toshiaki toyoda
premieres new film starring kiyohiko shibukawa

混沌の時代に問う。豊田利晃監督最新作『生きている。』が完成、イッセー尾形を迎えたワールドプレミア公開イベントも

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混沌の時代に問う。豊田利晃監督最新作『生きている。』が完成、イッセー尾形を迎えたワールドプレミア公開イベントも

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『青い春』『ポルノ・スター』『ナイン・ソウルズ』豊田利晃監督の最新作『生きている。』が完成。新たに予告編が公開された。本作は、映画俳優・渋川清彦を主演に迎えた18分の短編映画で、映画館での上映は今のところ未定。7月24日に東京・渋谷の WWWX にてワールドプレミア公開イベントが予定されている。加えて、切腹ピストルズによる主題歌「いきいず」もリリースされた。

祖父の形見であった拳銃を不法所持として逮捕され、その後不起訴となった本人の実体験をベースに生まれた短編映画『狼煙が呼ぶ』(2019)にはじまり、小笠原諸島を舞台にしたドキュメンタリー映画『プラネティスト』(2020)、イタリアのオルトレ・ロスペッキオ国際映画祭2020で監督賞を受賞した『破壊の日』(2020)、窪塚洋介を主演に真っ向から”生き方の美学を問う”『全員切腹』(2021)、そして今年の1月には佐渡島を拠点とする太鼓芸能集団の鼓童と大阪を拠点とする現代音楽家の日野浩志郎による和楽器と現代音楽の融合をとらえた意匠作『戦慄せしめよ』を公開するなど、積極的に新作を発表し続けている豊田利晃。

新たに公開されたポスター

狼蘇山シリーズの新章ともいえる本作『生きている。』の舞台は現代、神社の祭りに松明を持った男が現れ、騒動を起こす。主演は、『真犯人フラグ』『ザ・タクシー飯店』などテレビでも注目を集める俳優、渋川清彦。映画音楽は、ZAZEN BOYS/NUMBER GIRL の向井秀徳と切腹ピストルズが手掛けている。7月13日に公開された予告編は、本編には出てこない別テイクの映像となっている。

本作のワールドプレミア上映が7月24日に WWWX にて予定されており、当日はイッセー尾形の一人芝居、切腹ピストルズ、向井秀徳のライブもラインナップ。イッセー尾形のライフワークであり、チケット入手困難で知られる一人芝居が今回、豊田監督の熱烈なラブコールにより実現。作品を通して時代に挑み続けてきた監督が、今なお混沌とする現代に贈る一夜限りの豪華饗宴。是非とも見逃さないでいただきたい。

豊田監督は本作について以下のように語っている。
「毎年、2月6日に和歌山県新宮市で行われるおとう祭りに10年以上参加している。白装束に身を包み、身体に荒縄を巻き、松明を持って山に上り、御神火をつけて階段を駆け下りる。火祭りとも呼ばれる祭りだ。原田芳雄も20年以上、参加していて一緒に山に上ったのは僕にとって宝のような想い出だ。コロナパンデミックの影響で2年連続、今年も中止になった知らせを聞き、原田芳雄や中上健次が愛した祭りを、自分たちで映画の中で再現してみたくなった。祭りとは一年に一度、自らの霊性に目覚め、生命力を自覚する日だ。そして仲間たちと逢える日。一日で終わり、また普段の日常に戻っていく祭りは、どこか映画作りとよく似ている。『映画は祭りだ』とは映画人がよく口にする言葉だ。この時代に生きる意味を問いかける、力が溢れ出すような映画にしたいと思った。生きているのかいないのか、それは自分だけが知っている。生きていること、それだけがいつの時代でも希望の証だ。」

また、エンドクレジットで流れる切腹ピストルズの新曲「いきいず」が豊田組ショップにてデジタル販売中。切腹ピストルズの2022年の宣言ともいえる渾身の新曲も要チェックだ。切腹ピストルズ総隊長の飯田団紅は「『いきいづ』というのは『生き出づ』だ。古語で『死んだと思われたものが生き返る』とか『正気に返る』という意味で、源氏物語にも出てくるような言葉だ。死ぬときに詠む『辞世の句』の反対、生きよう!と思う時の句(それを宣言と呼ぼう)にしようと決めた。」とコメントしている。

切腹ピストルズ「いきいず」