NARS (ナーズ) 創始者、Francois Nars (フランソワ・ナーズ) インタビュー
Francois Nars
コスメブランドが続々と2013年クリスマス・コフレの発売を迎えている。近年はビューティでもアーティストコラボが多く目につくようになっているが、そんな中でも今季とりわけ高い注目を集めているのが、NARS (ナーズ) × Guy Bourdin (ギイ・ブルダン) のコラボレーションだ。
NARS (ナーズ) 創始者、Francois Nars (フランソワ・ナーズ) インタビュー
Portraits
*You’ll find the English text after the Japanese.
コスメブランドが続々と2013年クリスマス・コフレの発売を迎えている。近年はビューティでもアーティストコラボが多く目につくようになっているが、そんな中でも今季とりわけ高い注目を集めているのが、NARS (ナーズ) × Guy Bourdin (ギイ・ブルダン) のコラボレーションだ。Guy Bourdin は、1950年代半ばに仏『VOGUE』誌でキャリアをスタートさせ、ファッションフォトグラフィーの分野に独創的なジャンルを確立した、20世紀を代表するファッションフォトグラファーのひとり。絶えず死を連想させる描写、あからさまにエロティックな筋書きのある作品など、複雑に入り組んだストーリーでファッションにアプローチするスタイルは70年代にピークを迎え、91年に死去した後も世界のクリエイターたちに影響を及ぼし続けている。NARS 創始者でありクリエイティブ・ディレクターを務める Francois Nars (フランソワ・ナーズ) もまた、Guy Bourdin の写真に傾倒し、多大な影響を受けているひとりだ。Francois Nars がメーキャップ・アーティストを志すようになったのも、幼少時に仏『VOGUE』や『Harper’s BAZAAR』で Guy Bourdin の作品に出会ったことがきっかけだという。実際に NARS カウンターに並ぶコスメやヴィジュアルの大胆で鮮烈な色彩感覚を見てみれば、Francois Nars の Guy Bourdin に対するリスペクトがいかに大きいものであるかを改めて感じることができるだろう。NARS だからこそ実現したといっても過言ではない珠玉のホリデーコレクションは現在、リップスティックやシングルアイシャドーなど、ブルダンらしい色彩を持つカラーコレクション (4アイテム・全17色) が発売を迎えている。続いて11月22日 (金) には限定コフレ「NARS HOLIDAY 2013 GIFTING COLLECTION」(全国限定:全4種・セルフセレクトショップ限定:全2種)が登場するのでこちらも要チェックだ。リップ型のケース、ハート付きのポーチなどに収められたコフレはすべて、Guy Bourdin の写真をプリントした箱に入ってくる。さらに、チークパレットの「ワンナイトスタンド」と人気のミニリップセットの「プロミスキャス」は、イセタンミラーなどのセルフセレクトショップ限定アイテム。ファンのコレクター魂をくすぐる完売必至のラインアップなので、気になる人は早めに NARS カウンターか、あるいは11月22日 (金) から3日間の期間限定で BA-TSU ART GALLERY@表参道でオープンするポップアップストア へ (セルフセレクトショップ限定を除く)。以下、ニューヨークから届いた Francois Nars のインタビューをノーカットで紹介する。
—Guy Bourdin (ギイ・ブルダン) にフルコレクションを捧げることに決めたのはいつですか?そしてなぜですか?
僕はずっと彼の作品に心を奪われてきた。1968〜70年頃、Guy Bourdin の写真が仏『VOGUE』に掲載されていて、目を奪われずにはいられなかった。子供心に、モデルの女性たちと Guy Bourdin の撮影の仕方に惹かれた。モデルのポーズが強烈で、逆立ちになっていたり。メーキャップはどれも素晴らしくて、ヘアスタイルもすごかった。信じられないくらい洗練されていて、デカダンな雰囲気があったね。Guy Bourdin は、メーキャップアーティスト、写真家としての僕のキャリアに多大な影響を与え、これまでにも何度も彼に敬意を表してきた。今がこのコラボレーションを行うのに相応しい時だと思うけれど、これは5年前でも5年後でも良かった。なぜなら、彼の作品はつねに、現代的であり続けるから。
—Guy Bourdin のどこに惹かれますか?
彼の写真はとにかく魅力的。確固たる創造力と、極めてアーティスティックなヴィジョンを持っている。単にモデルがまとった服を撮影するのではなく、それをはるかに上回ることをしている。Guy Bourdin の写真は、絵画に近い。もっと評価されるべきだと思う。
—Guy Bourdin の作品は今、発表当時よりもいっそう現代的な意味を帯びていると思いますか?
