【東京の女の子】GIRL no.6 カイノユウ
東京の女の子
【東京の女の子】GIRL no.6 カイノユウ
Yu KAINO
About a girl
model: yu kaino
photographer: takashi homma
editor&writer: tomoko ogawa
幅広い分野で写真表現の可能性を様々な方法で追求し、国内外で注目される写真家ホンマタカシ。彼が「東京のいま」を生きる女の子の素顔をポートレートし、彼女たちの生の表情と声を届ける「ABOUT A GIRL」第6回目は、モデルのカイノユウさん。2014年にモデルデビューし、その後東京を拠点に活躍する彼女に話を聞いた。
カイノ:ホンマさんには、2014年の『装苑』のニューカマーでデビューしたそのすぐ後に、 TARO HORIUCHI のルックで撮影していただいて。
—覚えていますよ。もちろん。
カイノ:ありがとうございます。事務所に入ってすぐで、まだ喫茶店で働いているときに撮影に誘われたんですよ。スタイリストの遠藤彩香さんのアシスタントさんが、喫茶店で私を見ていたらしくて、バイトに行ったら、「なんかスカウト来てるよ」って言われて。
—「プロのモデルは嫌だ」と言って、それで探してくれたんだよね。
カイノ:「え!」って震えて、「ホンマタカシさんってあのホンマタカシさんの撮影ですか?」って。
—出身はどこなんですか?
カイノ:静岡です。
—静岡って、広いですよね。
カイノ:広いです。みんなをイライラさせちゃうんですよ、高速も長くて。私は市内出身で、大学進学を機にこっちに出てきました。
—東京に最初に出てきたときに印象に残っていることはありますか?
カイノ:渋谷ですね。働いていた「Sister」のお店が渋谷にあったので。渋谷にはけっこう思い出がいっぱいあります。でも、今はあんまり好きじゃない。変わっていっちゃっているので。久々に見て、あんまり情が湧かなくなっちゃった。
—絶えず変わっているから、改めて変わったという感じが逆にしないのかな。ヒカリエができたのもつい最近の感覚だから。
カイノ:確かに。
—今、桜丘のところを解体工事してるんだけど。この前撮影してたら、たぶん建築関係のゼミか何かの旅行で外国人のグループが来て、「これが東京がドラマチックに変わる瞬間だ。こんなことは他の都市ではほぼない」って言ってた。パリとかNYだと、あそこまで大規模に区画ごと壊すということはないって。
カイノ:そうなんですね。
—今はどの街が好きですか?
カイノ:新宿ですね。西新宿が好きで、たまに散歩しますね。住宅街とか生活感もあるけれど、ちょっと行ったら歌舞伎町も近いし、いろんな人が見れて面白いなって。激しめの人もいたりして。喫茶店に行くと、詐欺っぽいことが行われている感じとか、キャバ嬢とおじさんがお茶してたりとか、そういうのが見れるのが面白いです。
—ハマってることってありますか?
カイノ:最近はアウトドア、キャンプとか。元々フェスが好きなので、夏は行きまくっています。フジロックは、3日間ぶっ通しでキャンピングカーで7人くらいで行って、場所陣取って。寝たいときに寝て、観たいときに観てという感じで。
—フェスに行ける人羨ましい。
カイノ:割とそういう人も多いかもです。音楽が好きでもアウトドアなフェスはあんまりっていう人。
—でも、すごく根付いたよね。最初のフジロックのときは、「絶対日本じゃ根付かない」っていう話もけっこうあったから。1回目が大雨だったというのもあるけど。
カイノ:去年も台風でした。子連れの人もけっこういて、リヤカーみたいなのに子どもを乗っけている親子の姿を見かけました。子どもは不機嫌そうな顔をしていた印象があります (笑)。
—でも、大人になったら自慢するかもしれない。「子どもの頃からフェス行ってるんだぜ」って。音楽もやってるんですか?
カイノ:全然。聴くのが好きなだけです。でも、コーラスをやらせてもらったことがあって。高木完さんがやっている音楽グループ「メジャー・フォース」はコーラスをいつも置いているらしくて。一昨年に30周年で再結成するとなったときにお話をいただいて、「フジロックに出れるよ」と言われたので楽しそうだなと。告知も全くせずに、個人的に参加させてもらいました。あ、あと、ハマっていることもうひとつありました。南インドカレーを作ること。すごく好きでよく食べに行ってはいたんですが、本屋にふらっと入ったら南インドカレーのレシピ本が置いてあって、そこから一気にハマりました。料理は好きなので。
—フェスとカレーは近いんじゃない? ちょっとアース寄りっていうか。
カイノ:だいぶ、そっちかもです。そうは見られないんですけど、野生児というか、自然な感じが好きで。できればオーバーオールにTシャツとかジーンズでずっといたいというタイプ。たまーにおしゃれもしたくなるんですけど、モデルのお仕事を始めてからより、自然体でいれるのがいいなと思うようになりました。