今週のTFP的おすすめ展覧会
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おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
5/2026
「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」
《クリスティーナ・オルソン》1947年 テンペラ、パネル 83.8×63.5cm マイロン・クニン・コレクショ
ン、ミネアポリス Myron Kunin Collection of American Art, Minneapolis, MN photo: Curtis Galleries,
Inc.
©2026 Wyeth Foundation for American Art / ARS, New York / JASPAR, Tokyo
アメリカンリアリズムを代表する国民的画家、Andrew Wyeth (アンドリュー・ワイエス)。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといったアート表現から距離を置き、身近な人々と風景を詩情豊かに描いてきた。本展は、そんな同氏の没後初めてとなる、国内待望の回顧展だ。生と死、画家自身の精神世界と外の世界を結ぶモチーフ「境界」に着目し、Andrew Wyeth の精神世界をつまびらかにしていく。会場には、寒々しい草原を描いた「冬の野」(1942年) をはじめ、冬景色を表現した「冷却小屋」(1953年)、窓越しのヨットを描写した「乗船の一行」(1982年) など、日本初公開となる作品が多数展示される。東京都美術館開館100周年を記念した特別展。日本でも不動の人気を誇る Andrew Wyeth のエッセンスを紐解いてみてはいかが。
会場: 東京都美術館
住所: 東京都台東区上野公園8−36
会期: 4月28日(火)〜7月5日(日)
時間: 9:30-17:30 *金曜日は20:00まで (入室は閉室の30分前まで)
休館日: 月
観覧料: 一般 ¥2,300、大学・専門学生 ¥1,300、65歳以上 ¥1,600、18歳以下、高校生無料
HP: wyeth2026.jp
高橋恭司 「アアルトと自然」
写真家・高橋恭司による本展は、フィンランドの建築家 Alvar Aalto (アルヴァー・アアルト) の建築と、その周囲に広がる風景に眼差しを向けた写真展。今回展示される写真群は、2001年に建築雑誌『HOME』の依頼を受けて制作されたもので、全て8×10で撮影。展示されるプリントは、いずれも当時作家本人が暗室で制作されたものとなる。1990年代という激動の時代を駆け抜け、、第一線で活躍してきた高橋。そうした時代の節目に生まれた本作には、静謐でありつつもどこか緊張感を孕んだ視線が宿っている。巨匠 Alvar Aalto の建築と時代の気配を鋭敏に捉えた高橋の視点をぜひ、本展で確かめてほしい。
会場: スタジオ35分
住所: 東京都中野区上高田5-47-8
会期: 5月13日〜6月20日(土)
時間: 16:00-22:00
休廊日: 月、火、日
HP: 35fn.com
「SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体」
森万里子
Peace Crystal Model, 2016-24, Acrylic, metal base, 13.8 x 13.8 x 11.6 cm
本展は、キュレーター・飯田高誉の企画による気候変動やテクノロジーの特異点を経た「50年後の未来 (2076年)」という視座から、現代を遡及的に審問する思想的実験場となっている。フランスの哲学者、Jacques Derrida (ジャック・デリダ) が提唱した「憑存在 (ハントロジー)」における過去の記憶や、失われた未来の多義性を探求する。参加するのは、音楽家・池田謙をはじめ、日本を代表するアーティスト・森万里子、現代アーティスト・山田晋也、彫刻家・名和晃平、ヴィジュアルアーティスト・牧田愛、AI を用いるアーティスト・草野絵美、油彩画家・熊谷亜莉沙といった名だたる表現者たち。それぞれのまなざしから50年後の世界を描いた作品が一堂に会する。7人の作家が半世紀後の未来から現在を照らし出す、実存的なアート体験。この思想的で美しいドキュメントを、ぜひ体感してみてほしい。
会場: GYRE GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
