今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP的
おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
7/2026
村松 朋広「その炎に触れてみることにした」
無意識に宿る情景や内面に潜む情念を手がかりに、日本画と油絵の両手法を用いながら、時間の重なりや存在の相互性、死生観を探求してきた村松朋広。本展では、感覚や記憶のあわいを行き来する日本画9点と油絵8点を展示。か弱くも激しく燃えたぎる炎のような作品群は、鑑賞者を自己の内面と向き合う時間へと誘っていく。会場となる「鎌倉 緑青」は、2023年に村松朋広と花人の井上揚平が構えた、野山の花を扱う店舗とスタジオを併設する空間。本展では普段は公開されていないスタジオが展示会場として開放され、井上揚平による花のしつらえが作品に寄り添う。制作の息遣いが残る特別な空間で、作品とその内に秘められた世界を体感してみてほしい。
会場: 鎌倉 緑青
住所: 神奈川県鎌倉市坂ノ下 9-15
会期: 7月4日(土)〜7月21日(火)
時間: 12:00-18:00
定休日: 水、木
HP: greenblue-studio.com
ヴァレリー・ユーウェン・シェイ「Oh Boy!」
台北出身、東京を拠点に活動する写真家 Valerie Yuwen Hsieh (ヴァレリー・ユーウェン・シェイ) による東京初個展。長年にわたり女性を撮影し、「女性であること」を探求してきた彼女が、本展では初めて男性性へとレンズを向ける。展示は「Archive」「New Work」「Partnership」の3章で構成され、男性性について結論を示すのではなく、「男性であるとはどういうことか」を問い続けるプロセスを通して、「女性であること」をあらためて見つめ直す試みとなっている。展示作品を使用したグッズや、本展にあわせて制作されたリトルプレス『into the blue』も販売予定。ひとつの問いから広がる、新たな視点に出会える展示となっている。
会場: Kiyoyuki Kuwabara AG
住所: 東京千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405 桑原会計事務所内
会期: 6月24日(水)〜7月11日(土)
時間: 15:00〜21:00
HP: kkag.jp
「Reset. トーマス・ルフ以後のデュッセルドルフの写真」
© Thomas Ruff, Substrat 10 1, 2002
Thomas Ruff (トーマス・ルフ) のもとで学んだ日独アーティストたちの作品を紹介するグループ展。Bernd & Hilla Becher (ベルント&ヒラ・ベッヒャー) の後を継ぎ、デュッセルドルフ美術アカデミーの写真クラスを受け継いだ Ruff。その2000年代初頭は、デジタル技術の進展や画像の爆発的な流通を背景に、写真やイメージをめぐる価値観が大きく変化し始めた転換期でもあった。本展では、写真というメディアそのものを問い続ける Ruff をはじめ、空間知覚の再定義を試みる大島成己、インターネット黎明期からデジタル技術を取り入れ、現代における自己の所在を探究する土屋紳一、写真をはじめ彫刻やインスタレーションを横断しながら、複製や記憶、文化翻訳をテーマに制作する Anne Pöhlmann (アンネ・ペールマン) らが参加。写真を単なる記録ではなく、知覚や認識を問い直すメディアとして捉える本展へ、ぜひ足を運んでみて。
会場: ゲーテ・インスティトゥート東京 2階 ギャラリー
住所: 東京都港区赤坂7-5-56
会期: 6月13日(土)〜7月19日(日)
時間: 14:00-20:00 *土日は18:30閉館。
休廊日: 月
HP: goethe.de/ins
「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」
ルーシー・リー《青釉鉢》 1980年頃
井内コレクション(国立工芸館寄託)
撮影:品野 塁
