今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
4/2026
『猫を放つ』
©2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners
すれ違う夫婦の現在と、かつての記憶を揺さぶる友人との再会を、過去と現在を交錯させながら描いたラブストーリー。『春みたいだ』『窓たち』などの短編作品で注目を集めた志萱大輔が長編初監督を務め、7年の制作期間を経て完成させた。音楽家のモリは、写真家である妻マイコとの距離を埋められず悩んでいた。そんなある日、モリはかつての友人アサコと思いがけない再会を果たし、彼女への古い愛情を呼び起こされる。アサコもまた、かつて自分がモリにひかれていたことを思い出す。しかし、ふたりの記憶は期待や欲望を含みながら、ぼやけ、歪み、それぞれの中で都合よく書き換えられて現れる。そして長い散歩のあとで、モリとアサコは既に軌道を外れてしまったふたつの人生と、それぞれが立つ現在を改めて見つめ直していく。シンガーソングライター「soma」としても活動する俳優の藤井草馬がモリ役で主演を務め、音楽も担当。『息を殺して』の谷口蘭がモリの妻マイコ、『オーガスト・マイ・ヘヴン』の村上由規乃がモリのかつての友人アサコを演じた。時間と心の移ろいを描いた、記憶にまつわる物語がスクリーンに放たれる。
公開日: 5月2日(土)
監督: 志萱大輔
出演: 藤井草馬、村上由規乃、谷口蘭
HP: hutpictures.jp/Leave_the_Cat_Alone
『コスモ・コルプス』
©2026 Yokna Hasegawa
新潟県・佐渡島を舞台に、地球を離れた人類と地球に残った人類が時空を超えて出会う姿を「未来篇」「未来縄文篇」「現代篇」の3編を通して描いたSF映画。『イリュミナシオン』『ュアル・シティ』で近未来の日本を描いてきた長谷川億名が監督・脚本を手がけ、20回以上にわたり佐渡島を訪れて現地の人々とコミュニケーションをとりながら、4年の歳月をかけて自主製作で完成させた作品。はるか遠い未来、人類は新たな資源を求めて地球から旅立った一族「離派」と、地球にとどまった一族「残派」とに分かれていた。高度に発達したテクノロジーにより宇宙空間で繁栄した「離派」に対し、「残派」は地球の残り少ない資源を使いながら人口を減らし続けている。地球を失った「離派」も、地球で仲間を失い続ける「残派」も同じように孤独を抱えるなか、強いつながりを求める意識はいつしか現代の孤独に呼応していく。佐渡島の住民を多数キャストに起用し、島の暮らしや雄大な自然を織り交ぜながらドキュメンタリーの手法で撮影された本作は、人と人とのつながりの根源を静かに映し出す。
公開日: 5月2日(土)
監督: 長谷川億名
出演: 鮎川唯子、野澤健、横山裕子
HP: yoknahasegawa.com/cosmocorpus
『誓い 建築家B・V・ドーシ』
インドの世界的建築家 Balkrishna Doshi (バルクリシュナ・ドーシ) の晩年を追ったドキュメンタリー。本作では、自身が手がけた建築物を訪れ、建築哲学や制作過程、自身の70年におよぶキャリアについて語る姿を映し出す。2018年に建築界のノーベル賞とされるプリツカー賞をインド人として初めて受賞し、2023年に95歳で逝去した建築家 Balkrishna Doshi。1950年代にパリの Le Corbusier (ル・コルビュジエ) のもとでキャリアを歩みはじめた彼は、インド西部の都市アーメダバードの Le Corbusier のプロジェクトの実施を担い、独立後は Louis Kahn (ルイス・カーン) とも協働した。彼らの教えを受けた Balkrishna Doshi は、サステナブルやエコの思想を早くから建築に取り入れ、モダニズムとインドの伝統、風土、精神性を融合させた独自のスタイルを確立。社会や環境に貢献する建築や、生活に根ざした「人々のための建築」を目指した。その思想と創造の軌跡をたどりながら、建築が人々の暮らしにもたらす豊かさと未来への可能性を静かに問いかける。
公開日: 5月1日(金)
監督: Jan Schmidt-Garre (ヤン・シュミット=ガレ)
出演: Balkrishna Doshi、Sridhar Sarabhai (スリッド・サラバイ)、Surya Kakani (スーリヤ・カカニ)
