PALACE SKATEBOARDS
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PALACE SKATEBOARDS (パレス スケートボード) 共同創設者 Lev Tanju (レヴ・タンジュ) & Gareth Skewis (ギャレス・スクイス) インタビュー

PALACE SKATEBOARDS

Photographer: UTSUMI
Writer: Ayana Takeuchi

Portraits/

スケーターからファッション好きまで多くのファンを持つイギリス発のPALACE SKATEBOARDS。日本ではオンラインショップが5月にローンチされ、11月3日ついに本格上陸を果たした。ロンドン、ニューヨークに次ぐ3店舗目として表参道にオープンした同店について、来日した共同創設者である、Lev TanjuとGareth Skewisに話を聞いた。

PALACE SKATEBOARDS (パレス スケートボード) 共同創設者 Lev Tanju (レヴ・タンジュ) & Gareth Skewis (ギャレス・スクイス) インタビュー

Photo by UTSUMI

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Blondey McCoy(ブロンディ・マッコイ)や、Lucien Clarke(ルシアン・クラーク)などの有名スケーターが所属するスケートクルーPalace Wayward Boys Choir (パレス・ウェイウォード少年合唱団)。そのクルーを前身とし、Lev Tanju (レヴ・タンジュ)とGareth Skewis (ギャレス・スクイス) によって2009年にイギリスで設立されたスケートブランドが PALACE SKATEBOARDS (パレス スケートボード) だ。

Fergus Purcell (ファーガス・パーセル) によるアイコニックなロゴ“Tri-Freg”をあしらったアパレルラインは Supreme (シュプリーム) でも取り扱われると、瞬く間にファッション好きにも親しまれるように。また、アナログカルチャーを強く打ち出し、Levが古いビデオカメラで撮影したスケートムービーや、音楽レーベルThe Trilogy Tapes (ザ・トリロジー・テープス) とのコラボレーションレコードを発表すると、カルチャー好きのハートも射止めることにも大成功。東京店がオープンした11月3日には、1500人を超えるファンが殺到し、表参道に長蛇の列が続いた。オープンの前日、破竹の勢いで突き進むブランドを率いる Lev と Gareth にインタビューを行なった。

—東京での旗艦店オープンおめでとうございます。まずは、日本の印象からおしえてください。

Gareth Skewis(以下Gareth):今まで何度か来たことがあるんだけど、東京も大阪も素晴らしいスケートカルチャーがあるよね。それから、どんなお店に入っても細部まで行き届いたサービスに毎回感動している。あとは、Levが一番買い物をしたがる街だね(笑)。

Lev Tanju(以下Lev):今日履いているトラックパンツみたいなものとか、ヴィンテージを買い漁るのも楽しいね。

—日本で好きなブランドはありますか?

Gareth & Lev:adidas By Kolor (アディダス バイ カラー)、Comme des Garcons (コム デ ギャルソン)、日本人にとってはレギュラーなものかもしれないけどPORTER (ポーター) もすごくクールだと思う。nanamica (ナナミカ)、The North Face Purple Label (ザ・ノース・フェイス パープルレーベル) もいいよね。

—では、東京店をオープンするにあたって、この場所を選んだ理由をおしえてください。

Gareth:差し込む自然光の美しさに惹かれて、新築のこの物件が気に入ったんだ。表参道から少し入った場所で、原宿のキャットストリートが近いのもよかった。

Lev:階段を上がって店内に入ると、表参道をビルの間から抜けて見ることができるのも最高だよ。

—ロンドン、ニューヨークと3店舗目ですね。お店づくりのこだわりはありますか?

Gareth:ほかの2店舗と被らない内装にしていて、壁の木は日本産なんだよ。さらに、“Tri-Freg”をイメージした大理石のオブジェや、ファーに包まれたロゴのポップアートを飾っているのもここだけさ。

Lev:上から見ると“Tri-Freg”が浮き上がるこの大理石の階段もポイントだね。僕らにとって、2階建てのショップは初めてだったから、ここに特別なアイデンティティを残したかった。

—階段からオブジェまで大理石がかなり印象的ですが、ブランドにとってアイコン的なものなのでしょうか?

Lev:僕はトルコ人だからね(笑)。というのはジョークだけど、大理石がスケートショップにあるなんて誰も想像しないでしょ?スクリーンに沿うようにデッキが飾ってあるのもここだけだと思うし、そうしたものと合わせて、僕たちのミックス感を表現しているよ。

—オープンを記念して、日本限定アイテムもあると聞きました。

Gareth:Pringle of Scotland (プリングル オブ スコットランド) とコラボレーションしたモヘアニットや、“Tri-Freg”のロボットをプリントしたTシャツ、富士山を目立たせたフーディー、カセットプレイヤーのグラフィックが特徴のデッキ、レザー小物などがあるよ。

—富士山は“Tri-Freg”のようですね。

Lev:富士山はやっぱり日本の象徴だから取り入れたんだけど、偶然だね!これもロゴをデザインしてくれたFergusによるものさ。

—日本では今年5月にオンラインストアがローンチして、お店を構えるという流れですね。あなたたちにとって、日本でお店を持つことはどんな意味がありますか?

