今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
5/2026
『スマッシング・マシーン』
©2025 Real Hero Rights LLC
日本中を熱狂させた総合格闘技の祭典「PRIDE (プライド)」の創成期に活躍した格闘家 Mark Kerr (マーク・ケアー) の知られざる軌跡を、プロレスラーのザ・ロックとしても知られる俳優 Dwayne Johnson (ドウェイン・ジョンソン) が主演・製作を務めて映画化。『アンカット・ダイヤモンド』など、兄である Josh Safdie (ジョシュ・サフディ) との共同監督作で高く評価されてきた Benny Safdie (ベニー・サフディ) が長編単独初監督を務めた。1997年に総合格闘技デビューし、無敗のまま頂点へとのぼりつめた マーク・ケアー。UFCでの連覇を経て日本の PRIDE でも快進撃を見せた彼は、「霊長類ヒト科最強の男」の異名で恐れられる存在となるが、その重圧は彼の心を静かに蝕んでいた。マーク・ケアー は徐々に鎮痛剤への依存を深め、恋人ドーンとの関係も悪化していく。やがて初めての敗北を経験した彼は、ついに自らの弱さと向き合い、人生の再起をかけてもう一度リングに立つことを決意する。本作は、2002年の同名ドキュメンタリーに感銘を受けた Dwayne Johnson が自ら映画化権獲得に動き、屈強な男にのぞく繊細な一面を丁寧に演じた。ケアーの恋人ドーンを Emily Blunt (エミリー・ブラント) が演じ、日本からも大沢たかお、石井慧、光浦靖子、布袋寅泰が出演。人間が持つ「脆さと再生力」を描く、知られざる真実の物語がスクリーンに映し出される。
公開日: 5月15日(金)
監督: Benny Safdie
出演: Dwayne Johnson、Emily Blunt、Ryan Bader (ライアン・ベイダー)
HP: happinet-phantom.com/a24/smashingmachine
『ボタニスト 植物を愛する少年』
©2025 MONOLOGUE FILMS ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms
新疆ウイグル自治区の辺境の村を舞台に、植物と対話する少年の成長を詩的な映像美でつづったドラマ。新疆ウイグル自治区出身の Jing Yi (ジン・イー) 監督が長編映画を初めて手がけ、自身の幼少期の記憶を出発点に、マジカルリアリズムを織り交ぜた独自の映像世界で描き出す。新疆北部の草原地帯にある小さな村。祖母と暮らすカザフ族の少年アルシンは、植物を観察し記録することに多くの時間を費やしており、周囲からは「植物学者 (ボタニスト) 」と呼ばれている。彼にとって植物は単なる自然ではなく、失踪した叔父に教わった世界観そのものだった。ある日、漢民族の少女メイユーが村にやって来る。明るく自由な彼女の存在はアルシンの静かな日常に変化をもたらすが、やがてメイユーは上海へ引っ越すことになり、アルシンは再び孤独と向き合うことになる。現実と幻想が交錯していくなか、アルシンは自分が何を探しているのかを少しずつ知りはじめていく。本作は、主人公アルシン役の Yesl Jahseleh (イェスル・ジャセレフ) をはじめ、キャストには演技経験のない素人俳優たちを起用。少年の心を繊細に映し出す本作品。雄大な自然美と詩的な映像と響き合う音楽が、観る者を静かな感動へと誘う。
公開日: 5月15日(金)
監督: Jing Yi
出演: Yesl Jahseleh、Ren Zihan (レン・ズーハン)、Jalen Nurdaolet (ジャレン・ヌルダオレット)
HP: www.reallylikefilms.com/botanist
『ザ・コラール 希望を紡ぐ歌』
©GERONTIUS PRODUCTIONS LIMITED 2025
世界的演出家でもある『英国万歳!』の Nicholas Hytner (ニコラス・ハイトナー) が監督を務め、『教皇選挙』の Ralph Fiennes (レイフ・ファインズ) を主演に迎えた本作。戦争により存続危機にある合唱団が、前代未聞の試みによって新たな希望を見いだしていくさまを描いたヒューマンドラマ。第1次世界大戦下のイギリス北部ヨークシャー。徴兵で多くの団員を失い、存続の危機にあった合唱団が、若者や町の人々を迎え入れ、再び歩み出そうとしていた。そんな合唱団の指揮者に、敵国ドイツで活動していた医師ヘンリー・ガスリーが選ばれる。偏見と不信を背負いながら、彼は退役軍人、売春婦、敬虔なボランティア、徴兵を控えた少年たちなどの寄せ集めの団員たちと向き合い、失われたつながりや希望を取り戻していく。やがて彼らは、前代未聞の挑戦に乗り出す。しかし再び徴兵通知が届き始め、ようやく芽生えた平穏は、戦争の影にのみ込まれていく。合唱団の指揮者を務めることになる医師ヘンリー・ガスリーを Ralph Fiennes が演じ、厳格だが偏屈な男の複雑な内面を体現。そのほか、Roger Allam (ロジャー・アラム) や Mark Addy (マーク・アディ) などイギリスの実力派キャストが共演した。音楽を通して希望を紡いでいく人々の姿を描いた悲喜劇が、スクリーンに放たれる。
公開日: 5月15日(金)
監督: Nicholas Hytner
出演: Ralph Fiennes、Roger Allam、Mark Addy
HP: longride.jp/choral
『廃用身』
©2025 N.R.E.