Guy Bourdin はとてもファッション性の高い写真家であると同時に、その作品は時代を超越している。抽象的で途方もなく創造的。一時の流行や時に左右されないんだ。偉大なアーティストは皆、 時代に流されない。ウォーホルやピカソもそう。彼らほどの才能と素晴らしいヴィジョンを持っていれは、その作品は時代を超越する。
—メーキャップ・アーティストとしてのあなたに、Guy Bourdin はどのような影響を与えましたか?
彼の写真を見て、メーキャップをまったく違う角度から考えるようになった。彼が撮影した女性の姿に夢中になって、雑誌からそのページを切り取って自分の部屋の壁に貼っていたよ。友達が野球やバスケットボールの選手の写真を壁に貼っていた頃、僕は Guy Bourdin の写真を飾っていたんだ。Guy Bourdin の色彩感覚と女性モデルの撮り方は本当に素晴らしい。そして、どうしたわけか、彼女たちのメーキャップにひどく魅力を感じた。僕は常に強いルックを持つ女性に魅力を感じできたから Guy Bourdin はもちろん、Helmut Newton (ヘルムート・ニュートン) や Richard Avedon (リチャード・アヴェドン) にも惹かれるね。
—Guy Bourdin の写真の中で特に好きな作品は?
たくさんあるけれど、ひとつ挙げるとすれば、Kathy Quirk (キャシー・カーク) が下着だけを身に着けて受話器を手にしている写真 (「ワンナイトスタンド」) かな。この写真はオリジナルプリントを持っているんだ。メーキャップが素晴らしく、肌は抜けるように白い。今回のコレクションのために8〜10点の写真を選んだが、その中で特に気に入っているのは、リップコフレ「フリング」のヴィジュアルに使った作品で、グリーンカラーを背景に女性がテーブルにもたれかかって丸い鏡を見つめているもの。
—Guy Bourdin のヴィジョンを今回のビューティコレクションにどのように取り入れましたか?
色彩がすべて。Guy Bourdin の写真のメーキャップは、色彩が強烈。レッドとパープル使いが好きだね。コレクションをクリエイトすることは難しくなかった。Guy Bourdin の写真をとてもよく知っているから。写真の女性たちにどのようなメーキャップが施されているかがわかるから、それをコレクションに映し込むのは簡単だった。選んだ写真の色に可能な限り近い色を出したよ。パープル、グレー、極めてコントラストの強いカラー。これらを実際のメーキャップに採り入れたかった。パッケージも Guy Bourdin の写真をイメージして、美しく仕上げている。
—このコレクションは、Guy Bourdin に経緯を表したものですか?
その通り。Guy Bourdin へのオマージュだ。彼が与えてくれる素晴らしいインスピレーションの感謝でもある。 彼は子供だった僕に幸せをくれた。彼の写真を見ているだけで幸せだったんだ。彼ほどの人だからできることだ。美を見出し、それを信じられないほど巧みに捉えている。彼の写真はファッショ ンを超越しているよ。NARSが Guy Bourdin に敬意を表するのは6度目だが、今回はこれまでの中で群を抜いて規模が大きいフルコレクション。若い世代の人々が Guy Bourdin のようなアイコニックなアーティストを知るのは良いことだね。こうしたアーティストたちはとてもモダンで、若い世代も彼らの作品に十分共感できると思う。彼らの写真は今なお、ある意味とても新しいから。
—コレクションの中で使っている色について教えてください。
多く使っているのはパープル、スモーキーグレー。それからレッド、オレンジ、フューシャカラーのリップスティック、、多彩なブラッシュ。僕はチークが好きなので、苦労なく作れたよ。 写真をじっと見つめて、軽々とインスピレーションを得て、カラーをつくる。彼の写真のすべての色をコレクションの中で表現している。
—このコレクションは、Guy Bourdin の作品全体を表現していますか?それとも、ある特定の期間の作品を反映しているのですか?
僕にインスピレーションを与えてくれた作品と、僕が好きな強烈なメーキャップが使われている作品絞り込んで、コレクションに表現している。Guy Bourdin の素晴らしい写真の中には、顔を写していないものも多くある。彼にとって顔は脚と同じで、身体の一部分にすぎないのかもしれない。だからコレクションには、彼の全作品ではなく、メーキャップルックがとても印象的で僕好みな作品を映し込んでいる。メーキャップに直接関連する写真を選んでいる。
—コレクションの中で特に気に入っている製品は?