HP: trenova.jp/coranddoshi
『幸せの、忘れもの。』
©2025. Distinto Films SLU, Nexus Creafilms SL, A Contracorriente Films SL, Diverso Films AIE
劇作家・社会学者としても活動する新鋭 Eva Libertad (エバ・リベルタ) 監督が、2021年に手がけ高く評価された短編映画『Sorda』をもとに制作したスペイン映画。聴こえない世界に生きる女性とその家族の物語を繊細な筆致で描いた。ろう者のアンヘラと彼女に優しく寄り添う夫エクトルは、手話というかけがえのない言葉で心を通わせている。陶芸工房で働くアンヘラは、心地よい土の匂いと気を許せる仲間たちに囲まれながら、静かで平穏な日々を過ごしていた。しかし、ある幸せな出来事をきっかけに、彼女の日常は少しずつ壊れはじめる。疎外感に揺れながら、聴こえない世界とその外側で見え隠れする「本当の幸せ」をつかまえようとするアンヘラだったが、静寂のなかで運命はゆっくりと軋みはじめる。ろう者の俳優で Eva Libertad 監督の実妹である Miriam Garlo (ミリアム・ガルロ) を主演に迎え、監督と妹自身の長年の実体験を反映させながら、ろう者と聴者とのわずかなすれ違いなどのそれぞれが抱く異なる疎外感を映し出す。繊細な感情が幾重にも重なる物語を、ぜひ劇場で見届けてみてほしい。
公開日: 5月1日(金)
監督: Eva Libertad
出演: Miriam Garlo、Alvaro Cervantes (アルバーロ・セルバンテス)、Elena Irureta (エレナ・イルレタ)
HP: shiawase-film.com
『トゥ・ランド』
©Hal Hartley / Possible Films, LLC
『トラスト・ミー』『シンプルメン』などでニューヨークのインディペンデントシーンを象徴する映画作家として知られる Hal Hartley (ハル・ハートリー) が、コロナ禍での制作中止を乗り越えて完成させた、11年ぶりとなる長編監督作品。隠遁状態だった映画監督が、余命わずかと勘違いされたことから起こる騒動を描くドタバタ喜劇が公開。58歳のジョー・フルトンは、かつてロマンチックコメディで人気を博した映画監督だが、今は半ば引退状態にあった。時間を持て余すのはよくないと考え、近所にある墓地管理人の仕事に応募する。一方、恋人でテレビ界のスターであるミュリエルは、ジョーが遺言書を作ろうとしていることを知り、彼が余命わずかで終活しているのだと早とちりしてしまう。その勘違いはたちまち周囲にも広まっていき、ジョーのアパートには友人や知人、さらには見知らぬ若者たちまでが押しかけてくる。Hal Hartley 監督自身を思わせる主人公ジョー・フルトン役を、『シンプルメン』で主人公兄弟の弟を演じた Bill Sage (ビル・セイジ) が務めた本作。そのほか、『ブラック・クランズマン』の Robert John Burke (ロバート・ジョン・バーク)、『トラスト・ミー』『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』の Edie Falco (イーディ・ファルコ) が共演する。奇跡と喜劇に満ちた日常を、軽やかなユーモアとともに描き出す。
公開日: 4月25日(土)
監督: Hal Hartley
出演: Bill Sage、Kim Taff (キム・タフ)、Katelyn Sparks (ケイトリン・スパークス)
HP: toland-movie.com
『オールド・オーク』
©Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023
イギリスの巨匠 Ken Loach (ケン・ローチ) が、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章として撮りあげたドラマ。監督と数々の名作でタッグを組んできた Paul Laverty (ポール・ラヴァティ) が脚本を手がけ、温かくもリアリズムあふれるまなざしで描き出す。イングランド北部にある炭鉱の町で、最後に残ったパブとして住民たちから親しまれる「オールド・オーク」。町が活気にあふれていた時代から約30年が過ぎ、現在は厳しい状況に陥っているが、店主のTJ・バランタインは試行錯誤しながら経営を維持していた。しかし町がシリア難民を受け入れはじめたことで、人々が安らぎを見いだす場所だったはずのパブが、居場所を争う場へと変貌してしまう。そんな店の先行きに頭を抱えていたTJは、カメラを携えたシリアの女性ヤラと出会い、思いがけず友情を育んでいく。主演には、パブの店主TJ役として、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』にも出演した Dave Turner (デイヴ・ターナー) が出演。分断と排斥が広がる現代に向けて放たれる Ken Loach 監督最後のメッセージを、劇場にて見届けてほしい。
