コムアイが纏うマルティン・ラミレス vol.1 Madonna
lemaire
with kom_i
model: kom_i
photography: yusuke yamatani
styling: shohei kashima
hair: takai
make up: kanako yoshida
text & edit: manaha hosoda
20世紀の最も優れたアウトサイダー・アートの画家と評される Martin Ramirez (マルティン・ラミレス)。故郷であるメキシコを離れ、アメリカに移住するも、孤独に苦しみ、精神病を患った同氏は、隔離状態の中で何かに取り憑かれたようにドローイング作品を描き続けた。
様々な問題に直面し、自由と変化の必要性がかつてないほど叫ばれる今の時代の空気と Martin Ramirez の作品群が共鳴すると考えたパリジャンブランドの LEMAIRE (ルメール) はカプセルコレクションとして、ファブリックの上に原画を忠実に再現。困難の連続に見舞われた激動の人生から生み出された作品の数々に、あなたは何を見る?ミュージシャン、モデル、女優として活躍し、最近では環境問題にも積極的に取り組むアーティストのコムアイが2シーズン目となるコレクションを纏う。(第1回/全3回)
コムアイが纏うマルティン・ラミレス vol.1 Madonna
大地をかける馬や鹿といった動物たち、銃を持った男性や冠を被った女性、移住後に作家が生計を立てるため携わっていた鉄道やトンネル…Martin Ramirez 独特のタッチによって浮かび上がったモチーフたちに宿るのは、郷愁か幻想か、はたまた狂気か。画材がない時には、身近なものを手当たり次第使い、ひたすら創作活動を続けたという作家の作品には、具象と抽象が交差する。
LEMAIRE は、Martin Ramirez の代表作のひとつである「Madonna」(1953)を上質なドライシルクにのせて表現。深めのVネックで胸元が開いたパラシュートドレスにはバックプリントで、スタンドカラーのブラウスはフロントで大胆に、Martin Ramirez が描く聖母像をプリント。いずれもゆったりしたシルエットで、開放的なムード。動きに合わせて表情を変え、半世紀以上前に生まれた作品に新たな息吹を吹き込む。