今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP的
おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
5/2026
遠藤文香「Pneuma」「Kanoko」
©︎ayakaendo
写真家・遠藤文香が2つの写真集『Pneuma』、『Kanoko』を携え、都内4会場にて個展を開催する。古代ギリシャ語で「気息」や「霊魂」を指す「Pneuma」展では、岩手県・遠野を舞台に、本来の姿のまま自由に生きる馬たちを捉えた作品群を展示。遠藤は、言語化される以前の原始的な感覚を頼りにシャッターを切り、遠野の雄大な自然に宿る生命の気配を、彼女ならではの視点で描き出している。一方、個展「Kanoko」で展示されるのは、小説家・岡本かの子の代表作『鮨』(1939年) に、遠藤の写真作品を加えて再構築した書物の収録作品。写真が重なることで、小説に刻まれた言葉や情景が“いま“という時間をともなって立ち上がり、作品世界に新たな奥行きをもたらしている。境界を揺さぶるような強い気配を帯びた写真群は、岡本かの子が描いた生の感覚とも静かに共鳴する。幻視的な視点で独自の世界を構築する、遠藤文香の2つの個展。その圧倒的な感性に、ぜひその肌で触れてみてほしい。
展覧会名: (1)「Pneuma」
(2)「Kanoko」
会場: (1)nonlecture、代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店
(2)POETIC SCAPE
住所: (1)東京都渋谷区宇田川町16-9 渋谷 ZERO GATE
(2)東京都目黒区中目黒4丁目4−10 1F
時間: (1)11:00-21:00
(2)13:00-19:00
休廊日: (1)月、火、水
(2)月、火、祝日
HP: (1)nonlecture.jp
(2)poetic-scape.com
池田亮司「sleeping beauty」
©︎Ryoji Ikeda Courtesy of TARO NASU
聴覚と視覚の領域を横断しながらアートの可能性を押し広げているアーティスト・池田亮司。本展では、2022年に発表した「data.gram」をアップグレードさせた最新映像作品「data.graph」のほか、平面作品「sleeping beauty」を中心に新作を展示。ひとつの数列を起点に構築される本シリーズは、鑑賞者を宇宙規模のスケールへと誘い、世界の巨大さや畏怖の感覚を呼び起こす作品群。そのほか、映像作品を含む約18点の作品が会場に並ぶ。映像という仮想世界と平面作品の境界を往来する、作家の最新の思考を具現化した空間を提示するエキシビション。音とイメージが立ち上げる唯一無二の世界を、ぜひその目で目撃してほしい。
会場: TARO NASU
住所: 東京都港区六本木6丁目6−9 ピラミデビル4F
会期: 5月9日(土)〜6月6日(土)
時間: 11:00-19:00
HP: www.taronasugallery
「田中信太郎――意味から遠く離れて」
田中信太郎 「風景は垂直にやってくる」 1985年 日立市郷土博物館 撮影:田村融市郎
戦後の前衛美術を切り拓いた一人、美術家・田中信太郎 (1940-2019)。視ることを起点に幾度も作風を変え、美術の本質を探求し続けていた。同氏の回顧展となるエキシビションでは、国内未発表の絵画作品から、晩年に取り組んでいた平面作品、そして亡くなるまで継続して製作した金属によるドローイングまで、アトリエに遺された作品を中心に40点弱で構成。さらに、1960年代から70年代にかけて、世田谷の祖師ヶ谷にアトリエを構えていた時の作品図面や資料も公開される。日本の前衛美術を語るうえで欠かせない重要な作家にもかかわらず、個展が開催されることが少なかった田中信太郎。この貴重な機会を通して、同氏が築き上げた壮大な作品群を振り返ってみてはいかがだろうか。
会場: 世田谷美術館
住所: 東京都世田谷区砧公園1−2
会期: 4月25日(土)~6月28日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 月
観覧料: 一般 ¥1,400 (¥1,200)、65歳以上 ¥1,200 (¥1,000)、大高生 ¥800 (¥600)、中小生 ¥500 (¥300)、未就学児は無料
*()内は20名以上の団体料金
HP: www.setagayaartmuseum.or.jp
濱田英明「Haru and Mina」
写真家・濱田英明による本展「Haru and Mina」では、彼が写真家を志すきっかけとなった、自身の息子たちを撮影したシリーズの最新版を展示。2009年7月から2020年4月までの約11年間に記録された8000点余りから、厳選した作品を紹介する。それらがもたらすのは、心の奥に眠る不思議な感覚。鑑賞者は作品を通じ、自身の脳裏に刻まれた遠い日々を心地よく思い返すことになるはずだ。写真が呼び起こす記憶と時間の感覚を、ぜひ会場で体感してほしい。