公開日: 4月24日(金)
監督: Ken Loach
出演: Dave Turner、Ebla Mari (エブラ・マリ)、Claire Rodgerson (クレア・ロッジャーソン)
HP: oldoak-movie.com
『ARCO アルコ』
©2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA
気候変動が進んだ近未来を舞台に、時を超えて空から降ってきた少年と、荒廃した世界で生きる少女の出会いと冒険を描いたフランス発の長編アニメーション。本作が長編アニメーション初監督となる Ugo Bienvenu (ウーゴ・ビアンヴニュ) が5年の歳月をかけて制作し、どこか懐かしく温かい物語をあざやかな色彩で独創的に描き出す。気候変動により荒廃した2075年の世界。10歳の少女イリスは、不思議な虹色の物体が空から落ちてくるのを目撃する。それは、虹色の飛行スーツでタイムトラベルが可能になった未来から不時着した少年アルコだった。未来へ帰るための手がかりを求めるアルコと、現実に縛られたイリスは、虹色のスーツに秘められた謎を追いながら、未来へとつながる虹の道を探す旅に出る。しかし、謎の三つ子から追撃を受けてしまう。製作には、『レオン』や『ブラック・スワン』に出演した俳優 Natalie Portman (ナタリー・ポートマン) が名を連ねた。絶望の先にかすかに差し込む光と、時を超えて結ばれるふたりの絆。そのやさしい奇跡を、スクリーンで体感してほしい。
公開日: 4月24日(金)
監督: Ugo Bienvenu
出演: Oscar Tresanini (オスカー・トレサニーニ)、Margot Ringard Oldra (マーゴット・リンガード・オルドラ)、Alma Jodorowsky (アルマ・ホドロフスキー)
HP: arco-movie.jp
『悲しくて美しい世界 THIS IS SPARKLEHORSE』
オルタナティブロック全盛の1990年代半ばに活動を開始し、唯一無二の音楽性で多くの人々から愛されたアメリカのアーティスト「Sparklehorse (スパークルホース)」の中心人物 Mark Linkous (マーク・リンカス) の謎めいた生涯と音楽に迫ったドキュメンタリー。1995年にデビューアルバム「Vivadixiesubmarinetransmissionplot」をリリースし、その独創的なサウンドで欧米を中心に高く評価された Sparklehorse。レディオヘッドや R.E.M. のオープニングアクトにも抜擢され注目を集めたが、レディオヘッドとのヨーロッパツアー中、Mark Linkous がアルコールと薬物の過剰摂取により生死の境をさまよう事態に陥ってしまう。一命はとりとめたものの、その後遺症は人生に大きな影響を及ぼし、6枚目のアルバム制作中の2010年に彼は自ら命を絶った。本作は、Mark Linkous 本人の死の直前に収録されたインタビューと、生前に親交のあったミュージシャンたちや映画監督 David Lynch (デヴィッド・リンチ) らの証言を通して、その実存と音楽をひも解いていく。Mark Linkous の人生と音楽に迫るドキュメンタリーが、現代のスクリーンに映し出される。
公開日: 4月24日(金)
監督: Alex Crowton (アレックス・クロートン)、Bobby Dass (ボビー・ダス)
出演: Mark Linkous、David Lynch、Jonathan Donahue (ジョナサン・ドナヒュー)
HP: sparklehorse.brighthorse-film.com
『ツイッギー』
©Copyright Soho Talent Limited 2024 All Rights Reserved.