Lev:ずっと東京でお店を持ちたかったから、僕たちのゴールと言ってもオーバーではないくらいだね。オンラインストアが始動して店舗を構えるのは自然な流れだった。

—東京店オープンの予告動画はホラー映画のようでしたが、そのアイディアはどのようにして浮かんだのでしょうか?

Lev:僕が編集から撮影まで担当したんだけど、今までとは違うものにしたかった。意味がわからない、楽しいものを目指したって感じかな。日本のホラー映画とバラエティ番組がお気に入りで、扉を開けると穴に落ちるシーンは、『Takeshi`s Castle(邦題は「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」)』からインスパイアされたものなんだ。北野武監督は、俳優としても大ファンだよ。フィンガークロスして、いつか会えることを祈ってる(笑)。

Gareth:ふざけてるけど、ハイスペックなものになるようにCGもこだわって製作したんだよね。東京店にかける情熱を映像で表現したかったから!Levのやりたいようにやってもらって、動画を見る人も楽しめたら最高さ。誰もが知ってる渋谷のスクランブル交差点でもこの映像が流れているんだけど、信じられないほど嬉しいよ。

—エンディングは古いCMのようですね。

Lev:深夜にテレビをつけたら流れるCMみたいでしょ?日本のホテルで見たものから影響されたんだ。ああいうファニーな映像にしたかった。

Photo by UTSUMI

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—VimeoやYouTubeにアップしているスケートムービーについてもおしえてください。アナログのビデオカメラで撮影していると聞きました。

Lev:ベータマックスという巨大なカメラで撮影しているよ。小さい頃に見ていたスケートボードビデオのように粗い質感で、ノスタルジックなムードに撮れるのがいいんだ。

—The Trilogy Tapes とタッグを組んでレコードもリリースしていますね。あなたたちにとって、アナログカルチャーは特別なものでしょうか?

Lev:そうかもね。けど、単純に僕たちが年をとって、アナログなものに触れると昔に戻るような感覚になるというか…若い気持ちを思い出せるからかな(笑)。

Gareth:ベータマックスで撮った動画は、こうやって大理石のある空間で流すと、僕たちらしいユニークなミックス感が生まれるので気に入っているよ。

—日本のミュージシャンで気になっているひとはいますか?

Gareth:DJならたくさんいるね。たとえば、東京からロンドンに引っ越してきたTORUとか。昔PALACEで働いていた友人の繋がりで知り合ったんだ。今回のオープニングでもDJしてくれるよ。

—では、POLO RALPH LAUREN (ポロ ラルフローレン) とのコラボレーションについてもおしえてください。

Gareth:僕も Lev も大ファンだから、今回のコレクションでは、そんな僕らがファン目線でみた“ブランドらしさ”に意識を置いてアイテムを作り上げたよ。まるでラブレターのようなものになったね。50年も続いている RALPH LAUREN と一緒に仕事ができて、とても光栄だよ。

—コラボレーションの経緯をおしえてください。

Gareth:知り合いづてにブランドと繋がったんだけど、実は彼らからアプローチしてくれたんだ!

Lev:アプローチされたと言っても「まずは、お話しましょう」という軽い感じからスタートしたね。

Gareth:クローゼットは PALACE か RALPH LAUREN ってくらい大好きだから、僕たちの愛を向こうも感じ取ってくれて、コラボレーションできることになったんだ。

—その予告動画は、優雅な空気感が新鮮でした。

Lev:僕がつくったビデオのなかで、一番誇りに思える作品だよ。POLO RALPH LAUREN の持つ美しさを描きながら、馬が車の上を飛ぶダイナミックかつユニークな演出が僕たちらしさだと思っている。

—最後に今後の展望をおしえてください。

Lev: The Notorious B.I.G (ノトーリアス B.I.G) の曲で言うところの「Sky’s The Limit!(限界はない!)」だね。

Gareth:引き続きいいプロダクトとビデオをみんなに届けて、あとは楽しむだけだよ。

Photo by UTSUMI

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<プロフィール>
PALACE SKATEBOARDS (パレス スケートボード)
2009年に Lev Tanju (レヴ・タンジュ) と Gareth Skewis (ギャレス・スクイス) によってロンドンで設立。ファッション界からも注目を集める人気スケーターらが多数所属。これまでには Umbro (アンブロ) や Reebok (リーボック)、adidas (アディダス) などとのコラボレーションを発表してきた。2015年にフラッグシップストアをロンドンにオープンし、2017年にはニューヨークに2店舗目をオープン。2018年11月に3店舗目となるショップを東京の神宮前にオープンした。同月には Polo Ralph Lauren (ポロ ラルフローレン) とのコラボレーションも発表され、大きな話題を集めた。

HP: www.palaceskateboards.com