会期: 5月22日(金)〜7月12日(金)
時間: 11:00-20:00
HP: gyre-omotesando.com
シアスター・ゲイツ「Glorious Robe」
Theaster Gates (シアスター・ゲイツ) は、彫刻や音楽、パフォーマンスなど多様な領域にまたがるアプローチを展開し、ブラック・カルチャーに着目した制作を続けてきた。「Glorious Robe」展では、芸術的な実践として協同を重ねてきた Theaster Gates と HOSOO による新たな作品群が一堂に紹介される。展示の核となるのは、アフリカの伝統的な衣装「ダシキ」と日本の「着物」という異なる文化的衣装から派生した「Dashikimono」と呼ばれる作品だ。さらに、黒人解放運動の歴史が西陣織の帯に織り込まれたシリーズ作品「obi」も、本展の重要なハイライトとして見逃せない。また会場では、両者の出会いのきっかけとなった「アフロ民藝」展 (2024) に出品された「Banner」および「Kimono」の再制作・再展示も行われる。歴史的遺産に新たな価値を吹き込む、実践的な試み。近くを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてほしい。
会場: HOSOO GALLERY
住所: 京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F
会期: 4月11日(土)〜8月30日(日)
時間: 10:30–18:00
HP: www.hosoogallery.jp
伊藤翼「たゆたっている」
福島県で生まれ、現在は東京を拠点に活動する写真家・伊藤翼。初の個展である「たゆたっている」では、写真を撮るという作為の中で、ふと立ち現れる無作為を丁寧に切り取った作品群が展示される。意図せず生まれる、穏やかな空気や滲んでいく光の色。どこにも留まることなく揺れ続ける瞬間を、写真作品として定着させた。伊藤が引き込まれ、そして惹かれるものとは何か。次世代を担う新生作家の眼差しが捉えたものを、ぜひ会場で見届けてほしい。
会場: 229gallery gallery2
住所: 東京都台東区台東4-24-2
会期: 5月23日(土)~6月14日(日) *5月26日(火)、6月8日(月)、6月9日(火)は休廊日の可能性あり
時間: 平日 12:00-19:00
土日祝 12:00-20:00
観覧料: ワンドリンク制
HP: www.instagram.com/tsubasaito
奥山由之 「photographs」
映画や写真、様々なアートフォームを横断して活躍する奥山由之。本展は、「flowers」(2021)、「windows」(2023)に続く三部作の集大成となるエキシビション。かつて祖父母や父が暮らしていた家で発見された、100冊を超える家族アルバムをもとに制作した作品28点が紹介される。家族の記録を眺めるうちに、そこに写る先代から継承されている生命の連続性や、倫理的規範について奥山が思考を巡らせ、体現した本作。元のアルバムに写っている人物をあえて光として描くことで、その余白は鑑賞者の想像を掻き立て、私的な家族写真であったものを、見る者それぞれのアルバムに再構築させている。まばゆい光の中に浮かび上がる大切な存在を通して、自分と他者の距離感、そして「個」の存在について見つめ直す機会を与えてくれるはず。
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
住所: 東京都港区六本木5丁目17−1 AXISビル 2F
会期: 5月15日(金)〜6月13日(土)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日、月、祝日
HP: www.takaishiigallery.com
遠藤文香「Pneuma」「Kanoko」
©︎ayakaendo
写真家・遠藤文香が2つの写真集『Pneuma』、『Kanoko』を携え、都内4会場にて個展を開催する。古代ギリシャ語で「気息」や「霊魂」を指す「Pneuma」展では、岩手県・遠野を舞台に、本来の姿のまま自由に生きる馬たちを捉えた作品群を展示。遠藤は、言語化される以前の原始的な感覚を頼りにシャッターを切り、遠野の雄大な自然に宿る生命の気配を、彼女ならではの視点で描き出している。一方、個展「Kanoko」で展示されるのは、小説家・岡本かの子の代表作『鮨』(1939年) に、遠藤の写真作品を加えて再構築した書物の収録作品。写真が重なることで、小説に刻まれた言葉や情景が“いま“という時間をともなって立ち上がり、作品世界に新たな奥行きをもたらしている。境界を揺さぶるような強い気配を帯びた写真群は、岡本かの子が描いた生の感覚とも静かに共鳴する。幻視的な視点で独自の世界を構築する、遠藤文香の2つの個展。その圧倒的な感性に、ぜひその肌で触れてみてほしい。