「ブラッシュ」だね。僕はチークが大好き。Guy Bourdin もチークを多用している。それから 「ネールポリッシュ」。レッド、フューシャの素敵なカラーが揃っている。楽しい色彩が爆発的に使われた1971〜72年頃のイメージだ。とても Guy Bourdin らしくて、納得してもらえると思うよ。
—Guy Bourdin の私生活が、彼の作品に影響したと思いますか?
したと思うよ。誰でもそうだと思う。どんな生活をしていようとその影響はある。僕は自分がすることすべてから何かを得ようと心がけている。旅に出て友人を訪ねたり、映画を見たり、写真を撮ったり。こうした経験が仕事に反映されている。
—Guy Bourdin は自分の作品の細部に至るまでこだわりました。これは写真家にとって良いことでしょうか?
もちろん。大いに気難しくなるべきだね。僕が一緒に仕事をした大物の写真家たちは皆とても頑固だった。気難しくて、神経質で、細部にこだわり、きめ細かい。現代の最も偉大な写真家たちは皆そうだと思うよ。
—Guy Bourdin の作品が、ファッションフォトグラフィーの世界でこれほどアイコニックになっているのはなぜでしょう?
彼の現代性ゆえだろうね。Guy Bourdin はファッションを独特な目線で捉えた。一点の服を見せているだけなのに、その写真があまりにアイコニックであるがために、写真を見た人はその Saint Laurent (サンローラン) のドレスを記憶してしまう。彼の写真はファッションを超越していた。強烈で、絵画のような写真を撮り、ファッションを別のものに変えた。カタログのようにドレスだけを見せるのではなく、ファッションをアートに変化させた。Guy Bourdin が20世紀最大の写真家の一人と目される理由はそこにあると思う。
—あなた自身もそのような仕事を目指しますか?
僕はあまり研究熱心にならないように心がけるよ。今後どうするのかは決めていない。明日インドに旅立って写真を撮るかもしれない。いきなり訪れる意外な展開――サプライズが好きなんだ。あまり多くを計画しないようにしている。なんでも計画が必要な現代だけど、サプライズの可能性を残しておくべきだね。
—Guy Bourdin の仕事ぶりを知っても、彼の仕事仲間になれそうですか?
一緒に仕事がしてみたかったね。大変だろうとは思うよ。徹夜で作業するのだから。「午後5時だ、 帰ろう」なんて考えはまったくない。とにかく作業し続ける。モデルを逆さまに浮かせるのに5時間かかるなら、5時間かけるんだ。メーキャップもやり直さなければならない。でも偉大なアーティストのために働くなら骨身を惜しまないだろうね。Guy Bourdin と一緒に仕事をした人々は献身的だった。 僕も一緒に働いていれば、もちろんそうしただろう。でもメーキャップをを始めたばかりの身では荷が重すぎただろうと思うよ。彼の作品を見ただけで恐れ多くなってしまってね。今なら、もちろん自信があるし、一緒に素晴らしい仕事ができたと思う。
—あなたと Guy Bourdin は似ていると思いますか?
Guy Bourdin と僕は互いにクリエイティブだけど、タイプが異なる。僕はモデルのスチル写真を撮り、その中で創造性を発揮するが、彼は映画制作のようにセットや設定をクリエイトする。Guy Bourdin は、CHARLES JOURDAN (シャルル ジョルダン) の靴の広告写真を多く手がけ、これらは彼の作品の中でも最もドラマティックだ。 とにかく、とてつもなくすごい。これらの写真のおかげで、CHARLES JOURDAN は名を知られたのだから。Guy Bourdin は今なら偉大な映画監督になっていたと思う。フレグランスのコマーシャルでもミュージックビデオでも彼に手掛けさせたら素晴らしいものができただろうね。今なら、もっともっと多くのことができたと思う。
<プロフィール>
Francois Nars (フランソワ・ナーズ)
Francois Nars のクリエイティブなビジョンにより、NARS Cosmetics は1994年、12のアイコニックなリップスティックから始まりました。世界で大きな影響力を持つイメージメーカーのひとりとして、Francois Nars は既成概念を打ち破る独自のアプローチをパレットや商品名、キャンペーンフォトなど、メーキャップの様々な表現に取り入れながら、美の世界に高いファッション性、最新のスタイルと新しい考え方を提案し続けてきました。革新的なメーキャップアーティストとして、写真家として、またクリエイティブな発想の持ち主として、Francois Nars がこれまでに残してきた功績は、世界のファッション・美容業界にしっかりと刻み込まれ、2016年には「Ordre National de la Légion d’Honneur」(レジオンドヌール勲章) を受章しています。
Holiday season is coming in the cosmetic industry! For last several years, we see more and more cosmetic brands collaborating with the various artists in their production. This year, NARS will make people say wow by its special collection with Guy Bourdin. Guy Bourdin, the one of the legendary fashion photographer in the 20s century, started his career at French VOGUE, succeeded in establishing new unique creative genre. Uninhibited glamour. Cinematic intrigue. Evocative innuendo. His artworks are consisted of the complicated stories behind. Even after his death in 1991, his photographs still have the huge influence on the creators all over the world. Francois Nars, the cofounder and creator of NARS cosmetic, is not the exception. He is the ardent admirer of Guy Bourdin as well. Nars saw Bourdin’s arworks in French “VOGUE” and “Harper’s BAZAAR” at her young age, and the impact he got from Bourdin’ artwork made him to start pursuing the make-up artist career. You can see the influence by the vivid and bold color items at NARS corner in the department. This year, NARS presented the holiday collection collaborated with Guy Bourdin, where the color variation is very Bourdin-feel. The collection has already been at the NARS cosmetic corner, and it’s from lip stick to single-color eye shadow (4 items, 17 colors.) In addition to that, the limited collection “NARS GUY BOURDING GIFTING COLLECTION” will be also released on Nov 22 Fri. This limited collection is all boxed in lip-shaped case or the cosmetic small bag with heart motif decoration, and people just going to love it. Just check it out at NARS cosmetic corner or the limited pop-up store (BA-TSU ART GALLERY @Omotesando) from Nov 22 to Nov 24.