本作は、1960年代に世界中を虜にしたイギリスの伝説的モデル Twiggy (ツイッギー) の人生と魅力に迫ったドキュメンタリー。Twiggy 本人の言葉や貴重なアーカイブ映像、Brooke Shields (ブルック・シールズ)、Dustin Hoffman (ダスティン・ホフマン)、Paul McCartney (ポール・マッカートニー) などの彼女にゆかりのある人々へのインタビューなどを通して、ひとりの女性、そして母としての彼女の生き方を描き出す。1965年に16歳でデビューしたツイッギーは瞬く間にスターの階段を駆け上り、その愛称通り小枝のように華奢なスタイルと唯一無二のファッションセンスで、それまでの美の常識を覆した。若者を中心に流行したスウィンギング・ロンドンを象徴する存在となった彼女は、世界中でミニスカートブームを巻き起こすなどファッション界に革命をもたらした。その後は自分らしい表現を追い求めて俳優や歌手としても活躍し、1971年には Ken Russell (ケン・ラッセル) 監督のミュージカル映画『ボーイフレンド』で主演を務め大きな注目を集めた。そんな世界を虜にした伝説のモデルの人生を巡るドキュメンタリーが映し出される。監督は、ドキュメンタリー映画『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』などを手がけた俳優の Sadie Frost (サディ・フロスト)。ファッション界を変えた永遠のアイコン Twiggy の葛藤や選択を描いた本作を、ぜひチェックしてほしい。
公開日: 4月24日(金)
監督: Sadie Frost
出演: Twiggy、Brooke Shields、Dustin Hoffman
HP: unpfilm.com/twiggy
『LOST LAND ロストランド』
©2025 E.x.N K.K.
『僕の帰る場所』『海辺の彼女たち』で国内外から注目を集めてきた藤元明緒監督が、「世界で最も迫害されている民族のひとつ」と言われるロヒンギャの証言をもとに、故郷を追われた難民の幼い姉弟が家族との再会を求め命懸けで国境を越える姿を描いたロードムービー。容赦ない現実と幻想的な表現が入り混じる世界観で、難民たちの過酷な密航の旅路を子どもの視点から映し出す。難民キャンプで暮らす5歳のシャフィと9歳の姉ソミーラは家族との再会を願い、叔母とともに遠く離れたマレーシアへ向かう。パスポートを持つことができない彼らは密航業者に導かれるまま漁船に乗せられ、自然の猛威や警備隊による追跡、人身売買の危機に追い込まれながらも、過酷な道のりを必死に乗り越えていく。主演を務めたソミーラとシャフィの姉弟をはじめ、キャストには総勢200人を超えるロヒンギャたちを起用。故郷を追われた当事者である彼らの声とまなざしは、演技未経験ながらも映画の世界にリアリティを与えている。実話をもとに描かれるこの物語が、深い余韻とともに観る者の心を静かに揺さぶる。
公開日: 4月24日(金)
監督: Sadie Frost
出演: Twiggy、Brooke Shields、Dustin Hoffman
HP: www.lostland-movie.com
『これって生きてる?』
©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
『アリー スター誕生』『マエストロ その音楽と愛と』で俳優のみならず監督としても高く評価された Bradley Cooper (ブラッドリー・クーパー) 監督の長編第3作で、自身の友人の実話を題材に、リアルなニューヨークに生きる夫婦の愛と人生を繊細かつエモーショナルに描いた人間ドラマ。アレックスとテスの夫婦は2人の子どもにも恵まれ、順調な人生を歩んできた。しかし中年にさしかかり、これまで置き去りにしてきたそれぞれの夢が、ふたりの結婚生活を終わりへと向かわせる。失意のなか、ニューヨークの街で何気なく訪れたコメディクラブで偶然舞台に立ったアレックスは、夫婦の赤裸々な関係を笑いに変え、新しい生きがいを見出していく。