展覧会名: (1)「Pneuma」
(2)「Kanoko」
会場: (1)nonlecture、代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店
(2)POETIC SCAPE
住所: (1)東京都渋谷区宇田川町16-9 渋谷 ZERO GATE
(2)東京都目黒区中目黒4丁目4−10 1F
時間: (1)11:00-21:00
(2)13:00-19:00
休廊日: (1)月、火、水
(2)月、火、祝日
HP: (1)nonlecture.jp
(2)poetic-scape.com
池田亮司「sleeping beauty」
©︎Ryoji Ikeda Courtesy of TARO NASU
聴覚と視覚の領域を横断しながらアートの可能性を押し広げているアーティスト・池田亮司。本展では、2022年に発表した「data.gram」をアップグレードさせた最新映像作品「data.graph」のほか、平面作品「sleeping beauty」を中心に新作を展示。ひとつの数列を起点に構築される本シリーズは、鑑賞者を宇宙規模のスケールへと誘い、世界の巨大さや畏怖の感覚を呼び起こす作品群。そのほか、映像作品を含む約18点の作品が会場に並ぶ。映像という仮想世界と平面作品の境界を往来する、作家の最新の思考を具現化した空間を提示するエキシビション。音とイメージが立ち上げる唯一無二の世界を、ぜひその目で目撃してほしい。
会場: TARO NASU
住所: 東京都港区六本木6丁目6−9 ピラミデビル4F
会期: 5月9日(土)〜6月6日(土)
時間: 11:00-19:00
HP: www.taronasugallery
「田中信太郎――意味から遠く離れて」
田中信太郎 「風景は垂直にやってくる」 1985年 日立市郷土博物館 撮影:田村融市郎
戦後の前衛美術を切り拓いた一人、美術家・田中信太郎 (1940-2019)。視ることを起点に幾度も作風を変え、美術の本質を探求し続けていた。同氏の回顧展となるエキシビションでは、国内未発表の絵画作品から、晩年に取り組んでいた平面作品、そして亡くなるまで継続して製作した金属によるドローイングまで、アトリエに遺された作品を中心に40点弱で構成。さらに、1960年代から70年代にかけて、世田谷の祖師ヶ谷にアトリエを構えていた時の作品図面や資料も公開される。日本の前衛美術を語るうえで欠かせない重要な作家にもかかわらず、個展が開催されることが少なかった田中信太郎。この貴重な機会を通して、同氏が築き上げた壮大な作品群を振り返ってみてはいかがだろうか。
会場: 世田谷美術館
住所: 東京都世田谷区砧公園1−2
会期: 4月25日(土)~6月28日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 月
観覧料: 一般 ¥1,400 (¥1,200)、65歳以上 ¥1,200 (¥1,000)、大高生 ¥800 (¥600)、中小生 ¥500 (¥300)、未就学児は無料
*()内は20名以上の団体料金
HP: www.setagayaartmuseum.or.jp
濱田英明「Haru and Mina」
写真家・濱田英明による本展「Haru and Mina」では、彼が写真家を志すきっかけとなった、自身の息子たちを撮影したシリーズの最新版を展示。2009年7月から2020年4月までの約11年間に記録された8000点余りから、厳選した作品を紹介する。それらがもたらすのは、心の奥に眠る不思議な感覚。鑑賞者は作品を通じ、自身の脳裏に刻まれた遠い日々を心地よく思い返すことになるはずだ。写真が呼び起こす記憶と時間の感覚を、ぜひ会場で体感してほしい。
会場: The Book End
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302
会期: 5月14日(木)〜6月8日(月)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 火、水
HP: the-book-end.com
「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS」
