Dior (ディオール) 新作リップスティックのミューズに輝いた女優 Cara Delevingne (カーラ・デルヴィーニュ) インタビュー
Cara Delevingne
Photographer: Jean-Baptiste Mondino for Parfums Christian Dior
Makeup: Peter Philips
Styling: Mariel Haenn
Hair: Ben Skervin
Manicure: Ama Quashie
Set design: Andy Hillman
Writer: Ayana Takeuchi
これまでのピンクのイメージを覆す Dior Addict (ディオール アディクト) のリップスティック「ステラーシャイン」が新たに登場。そこで、キャンペーンのミューズを務めるカーラ・デルヴィーニュがブランドのメイクアップ クリエイティブ&イメージディレクターのピーター・フィリップスとともに来日した。ピンクに気概を見いだし、背景にパンクなアティチュードに込めた理由など、熱い言葉でたっぷり語ってもらうことができた。甘くない新たなピンクのリップをひと塗りして、春の着こなしを思う存分に楽しみたい。
Dior (ディオール) 新作リップスティックのミューズに輝いた女優 Cara Delevingne (カーラ・デルヴィーニュ) インタビュー
Portraits
「ピンク」と聞いて、どんなイメージが頭に浮かぶだろう。ロマンティックでドリーミー、繊細で儚く、たちまち幸福感で心を満たしてくれるもの。たとえば、満開の桜、赤ちゃんの頬、ショーケースに並ぶマカロンの色…。それらは“強さ”とは真逆のベクトルにあるものではないだろうか。
そんな色のイメージをパンキッシュに塗り替えるリップスティックがDior Addict (ディオール アディクト) から届けられた。“BE DIOR. BE PINK.”を掲げる「ディオール アディクト ステラー シャイン」は、新たなピンクの可能性を追求し、女性を輝かせる魔法のアイテムだ。キャンペーン動画では、ミューズを務める Cara Delevingne (カーラ・デルヴィーニュ) が Aerosmith (エアロスミス) の『Pink (ピンク)』にのせて、マンハッタンの街を力強く闊歩したり、エモーショナルな歌声を披露。反骨精神をはらんだパフォーマンスによって、コレクションに込められたアティチュードを表明している。4月上旬、同製品のイベントに合わせて来日したカーラにインタビュー。ディオール メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターの Peter Philips (ピーター・フィリップス) も迎えて、ピンクにこだわった理由から、勇気をもって主張することの大切さについてなど、熱く語ってもらうことができた。
—ピンクで連想する3つの言葉をおしえてください。
カーラ・デルヴィーニュ(以下カーラ):「パワフル」、「プリティ」、「パンク」。女性を表す3つの重要な言葉よ。一方で、必ずしも女性だけがまとう色ではないと思っている。わたしの父は「本物の男こそ、ピンクを着こなすことができる」と言っているの。
—ピンクに気概を見出したのはどうして?
ピーター・フィリップス(以下ピーター):ウィメンズ マーチのデモで女性たちがピンクのニット帽を被っていたことを知ったんだ。それらは、ピンクから連想される“守ってあげたくなる可愛さ”といったイメージの枠から解き放たれ、攻撃性こそないけれど、女性にとって武器になりえると解釈できた。そこで、それぞれの美しさを主張する力強さを、ピンクに見出したんだよ。さらに言うと、そのピンクのニット帽は個々で編まれたもの故に少しずつ色味が違っていて、そのグラデーションも色幅を考えるインスピレーションになったんだ。
カーラ:女性たちは、常に戦う姿をみせていると思うの。企業でCEOのような役職についていなくても、ウガンダで難民になって子供を守ろうとして何マイルも歩いているひとだってそう。家族や、友人、まわりの女性たちだって、みんな気骨が備わっている。女性はそもそも生命をもたらす存在で、配慮ができて、愛を与える存在。そして、正しい権力に向かって戦うべき。自分の意見をしっかり持って、怖がらずに生きて欲しい。
—自分の意思を表明することを恐れなくなった大きなきっかけは?