『俺たちフィギュアスケーター』の Will Arnett (ウィル・アーネット) が主人公アレックス、『ワイルド・アット・ハート』の Laura Dern (ローラ・ダーン) が妻テスを演じ、『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』など俳優としても活躍する歌手 Andra Day (アンドラ・デイ) などが共演。冷めきった夫婦の危機を痛快に描いたこの愛と再生の物語を、ぜひ劇場にて見届けてほしい。
公開日: 4月17日(金)
監督: Bradley Cooper
出演: Will Arnett、Laura Dern、Andra Day
HP: www.searchlightpictures.jp/movies/isthisthingon
『海辺の恋』
©1965 Films Galilée
「忘れ去られたヌーベルバーグの名匠」として再評価が進む Guy Gilles (ギイ・ジル) 監督が1963年に発表した長編デビュー作。若者たちのはかない愛をつづった自伝的作品が日本にて公開される。夏の海辺で愛を確かめ合うジュヌヴィエーヴと水兵ダニエル。しかしバカンスが終わると、彼は港町ブレストへ、彼女はパリへと戻っていく。ふたりは再会を願い、手紙をつづり続けるが、そこにアルジェリア戦争から帰還したもう1人の水兵ギイが加わり、3人の思いは静かに交錯していく。主演の Daniel Moosmann (ダニエル・ムースマン)、Genevieve Thenier (ジュヌヴィエーヴ・テニエ) に加え、水兵ギイ役で Guy Gilles 監督が自ら出演。Jean-Pierre Leaud (ジャン=ピエール・レオ)、Jean-Claude Brialy (ジャン=クロード・ブリアリ) などの名優たちが脇を固めた。60年代のフランスから届いた、儚くも美しいロマンス映画が、現代のスクリーンに蘇る。
公開日: 4月18日(土)
監督: Guy Gilles
出演: Daniel Moosmann、Genevieve Thenier、Guy Gilles
HP: guy.crepuscule-films.com
『今日からぼくが村の映画館』
©Casablanca Cine 2019
南米ペルーの雄大なアンデス山脈に囲まれた小さな村を舞台に、映画に魅せられた少年の成長をつづったドラマ。本作が長編映画第2作となる Cesar Galindo (セサル・ガリンド) 監督がメガホンをとり、ペルーの教育制度の現実やアンデス高地地域の軽視、多文化国家における差別意識、内戦の傷跡といったテーマを温かい物語の中に描き出す。新学期を迎えた日、アンデスの小さな村に住む好奇心旺盛な少年シストゥは、風に運ばれてきた映画の広告を手にする。導かれるままに移動映画館にたどり着いた彼は、そこで初めて映画というものを知り、瞬く間にその物語に魅了される。この日を境に、シストゥは週に一度の語り部として、観た映画の内容を村人たちに伝えるようになる。ところがある日、移動映画館がこつ然と姿を消してしまい、事態は思わぬ方向へと転がっていく。主人公シストゥ役に抜擢された Víctor Acurio (ビクトル・アクリオ) をはじめ、キャストの多くに非職業俳優を起用。劇中ではペルーの公用語のひとつであるケチュア語が使用され、ケチュア語映画としてペルー映画史上最高の興行収入を記録した。これを機に、誰もが胸の奥にしまっている、映画と出会ったあの日の記憶をそっと呼び覚ます。
公開日: 4月17日(金)
監督: Cesar Galindo
出演: Víctor Acurio、Hermelinda Lujan (エルメリンダ・ルハン)、Melissa Alvarez (メリーサ・アルバレス)
HP: www.buenawayka.info/willaq
『ハムネット』
©2025 FOCUS FEATURES LLC.