20世紀を代表するイギリスの陶芸家、Lucie Rie (ルーシー・リー) の約10年ぶりとなる国内回顧展。オーストリア・ウィーンに生まれた Lucie Rie は、ろくろを用いた制作に魅了され陶芸の道へ進み、1938年にイギリス・ロンドンへ亡命後も制作を続けた。ろくろによる優美なフォルムや、象嵌や掻き落としといった装飾技法、釉薬が織りなす豊かな色彩を特徴とする作品を手がけ、東西の美意識を取り込みながら唯一無二の造形世界を確立した。本展では、国立工芸館に寄託されている井内コレクションをはじめとする代表作を展示。また、建築家・デザイナーの Josef Hoffmann (ヨーゼフ・ホフマン) や、イギリス陶芸の礎を築いた Bernard Leach (バーナード・リーチ)、現代陶芸を代表する Hans Coper (ハンス・コパー)、民藝運動を牽引した濱田庄司など、Lucie Rie と交流を重ねた作家たちの作品もあわせて紹介する。彼女が出会った人々や文化、時代背景をたどりながら、その創作の源泉と作品に息づく美学を紐解いてみては。
会場: 東京都庭園美術館
住所: 東京都港区白金台5-21-9
会期: 7月4日(土)〜9月13日(日)
時間: 10:00-18:00 *8月7日、14日、21日、28日(金)は21:00まで開館。
休館日: 月 *7月20日(月)は開館、7月21日(火)は休館
入場料: 一般 ¥1,400(¥1,120)、大学生 ¥1,120円 (¥890)、高校生・65歳以上 ¥700 (¥560) *()内は団体料金
HP: teien-art-museum.ne.jp
うつゆみこ「The Neverending Zine Days」
1995年に写真を始めて以来、31年経った今もなお、思い付いたアイデアを写真という表現へと形にし続ける、うつゆみこ。本展では、初期のアルバムや公募展に応募したブック、2冊の写真集をはじめ、2019年から制作する約50種類の ZINE、ダミーブックなどを一堂に展示する。身近なモチーフや日常を、独特の色彩感覚とユーモアを交えて写し出す作品で知られる彼女。本展では、完成された作品だけでなく、その制作過程にあるアルバムや ZINE、ダミーブックも公開し、一つひとつの作品へと至る試行錯誤や、長年にわたる制作の実践にも光を当てる。作品と制作のプロセスを行き来しながら、うつゆみこの尽きることのない創作の源泉を感じてみてほしい。
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 7月2日(木)〜7月14日(火)
時間: 14:00-20:00
定休日: 水
HP: flotsambooks.com
大野真人「Karyolysis」
アジア各地で出会った生物を継続的に撮影し、人間と他の種との関係性を探究してきた写真家、大野真人。2026年4月に刊行された写真集『Karyolysis』を起点に、収録作品やそれに連なる作品群を展示する。タイトルの「Karyolysis」は、細胞核が溶解し、やがて不可視へと消えていく生物学的現象を意味する言葉。作品集では、生きた生命体を被写体に、生命がやがて消失へと向かう時間に着目。流動し続ける生命と、それを一時的に像として留める写真との緊張関係を描き出した。未発表作品の展示に加え、新作写真集『Cell metamorphose』の先行販売も実施。大野の視点を通して、生物の存在を新たな角度から見つめてみては。
会場: ATELIER
住所: 東京都渋谷区代々木4-28-8 代々木村田マンション503号室
会期: 7月10日(金)〜7月13日(月)
時間: 13:00〜19:00
HP: books-atelier.com
「In-dividual Theater:BUG Screen Week 2026」
ソー・ソウエン《The Egg》(2022)
国内外で活躍する16組のアーティストが参加する上映イベント「In-dividual Theater: BUG Screen Week 2026」。会期中は日替わりで作品が上映され、上映後にはアーティストトークやパフォーマンスも開催される。福岡を拠点に、身体性や親密性を手がかりに人間の本質へと迫る映像やパフォーマンスを手がける Soh Souen (ソー・ソウエン) をはじめ、個人の記憶とコミュニティの関係性を映像インスタレーションを通して探究する石原海、自身と他者、自然と文化、身体と環境の関係性を探究し、近年は食文化にも着目した作品を発表する永田康祐らが参加。映像を起点に、それぞれの実践や思考に触れてみて。
会場: BUG
住所: 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウ サウスタワー 1F
会期: 7月3日(金)〜7月12日(日)
時間: 公式サイトの上映タイムスケジュールよりご確認ください。
HP: bug.art











