, editorial strategy, visual & user experience design and full site builds. Sweden’s latest offering is their content creation studio, staffed by a network of visual storytellers and run from Sweden’s New York office. Their clients include Michael Kors, Kate Spade, W Hotels, Serena & Lily, Erno Laszlo, Ann Taylor, Coach, NOWNESS, and Jason Wu, among many others.
HP: www.swedenunlimited.com