「ノマドランド」の Chloe Zhao (クロエ・ジャオ) 監督が、シェイクスピアの名作戯曲「ハムレット」の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマ。北アイルランドの作家 Maggie O’Farrell (マギー・オファーレル) が2020年に発表し、英女性小説賞と全米批評家協会賞を受賞した同名小説を映画化した。舞台は、16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス・シェイクスピアは、作家としてロンドンで活動する夫ウィリアムが不在のため、3人の子どもたちと暮らしている。ペスト禍のなかで子どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、不運にも11歳の息子ハムネットが命を落とし、家族は深い悲しみに包まれる。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』の Jessie Buckley (ジェシー・バックリー) がアグネス、『aftersun アフターサン』のPaul Mescal (ポール・メスカル) がウィリアムを演じ、『奇跡の海』の Emily Watson (エミリー・ワトソン) が共演し、Steven Spielberg (スティーブン・スピルバーグ) と Sam Mendes (サム・メンデス) が製作に名を連ねた。不朽の名戯曲「ハムレット」がどのようにして誕生したのか、愛と悲劇を描く物語がスクリーンに放たれる。
公開日: 4月10日(金)
監督: Chloe Zhao
出演: Jessie Buckley、Paul Mescal、Emily Watson
HP: hamnet-movie.jp
『1975年のケルン・コンサート』
©Wolfgang Ennenbach / One Two Films
世界的ジャズピアニストの Keith Jarrett (キース・ジャレット) が1975年1月24日にドイツのケルン歌劇場で行ったコンサートの開催までの舞台裏を、当時18歳だった女性プロモーターを主人公に描いた音楽青春映画。ドイツ・ケルンに住む音楽好きの高校生ヴェラ・ブランデスは、厳格な父親への反抗心もあり、来独ミュージシャンのツアーをブッキングするアルバイトを始める。持ち前のバイタリティを発揮して仕事が軌道に乗り始めた頃、ベルリンのジャズ・フェスティバルに出向いた彼女は、アメリカの天才ピアニスト、キース・ジャレットの演奏に衝撃を受ける。キースのケルン公演を実現させようと決意した彼女は、幾多の困難を乗り越えてコンサート開催に漕ぎつけるが、当日、キースの希望していたピアノとは異なる種類のピアノが用意されるというトラブルが発生。開演時間が迫り、キースが演奏を拒否するなど、コンサート開催が危ぶまれる中、どのように乗り越えていくのか。ライブアルバムの名盤「ケルン・コンサート」としても知られる伝説的なコンサートが、開催中止寸前のトラブルに見舞われるも、弱冠18歳の女性プロモーターの機転と行動力で実現したという、知る人ぞ知る実話を史実に基づき映画化。ドイツの新鋭 Mala Emde (マラ・エムデ) がヴェラ役を演じ、キース・ジャレット役を『ファースト・カウ』『パスト ライブス 再会』などで知られる John Magaro (ジョン・マガロ) が演じた。ひとつの伝説が生まれる瞬間を、臨場感とユーモアを交えつつ映し出す。
公開日: 4月10日(金)
監督: Ido Fluk (イド・フルーク)
出演: Mala Emde、John Magaro、Alexander Scheer
HP: www.zaziefilms.com/koln75
『ヴィットリア 抱きしめて』
©2024 Zoe Films, Sacher Film, Scarabeo Entertainment, Ladoc
『カリフォルニエ』の Alessandro Cassigoli (アレッサンドロ・カッシゴリ) と Casey Kauffman (ケイシー・カウフマン) が監督・脚本を手がけた本作は、養子縁組を通して家族同士の複雑な関係性や倫理観を描いたイタリア発のヒューマンドラマ。ナポリでヘアサロンを営みながら、夫や3人の息子たちと暮らすジャスミン。家族仲は円満で仕事も充実しているが、自分の人生に足りない何かを感じていた。父を亡くした後、ジャスミンは見知らぬ少女の夢をたびたび見るようになる。夢の中で自分の腕に飛び込んでくる少女に会いたいと強く望む彼女は養子縁組を行うことを決意するが、家族から理解を得られず家庭内がぎくしゃくしてしまう。『カリフォルニエ』にも出演した Marilena Amato (マリレーナ・アマート) が主演を務め、製作にはイタリアの名匠 Nanni Moretti (ナンニ・モレッティ) が名を連ねた。思いもよらない決断が家族の心を大きく揺さぶり、観る者に愛とは何かを問いかける。
公開日: 4月10日(金)
監督: Alessandro Cassigoli、Casey Kauffman
出演: Marilena Amato、Gennaro Scarica (ジェンナーロ・スカーリカ) 、Vincenzo Scarica (ヴィンチェンツォ・スカリーカ)
HP: cinema.starcat.co.jp/vittoria