カーラ:実は、幼少のころから自己表現が上手だったわけではないの。歌ったり、演技をしていも心の底にある感情を隠していた。けれど、それを続けていたら、次第にもやもやが溜まって、肌に出てしまった経験をした。そこで、嫌なら沈黙しないで自分の意見を伝えるべきだって確信したわ。他人と同じように自分を大切にしようと決意したの。それから、もう元に戻ることはなかったわ。今でも少し沈黙してしまうこともあるけど、できるだけ自分の声をあげようと思っている。
—キャンペーン動画についておしえてください。
カーラ:マンハッタンのセントラルパークの横を封鎖して撮ったのよ。静止画での撮影経験はあったけど、動画では初めてだったから、アイディアを聞いたとき、ほんとにこんなことやるの!?って驚愕した“ピンチ・ミー・モーメント”だったと言えるわね。単純に怖かったんだけど、もし失敗したら、唯一の理由は自分の中にある恐れだとわかっていたから、心を強くするしかなかった。そこで、わたしの中に存在している“男性的自信”に頼って、エアロスミスの音楽にのって、地に足をつけて、自分を止められるものは何もないって信じてカメラの前で振る舞うことにしたわ。そうやって殻を破って、自分をさらけ出すことで、自分らしくいられたの。そして、自信を取り戻すことができた。恐れの乗り越え方に気付かせてくれて、ディオールありがとう!って感じね(笑)。
ピーター:実は、事前に動き方などのアイディアを紙にまとめてはいたんだけど、カーラに自然な演技と歌声を披露してもらいたかったから、あえてそれを伝えない選択にしたんだ。すると、鏡の前で大胆不敵にダンスしてくれたり、ロックスターのようにエモーショナルに表現してくれて、パンキッシュなアティチュードを映像にすることができたんだ。
—その動画でカーラは、とことんまでピンクに包まれていますね。普段はどのようにこの色を身につけていますか?
カーラ:まだ少しずつだけど、ポイントで取り入れることが多いかな。たとえば自分の意見を聞いて欲しいときには、ブラックのスーツを着て、あえてピンクのルージュをひいてみる。リップに目がいくようにするのがねらいよ。「ディオール アディクト ステラー シャイン」は、どれだけ喋っても落ちにくいし、うるおいが長続きするのがすごくいいの。バニラの香りにも癒されるわ。
—このリップスティックだからこそ叶うことは?
ピーター:まず、さまざまなピンクの色味があるので、好きなものを選んで、なりたい自分を演出できるという楽しみがあるね。リップスティックに限らず、コスメでは、成分や色など製造する上で制約があるけど、8時間続く発色、24時間続くうるおい、発色の良さを約束しているよ。
—リップスティックを塗ることで、オン、オフのスイッチを入れることができると思います。カーラは、モデル、女優、シンガーなどさまざな顔をもっていますが、それぞれの自分になるとき、どの「ステラーシャイン」を選びますか?
カーラ:一瞬瞑想にふける時間を与えてくれるのがリップスティックよね。まず、モデルではタフでフェミニンなイメージの「976 ビー ディオール」がいいかしら。女優業はたくさん話すことが多くてリップの色が薄れるから、ナチュラルな「260 ミラージュ」を。シンガーは、グリッターが特徴の「891 ディオールセレスティアル」がいいわね。これなら、ステージで魅惑的に輝けると思うわ。
—二人とも世界を飛び回り忙しい毎日を送っていると思いますが、人生で喜びを感じるのはどんなシーン?
ピーター:いい天気の日。窓をあけたら、モクレンの香りがふわりと部屋のなかに入ってくるだけでも幸せを感じるね。パリには、ほとんどいる時間がないから、家族の顔を見られるだけでも嬉しいよ。あとはカーラのように、素敵なひとたちと仕事ができることもね!
カーラ:寄りかかられているだけよ(笑)。迷惑なひとと一緒にいると楽しいけどね。私は眠ること、オフの日に映画を見て、音楽を聴いたり、家族と過ごせるとき。仕事で海外に出かけたときに、自分の時間をつくれたら最高ね。そして世界平和よ!