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加瀬亮が着るルメール。ジョゼフ・ヨアクムの世界〈後編〉
lemaire
with ryo kase
model: ryo kase
photographer: ittetsu matsuoka
hair & make up: aiko tokashiki
edit & text: manaha hosoda
生い立ちから晩年の経歴まで、その多くが謎に包まれているネイティブアメリカンのフォークアーティスト、Joseph Yoakum (ジョゼフ・ヨアクム)。独学で絵を始め、世界各地へ渡った旅先で描かれた風景画は、実在する世界をなぞりながらも、作家の心象風景ともとれるような詩的な情景が浮かび上がる。LEMAIRE (ルメール) は今シーズン、Joseph Yoakum の作品を、シルクとコットンの軽やかなシリーズに落とし込んだ。東京・表参道では、「INSCAPE」というタイトルのもと同氏の作品が一堂に会する展覧会も開催された。
少しずつ日が長くなり、冬の終わりを感じるある日の午後、設営前の会場に足を踏み入れたのは俳優の加瀬亮。LEMAIRE とも親交が深く、2020年にはランウェイとルックブックに登場して話題を集めた同氏は、アートにも造詣が深い。私物で持っていたという Joseph Yoakum の画集を片手に、LEMAIRE の服に袖を通して作品に改めて向き合った。
加瀬亮が着るルメール。ジョゼフ・ヨアクムの世界〈後編〉
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シャツ ¥64,000、パンツ ¥60,000、バッグ ¥207,000、シューズ ¥69,000/すべて LEMAIRE (ルメール)
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アラスカのホワイトマウンテンやハワイ島の火山から、ヨルダンの死海まで、アメリカや異国の地を転々とし、遊牧民としての人生を存分に謳歌した Joseph Yoakum。70歳でシカゴに定住してからは、その記憶を辿って、2000枚以上にのぼる風景画にこれまで出会ってきた景色を焼き付けた。前編に続き、「GOLDHOPIGGAN OF HARDANGENVIDDO GLACIER NEAR DOMBAS NORWAY N.E.E.」がプリントされたトートバッグを手にとった加瀬。75×67×60のひろびろとしたサイズ感で、ちょっとした旅行ならこれひとつで事足りてしまいそう。やわらかな肌触りのドライシルク製で、コットンキャンバス地のライナーが耐久性も約束してくれる。必要なものをありったけトートバッグに詰め込んだら、かつての Joseph Yoakum のように、まだ見ぬ景色を探しにいきたい。