現役医師の作家・久坂部羊が2003年に発表した同名デビュー小説を、染谷将太が主演を務めて映画化したヒューマンサスペンス。監督・脚本は『家族X』『三つの光』などで国内外から注目を集めてきた𠮷田光希が務めた。デイケア施設「異人坂クリニック」に通う高齢者の間では、院長の漆原糾が考案した画期的な治療が密かに広まっていた。コストパフォーマンスに優れた介護を目指すその医療行為は、麻痺などにより回復見込みがない手足のことを意味する「廃用身」をめぐるもので、「身体も心も軽くなった」「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の好ましい副作用が現れたという。噂を聞きつけた編集者の矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ、漆原に本の出版を打診する。しかし、デイケアに関する内部告発が週刊誌に流出し、さらに患者宅で衝撃的な事件が起こったことで、すべてが暗転していく。理想を追い求めるあまり合理性と狂気の狭間へと踏み込んでいく医師・漆原を染谷将太が怪演し、編集者・矢倉を北村有起哉、漆原の治療で人生を取り戻した高齢者・岩上を六平直政、漆原の妻・菊子を瀧内公美が演じる。理想と狂気の境界が揺らいでいく先に待ち受ける衝撃の結末を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日: 5月15日(金)
監督: 𠮷田光希
出演: 染谷将太、北村有起哉、瀧内公美
HP: haiyoshin.com
『ママと神さまとシルヴィ・バルタン』
©2024 GAUMONT – EGÉRIE PRODUCTIONS – 9492-2663 QUÉBEC INC.
(FILIALE DE CHRISTAL FILMS PRODUCTIONS INC.) – AMAZON MGM STUDIO
内反足を抱える少年が、パワフルな母の愛と大好きな Sylvie Vartan (シルヴィ・バルタン) の歌の力で奇跡へと導かれていく姿を実話をもとに描き、フランスでロングランヒットを記録したヒューマンドラマ。1963年のパリにて、生まれつきの内反足である6人兄弟の末っ子であるロランは、ひとりで歩くことはできないと医師から宣告されてしまう。しかしポジティブな母エステルは決して希望を捨てず、家族や周囲の人々を巻き込みながら治療法を求めて奔走する。長く孤独な治療の間、ロランの心を鮮やかに救ってくれたのは、絶大な人気を誇る歌手シルヴィ・バルタンの歌声だった。母・エステルを『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』の Leila Bekhti (レイラ・ベクティ)、大人になった息子ロランをコメディ俳優の Jonathan Cohen (ジョナタン・コエン) が演じ、『バルバラ セーヌの黒いバラ』の Jeanne Balibar (ジャンヌ・バリバール)、『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』の Joséphine Japy (ジョセフィーヌ・ジャピ) が共演。さらに、主人公ロランの「生涯のアイドル」である Sylvie Vartan が本人役で登場し、歌声も披露する。監督・脚本は、『人生、ブラボー!』『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』の Ken Scott (ケン・スコット)。生きる力をまっすぐに描き出した、母の愛と音楽の温もりに心満たされる感動作を、ぜひチェックしてみて。
公開日: 5月15日(金)
監督: Ken Scott
出演: Leila Bekhti、Jonathan Cohen、Jeanne Balibar
HP: klockworx.com/mamakami_movie
『未来』
©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社
ベストセラー作家・湊かなえの集大成と評された同名小説を、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久監督が映画化したミステリードラマ。複雑な家庭環境で育ちながらも、祖母の期待に応えて教師になる夢をかなえた篠宮真唯子。ある日、彼女の教え子である佐伯章子のもとに、「20年後のわたし」と名乗る人物から手紙が届く。半信半疑のまま返事を書くことで、父を亡くした悲しみや心を閉ざした母との孤独な日々に耐える章子だったが、母の恋人からの暴力や、いじめ、そして信じがたい事実が彼女を追い詰めていく。深い絶望のなか、章子は唯一の友人である亜里沙と「親を殺す」という禁断の計画を企てる。そんな章子を救おうとする真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながらも手を差し伸べる。複雑な過去を抱えながらも子どもたちに寄り添おうとする教師・真唯子を黒島結菜、過酷な現実のなかで懸命に生きる少女・章子を山﨑七海、章子の両親・良太と文乃を松坂桃李と北川景子がそれぞれ演じた。人の善意と悪意が交錯するなかで、かすかな希望の在処を問いかける物語を、劇場にて見届けてほしい。
公開日: 5月8日(金)
監督: 瀬々敬久
出演: 黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰
HP: mirai-movie.jp
『シンプル・アクシデント/偶然』
©LesFilmsPelleas
イランの巨匠 Jafar Panahi (ジャファル・パナヒ) が手がけ、不当に刑務所に投獄された人々が復讐を試みる姿を、スリリングかつユーモラスに描いたサスペンススリラー。かつて不当な理由で投獄されたワヒドは、自分を拷問した看守と思われる男と偶然出会う。咄嗟に強引な手段で男を拘束し、穴を掘って男を埋めようとするワヒドだったが、男のIDカードを見ると復讐すべき相手と名前が違っていた。投獄中、目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。男は本当に復讐の相手なのか。確信が持てなくなったワヒドは、ひとまず復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることに。『チャドルと生きる』『熊は、いない』でベネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞している Jafar Panahi 監督は、本作でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞したことから、3大映画祭すべてで最高賞を受賞する快挙を成し遂げた。監督自身が二度にわたって投獄された経験と、同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て製作された本作が、フィクションの枠を超え、現実の緊張感と切実さを鋭く映し出す。
公開日: 5月8日(金)
監督: Jafar Panahi
出演: Vahid Mobasseri (ワヒド・モバシェリ)、Mariam Afshari (マルヤム・アフシャリ)、Ebrahim Azizi (エブラヒム・アジジ)
HP: simpleaccident.com
『霧のごとく』
©2025 Mandarin Vision Co,, Ltd. All Rights Reserved.
