lemaire
with shioli kutsuna

ホンマタカシが捉えた忽那汐里とルメールのダイアログ vol.3

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with shioli kutsuna

model: shioli kutsuna
photography: takashi homma
styling: takanohvskaya
hair: waka adachi
make up: tomohiro muramatsu
text: manaha hosoda
edit: manaha hosoda & miu nakamura

「街中で女性が前を横切る時、自分の赤ちゃんを暖めるために大きなコートをかけてあげる時、そこで布がはためく……そういう瞬間にこそ、服は生き生きとしはじめる。日常的なちょっとした瞬間が、シンプルな服に感情をもたらす」駅の構内をイメージした映画のようなセットの中で発表された LEMAIRE (ルメール) 2023年春夏コレクションでは、まさに Christophe Lemaire (クリストフ・ルメール) と Sarah-Linh Tran (サラ=リン・トラン) がインタビューで語った”感情”のある服が表現されていた。Ana Roxanne (アナ・ロクサンヌ) の実験的な音楽とともに誘われるのは、フィクションと現実の狭間で揺れる LEMAIRE の世界。

彼らが提唱する、視線や瞬き、微笑みからはじまる服と着る人のダイアログ。世界中を飛び回り、その曇りのない眼差しで、出会った全てのものを享受する女優の忽那汐里が、最新コレクションに袖を通した。まるで虫眼鏡で覗きこむように、気にかけなければあっという間に過ぎてしまう一瞬を写真家・ホンマタカシが捉える(最終回/全3回)。

lemaire
with shioli kutsuna

ホンマタカシが捉えた忽那汐里とルメールのダイアログ vol.3

ドレス ¥199,000、シャツ ¥126,000、パンツ ¥119,000、サンダル ¥89,000、ネックレス ¥119,000/すべて LEMAIRE (ルメール)

これまで Martin Ramirez (マルティン・ラミレス) や Joseph Yoakum (ジョゼフ・ヨアクム) ら謎めいたアウトサイダーアーティストの作品を洋服に落とし込んできた LEMAIRE は今シーズン、新たなカプセル・ワードローブを発表。1979年にパプアニューギニアで生まれた Noviadi Angkasapura (ノヴィアディ・アンカサプラ) の作品に着目した。東洋と西洋を融合させた同氏のペン画は、スピリチュアルなメッセージをはらみ、未知の世界がひろがる。マットな質感が紙を連想させる、生成り仕上げのコットンに再現された毛細血管のような線が身体をなぞり、新たなシルエットを描く。忽那の首元に揺れるのは、ビーズカーテンからインスピレーションを得たネックレス。音楽に身を任せれば、動きにあわせて小気味のいいリズムを刻む。