More, here is the interview with Francois Nars held in NYC.
—When and why did you decide to dedicate an entire collection to Guy Bourdin?
I was always really in love with his work. When I was 8 or 10 years old, my mother, would receive French Vogue and I remember seeing Bourdin’s photographs –they were so incredible. In 1968, ’69 and ‘70, Bourdin’s images covered the pages of French Vogue. It was hard not to notice them. Even as a child, I loved the girls and the way he made them look. Their poses were so extreme –some often upside down. The makeup was always fabulous and the hair was incredible. There was this unbelievable sophistication, with a feeling of decadence. Guy heavily influenced me in my career as a makeup artist and a photographer. I have paid tribute to him many times in the past. Now is the right time for us to do the collaboration, but it could have been five years ago or five years from today because his work will always be relevant.
—What draws you to Guy Bourdin?
His photographs are so striking. He had a bold sense of creativity and his visions were very artistic. It wasn’t just photographing an outfit. He did much more than that. His photographs were almost like paintings. He deserves to be recognized more.
—Do you believe that Bourdin’s work is more relevant today than it was back then?
Guy Bourdin was a very fashionable photographer, but at the same time, his work was timeless –it was abstract and incredibly creative– so much so that it went beyond fashion and time. All great artists are timeless, like Warhol and Picasso. When you are that talented and have such an incredible vision, your work goes beyond time.
—How has Bourdin influenced you as a makeup artist and why?
His photography made me look at makeup in a very different way. I was so obsessed with the way the women looked in his photographs that I would cut out the pages from the magazine and hang them on my bedroom wall. Other kids had baseball or basketball players on their walls. I had Guy Bourdin. His sense of color and the way he made women look in his photographs was so incredible. The makeup, for some reason, I could not resist. I’ve always had an attraction to women with strong looks. And not just with Guy, although Guy was a huge one, but there were others like Helmut Netwon and Avedon.
—What are your favorite images of Bourdin’s?
There were many, but one of my favorites was a photograph of Kathy Quirk, she is just wearing underwear and holding a phone. I actually have the original now. Her makeup was so incredible and her skin was so white. I also picked 8 to 10 images for the collection. There is one in particular that I love, which was used in the Fling lip kit, where the woman is leaning on a table staring into a round mirror with a green background.
—How did you translate Bourdin’s vision into this beauty collection?
It’s all about the colors. When you look at the makeup in the photographs the color is very strong. I always loved the reds and the purples. The creation of the collection was easy because I knew the photographs so well. I knew the kind of makeup that was used on those girls, so it was easy for me to translate that into a collection. I stayed as close as possible to the pigments in the photographs I selected, which were purples and grays and very strong contrasting colors – I wanted to translate that into the actual makeup itself. The packaging also features images from Guy on the actual box, it’s quite beautiful.
—Do you think this collection pays homeage to Guy Bourdin?