会場: The Book End
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302
会期: 5月14日(木)〜6月8日(月)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 火、水
HP: the-book-end.com
「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS」
CHANEL (シャネル) が日本の映画界を牽引する是枝裕和監督とともに、次世代の映画監督の輩出を支援するためのプログラム「CHANEL AND CINEMA – TOKYO LIGHTS (シャネル アンド シネマ – トウキョウ ライツ) 」。本プログラムを通して制作された、珠玉のショートフィルムが「CINEMA WEEKS」として公開される。ラインナップには、気鋭の才能が集結した。首藤凜監督による『親切がやって来る』では、出口夏希、筒井真理子といった実力派俳優が共演。田中さくら監督がメガホンをとった『夜明け』では、姉妹ふたり暮らしの最後の朝が切り取られている。古川葵監督の『夕べの訪問者』は、一人の弁護士にフォーカスした緊迫の密室劇だ。CHANEL と是枝監督のサポートのもと制作されたこれら3作品は、今後パリでの上映も予定。新鋭の実力派たちが手掛けた作品をいち早く堪能できるこの機会、ぜひお見逃しなく。
会場: シャネル・ネクサス・ホール
住所: 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
会期: 4月24日(金)〜5月24日(日)
時間: 12:00-19:30
入場料: 無料 (予約優先) *予約はシャネルの LINE ミニアプリから
HP: www.chanel.com
「ジェフリー・バワ展 ートロピカル・モダニズムの家具ー」
「トロピカル・モダニズム」の父である建築家、Geoffrey Bawa (ジェフリー・バワ)。近年世界的な再評価が進む巨匠が遺した家具に焦点を当てた企画展が、神戸の Vague Archives (ヴァーグ・アーカイブス) にて開催される。本展では、Geoffrey Bawa 財団およびアトリエに残された図面、スケッチ、プロトタイプをもとに、インド・バンガロールの家具制作工房 Phantom Hands (ファントム・ハンズ) が手掛け、再構築した作品が会場を飾る。また、財団が所蔵する貴重なアーカイブ資料も展示され、Bawa が追求した空間思想と家具との関係性を紐解いていく。会期中には、Phantom Hands が手掛ける復刻家具の受注販売も実施されるほか、世界初公開となる照明の展示・販売も数量限定にて販売される。これまで語られることの少なかった Geoffrey Bawa の家具を通して、そのデザイン理念とスリランカの歴史的背景の解像度を高めてみてはいかが。
会場: Vague Archives
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通9番2号 チャータードビル3階
会期: 5月2日(土)〜5月11日(月)
時間: 11:30-18:00
休廊日: 5月5日(火)〜5月7日(木)
HP: shop-vague.com
ウルス・フィッシャー「間違い探し Machigai Sagashi」
Mirror, 2026
Two Urs figures: Paraffin wax,
microcrystalline wax, pigment, stainless
steel, and wicks
Each: 86 7/8 x 35 x 24 3/8 inches
(220.6 x 88.8 x 61.9 cm)
Edition 1 of 2, with 1 AP FIS-0002
スイス出身の Urs Fischer (ウルス・フィッシャー) は、ユーモアと哲学的な問いを介在させ、既存の美術の枠組みへ問いかける現代アーティストである。そんな彼の日本初個展では、「間違い探し」の遊びに由来する展覧会タイトルのもと、時代を超える実存的なテーマに光を当てる。展示されるのは、蝋によって形作られ、やがて溶解していく作品や、ブロンズに鋳造され恒久的なものとして提示される作品。ハイカルチャーとキッチュ、永続性と一時性、精神と身体、真実と欺瞞といった二項対立を探求する制作を通して、その実践が既成概念を軽やかに裏切り、現代美術のジャンルをアップデートし続けてきた軌跡を紹介する。さらに本展は、ギャラリーの建築的構造を中心に構想されている。メインギャラリーと未完成の地下空間。その対比的な空間の関係に注目することで、鑑賞者は意識と無意識の深淵へと誘われることになるだろう。
会場: ファーガス・マカフリー東京
住所: 東京都港区北青山3-5-9 ファーガス・マカフリー東京
会期: 4月11日(土)〜7月4日(土)
時間: 11:00-19:00
休館日: 日、月、祝日
HP: fergusmccaffrey.com