CHANEL (シャネル) が日本の映画界を牽引する是枝裕和監督とともに、次世代の映画監督の輩出を支援するためのプログラム「CHANEL AND CINEMA – TOKYO LIGHTS (シャネル アンド シネマ – トウキョウ ライツ) 」。本プログラムを通して制作された、珠玉のショートフィルムが「CINEMA WEEKS」として公開される。ラインナップには、気鋭の才能が集結した。首藤凜監督による『親切がやって来る』では、出口夏希、筒井真理子といった実力派俳優が共演。田中さくら監督がメガホンをとった『夜明け』では、姉妹ふたり暮らしの最後の朝が切り取られている。古川葵監督の『夕べの訪問者』は、一人の弁護士にフォーカスした緊迫の密室劇だ。CHANEL と是枝監督のサポートのもと制作されたこれら3作品は、今後パリでの上映も予定。新鋭の実力派たちが手掛けた作品をいち早く堪能できるこの機会、ぜひお見逃しなく。
会場: シャネル・ネクサス・ホール
住所: 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
会期: 4月24日(金)〜5月24日(日)
時間: 12:00-19:30
入場料: 無料 (予約優先) *予約はシャネルの LINE ミニアプリから
HP: www.chanel.com
「ジェフリー・バワ展 ートロピカル・モダニズムの家具ー」
「トロピカル・モダニズム」の父である建築家、Geoffrey Bawa (ジェフリー・バワ)。近年世界的な再評価が進む巨匠が遺した家具に焦点を当てた企画展が、神戸の Vague Archives (ヴァーグ・アーカイブス) にて開催される。本展では、Geoffrey Bawa 財団およびアトリエに残された図面、スケッチ、プロトタイプをもとに、インド・バンガロールの家具制作工房 Phantom Hands (ファントム・ハンズ) が手掛け、再構築した作品が会場を飾る。また、財団が所蔵する貴重なアーカイブ資料も展示され、Bawa が追求した空間思想と家具との関係性を紐解いていく。会期中には、Phantom Hands が手掛ける復刻家具の受注販売も実施されるほか、世界初公開となる照明の展示・販売も数量限定にて販売される。これまで語られることの少なかった Geoffrey Bawa の家具を通して、そのデザイン理念とスリランカの歴史的背景の解像度を高めてみてはいかが。
会場: Vague Archives
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通9番2号 チャータードビル3階
会期: 5月2日(土)〜5月11日(月)
時間: 11:30-18:00
休廊日: 5月5日(火)〜5月7日(木)
HP: shop-vague.com
ウルス・フィッシャー「間違い探し Machigai Sagashi」
Mirror, 2026
Two Urs figures: Paraffin wax,
microcrystalline wax, pigment, stainless
steel, and wicks
Each: 86 7/8 x 35 x 24 3/8 inches
(220.6 x 88.8 x 61.9 cm)
Edition 1 of 2, with 1 AP FIS-0002
スイス出身の Urs Fischer (ウルス・フィッシャー) は、ユーモアと哲学的な問いを介在させ、既存の美術の枠組みへ問いかける現代アーティストである。そんな彼の日本初個展では、「間違い探し」の遊びに由来する展覧会タイトルのもと、時代を超える実存的なテーマに光を当てる。展示されるのは、蝋によって形作られ、やがて溶解していく作品や、ブロンズに鋳造され恒久的なものとして提示される作品。ハイカルチャーとキッチュ、永続性と一時性、精神と身体、真実と欺瞞といった二項対立を探求する制作を通して、その実践が既成概念を軽やかに裏切り、現代美術のジャンルをアップデートし続けてきた軌跡を紹介する。さらに本展は、ギャラリーの建築的構造を中心に構想されている。メインギャラリーと未完成の地下空間。その対比的な空間の関係に注目することで、鑑賞者は意識と無意識の深淵へと誘われることになるだろう。
会場: ファーガス・マカフリー東京
住所: 東京都港区北青山3-5-9 ファーガス・マカフリー東京
会期: 4月11日(土)〜7月4日(土)
時間: 11:00-19:00
休館日: 日、月、祝日
HP: fergusmccaffrey.com