『1秒先の彼女』『熱帯魚』などで知られる台湾の Chen Yu-Hsun (チェン・ユーシュン) 監督が、1950年代の台湾で多くの市民が反政府の疑いをかけられ逮捕・処刑された『白色テロ』の時代を背景に描いた希望と再生の物語。1950年代、戒厳令下の台湾。嘉義で暮らす少女・阿月 (アグエー) は、反政府分子として捕らえられた兄が台北で処刑されたことを知る。わずかな金と兄の形見の時計を手にひとり台北へ向かう阿月だったが、兄の遺体を引き取るには高額な手数料が必要だった。途方に暮れていたところを怪しい男に騙され、遊郭に売り飛ばされそうになった彼女は、人力車の車夫・趙公道 (ザオ・ゴンダオ) に助けられる。中国・広東出身の彼は、国民党軍の兵士として台湾に渡って以来、故郷へ帰ることもかなわず、その日暮らしの生活を送っていた。白色テロで軍の仲間を失い人生に行き場を見いだせずにいた公道は、阿月の思いに心を動かされ、手を差し伸べることを決意する。『アメリカから来た少女』の Caitlin Fang (ケイトリン・ファン) が阿月、『香港の流れ者たち』の Will Or (ウィル・オー) が趙公道を演じ、台湾の人気歌手で俳優としても活躍する 9m88 (ジョウエムバーバー) が共演。切実な時代を背景に、喪失と痛みを抱えた者たちが寄り添いながら一歩を踏み出す姿が、静かな余韻とともにスクリーンに放たれる。
公開日: 5月8日(金)
監督: Chen Yu-Hsun
出演: Caitlin Fang、Will Or、9m88
HP: www.afoggytale.com
『旅立ちのラストダンス』
©2024 Emperor Film Production Company Limited ALL RIGHTS RESERVED
『Mr.Boo!』シリーズで日本でも人気を集めた香港の喜劇王 Michael Hui (マイケル・ホイ) と、香港を代表するコメディアンで『毒舌弁護人 正義への戦い』など俳優としても活躍する Dayo Wong (ダヨ・ウォン) が32年ぶりに共演を果たし、香港映画歴代興行収入第1位を塗り替える大ヒットを記録したヒューマンドラマ。香港の葬儀業界を舞台に、「家族」「伝統」「死生観」といった普遍的なテーマを丁寧に描き出す。ウエディングプランナーのトウサンはコロナ禍で多額の負債を抱え、やむを得ず葬儀業者に転職するが、結婚式と葬式は大きく異なり、さまざまな困難に直面してしまう。利益を追求したいトウサンに対し、ともに葬儀を取り仕切る厳格な道士・マン師匠は伝統を重んじており、2人は絶えず衝突する。しかしマン師匠やその娘マンユッと関わるうちに、マン師匠に対するトウサンのわだかまりは少しずつ消えていく。やがてトウサンは、マン師匠が葬儀で行う道教の伝統的な儀式「破地獄」の真の意味に気づきはじめる。葬儀業者トウサンをDayo Wong、マン道士を Michael Hui が演じ、監督は、脚本家出身で本作が長編監督第3作となる Anselm Chan (アンセルム・チャン) が手がけた。「他者を助けることで自分も救われる」というテーマを掲げ、圧倒的なリアリティの中で、生と死、そして人と人との絆のあり方を静かに浮かび上がらせる。
公開日: 5月8日(金)
監督: Anselm Chan
出演: Dayo Wong、Michael Hui、Michelle Wai (ミシェル・ワイ)
HP: lastdance-movie.com