Yes, it’s a homeage to Guy. And it’s a thank you to him for being so inspirational. He made me happy when I was a child. I would look at those pictures, and I was happy. That’s the good part about people like that. It’s just seeing beauty and he captured it incredibly well. He goes beyond fashion. It’s the sixth time Nars has paid tribute to Guy Bourdin, but this is the biggest by far and is a full collection. It’s good that younger generations learn about iconic artists like Guy. Those artists were so modern, and I think younger generations can really connect with the photographs because the photos are still so fresh in a way.
—Can you talk about what colors you’re using in the line?
There are a lot of purples and smoky grays as well as red, orange, and fuchsia lipsticks with a huge explosion of blush. I love blush, so it was easy for me to create. You just stare at the photographs and it was easy to get inspired and create colors. All the colors in his photographs are represented in the collection.
—Does the collection represent all of Bourdin’s work or a specific time period?
It’s really focused around the images that inspired me and the strong makeup looks that I love. Guy did so many fabulous images where you don’t see faces; it might just be a part of the body, like the leg. So, it’s not representative of all his work, it represents my favorite looks –where the makeup was so incredibly striking. I picked the images that were directly linked to makeup.
—What are some of your favorite products from the collection?
The blush for sure, because I went crazy with the blush. Bourdin used so much blush. And then I would say the nail polish. There are such great nail polishes. Red, red nails, orange and fuchsia. It’s very much of that period, 1971 – 72 when there was an explosion of fun colors. I think you’ll see it all makes sense –it’s very Bourdin.
—Do you think Guy Bourdin’s personal life influenced his work?
Yes, I would say that’s true with everybody. We are influenced by our lives no matter what. I try to be influenced by everything I do. When I travel and visit friends, I go see movies and take pictures, these experiences are reflected in my work.
—Guy Bourdin was meticulous with his work, do you think that’s a positive thing for a photographer?
Oh yes. You have to be extremely difficult. The big photographers that I’ve worked with were all extremely persistent. They’re difficult, neurotic, meticulous, and very detailed. I think the greatest photographers of our time are like that.
—What do you think makes Guy Bourdin’s work so iconic in the world of fashion photography?
His sense of moderness; he captured fashion in a very unique way. He would just show a piece of the clothing, but it became such an iconic image that people remembered the piece of the Saint Laurent dress they saw in the photograph. He was beyond fashion. He created images that were strong, like a painting he turned fashion into something else. Instead of doing it like a catalog and just showing a dress, he transformed fashion into art. That’s what I think made Guy one of the biggest photographers of the 20th century.
—Do you try to work like that, too?
I try not to do too much research. I don’t know what I’ll do. I might go to India tomorrow and then I’ll photograph there. I love the surprise in life that may be around the corner. I try not to really plan too many things. Today, we have to plan so much, but you have to leave a little open door to surprise. I love a surprise.
—So after the stories you’ve heard about him, do you think you would’ve been friends?
I would have loved to work with him. It probably would have been hard, because they worked all night. There was never any, “its 5pm, time to go home.” You work. If it takes five hours to have the girls suspended upside down, it takes five hours. And then you have to redo the makeup. But when you work for a great artist, you just give yourself 100%. The people who worked with Guy were dedicated. I would’ve loved it of course. When I just started with makeup, I would not have been ready. I would’ve been terrified to work with Guy, just knowing what he had done. Now, of course I’m ready and would’ve done fabulous things with him.
—Do you think you and Guy Bourdin are similar in any way?
We’re both creative but in different ways. I’m creative in the way I photograph stills of people, but he would create sets and scenes almost like a moviemaker. He did a lot of ads for a shoe company, Charles Jourdan. He took the most dramatic photos for him. They were crazy and incredible. People knew Charles Jourdan because of those photographs. I think he would’ve been a great movie director today. He could’ve done commercials for fragrances or music videos and it would’ve been amazing. He could have done so much more today.
<Profile>
François Nars
François Nars’ creative vision, which launched NARS Cosmetics with 12 iconic lipsticks in 1994, inspires self expression and imaginative artistry through an unexpected, no-rules philosophy of beauty. As one of the most influential image-makers in the world, François’ signature boundary-pushing approach to makeup manifests from the palette to the product name to the campaign photograph itself—continuing to bring high-fashion, high-style, and forward thinking to beauty. With every product, endless opportunities for self expression: “Don’t hold back. Be bold. It encourages others to do the same.” François Nars’ lifetime of achievements as a revolutionary makeup artist, photographer, and creative visionary have left a permanent mark on the fashion and beauty industries worldwide, earning him the renowned “Ordre National de la Légion d’Honneur” (National Order of the Legion of Honour) in 2016.