今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
7/2026
『隣人たち』
©︎2023 MINSTINCT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
作家 Barbara Abel (バーバラ・アベル) の小説を Olivier Masset-Depasse (オリヴィエ・マッセ=ドゥパス) 監督が映画化した2018年のベルギー映画『母親たち』を、Benoît Delhomme (ブノワ・トゥローム) 監督がリメイクしたサイコスリラー。親友同士のセリーヌとアリスは、お互い裕福な家庭で同じ年のひとり息子を持ち、完璧で幸せな生活を送っていた。しかしある日、セリーヌの息子が不幸な事故に遭ったことで、ふたりの関係性は一変する。アリスはセリーヌの様子に疑念を持ちはじめ、やがてふたりは狂気と妄想の渦に呑み込まれていく。セリーヌ役を Anne Hathaway (アン・ハサウェイ)、アリス役を Jessica Chastain (ジェシカ・チャステイン) が演じ、母親だからこその深い愛情や喪失、そして疑念が生み出す緊迫した心理戦を圧巻の演技で体現。隣人であり親友でもあるふたりの主婦が、ひとつの悲劇をきっかけに崩壊していく姿は、観る者を疑念と緊張の渦へと引き込んでいく。
公開日: 7月24日(金)
監督: Benoît Delhomme
出演: Anne Hathaway、Jessica Chastain、Anders Danielsen Lie (アンデルシュ・ダニエルセン・リー)
HP: gaga.ne.jp/rinjin
『美しく、黙りなさい』
©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir
『去年マリエンバートで』、『ジャンヌ・ディエルマン』などで知られる女優 Delphine Seyrig (デルフィーヌ・セリッグ) が1976年に発表した唯一の長編監督作で、ハリウッドとパリで活躍する23人の女優にインタビューしたドキュメンタリー。Delphine Seyrig が自らインタビュアーを務め、「もしあなたが男性だったとしても、この職業を選びましたか?」「他の女優と友好的な場面を演じたことがありますか?」という2つの質問を投げかける。『ジュリア』の Jane Fonda (ジェーン・フォンダ) をはじめ、Shirley MacLaine (シャーリー・マクレーン) や Juliet Berto (ジュリエット・ベルト) などのさまざまな女優たちが、当時の男性中心の映画業界では答えることがリスクにもなり得るジェンダーについての質問に語る姿を映し出す。時代を超えてなお普遍的な問いを投げかける本作を、ぜひ劇場で堪能してほしい。
公開日: 7月24日(金)
監督: Delphine Seyrig
出演: Jane Fonda、Shirley MacLaine、Juliet Berto
HP: moviola.jp/sbett
『プライベート・ケース』
©LES FILMS VELVET -BUENOS HAIR -FRANCE 3 CINEMA
『美しき棘』『プラネタリウム』の Rebecca Zlotowski (レベッカ・ズロトヴスキ) が監督を手がけ、『告発の行方』『羊たちの沈黙』のオスカー俳優 Jodie Foster (ジョディ・フォスター) がフランス映画初主演を務めたミステリー。パリで精神分析医として成功を収めたアメリカ人医師リリアンは、長年の患者であるポーラが亡くなったとの知らせを受ける。ポーラの死に違和感を覚えたリリアンは殺人の可能性を疑うが、患者のプライベートな領域に関する守秘義務のため警察を頼ることができず、自ら真相を突き止めるべく動き出す。探偵まがいの捜査に乗り出し、危険な真相へと徐々に踏み込んでいく。キャストには、主演の Jodie Foster に加え、『ベル・エポックでもう一度』などの Daniel Auteuil (ダニエル・オートゥイユ)、『急に具合が悪くなる』の Virginie Efira (ヴィルジニー・エフィラ) などが名を連ねた。予測不能な展開の先に待ち受ける真実を、その目で見届けてみては。
公開日: 7月24日(金)
監督: Rebecca Zlotowski
出演: Jodie Foster、Daniel Auteuil、Virginie Efira
HP: cinema.starcat.co.jp/private-case
『PEACOCK/ピーコック』
© 2024 NGF GEYRHALTERFILM CALA FILM ZDF/ARTE.
オーストリア出身の Bernhard Wenger (ベルンハルト・ウェンガー) 監督が、日本の「友だち代行サービス」に着想を得て撮りあげたブラックコメディ。これまで短編作品で注目を集めてきた Bernhard Wenger 監督が長編初メガホンをとり、アイデンティティの喪失や表層的な人間関係といった現代的なテーマを描き出す。完璧な息子役、教養ある恋人役など、どんなシチュエーションもこなせる人物を提供する代理店「マイ・コンパニオン」。そのトップパフォーマーであるマティアスは、さまざまな人格をもって生きる日々を過ごしていた。そんなある日、恋人ソフィアに別れを告げられたことで、彼の完璧な仮面は静かにはがれ落ち、現実と虚構の境界もあいまいになっていく。『西部戦線異状なし』『システム・クラッシャー』などで知られるドイツの俳優 Albrecht Schuch (アルブレヒト・シュッフ) が主人公マティアスを繊細に演じ、『RUBIKON ルビコン』の Julia Franz Richter (ユリア・フランツ・リヒター) が恋人ソフィア役で共演。現代社会が抱える孤独や承認欲求を鋭く映し出す、ユーモアと皮肉に満ちた本作品をチェックしてみて。
公開日: 7月24日(金)
監督: Bernhard Wenger
出演: Albrecht Schuch、Julia Franz Richter、Anton Noori (アントン・ノーリ)
HP: culturallife.co.jp/peacock
『デッドマンズ・ワイヤー』
©2025 Starlight Digital Ventures, LLC. All Rights Reserved.
『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』『ミルク』『エレファント』などで知られる名匠 Gus Van Sant (ガス・ヴァン・サント) が、1977年にアメリカ・インディアナポリスで発生した実際の事件をもとに描いたクライムスリラー。不動産投資会社に財産をだまし取られたトニーは、社長の息子で役員のディックを人質に取る。トニーは自分と人質の首をショットガンとワイヤーで結びつけ、動けば発砲される仕組みの「デッドマンズ・ワイヤー」を用いて立てこもる。現場からメディア出演を行うなど異例の行動を続ける中、世論は彼を非難する声と同情する声に分かれていく。犯人トニー・キリシスを演じるのは、『IT / イット』シリーズの Bill Skarsgard (ビル・スカルスガルド)、人質となるディック役で Dacre Montgomery (デイカー・モンゴメリー)、社長役には名優 Al Pacino (アル・パチーノ) が演じる。実話を題材にした衝撃の事件を、Gus Van Sant ならではの視点で描く本作。最後まで目が離せないサスペンスを、ぜひ劇場で味わってほしい。
公開日: 7月17日(金)
監督: Gus Van Sant
出演: Bill Skarsgard、Dacre Montgomery、Cary Elwes (ケイリー・エルウィス)
HP: movies.kadokawa.co.jp/deadmanswire
『新凱旋門物語』
©︎2025 AGAT FILMS, LE PACTE
パリの「新凱旋門」誕生の舞台裏で国家プロジェクトに翻弄された建築家の数奇な運命を、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。ジャーナリストの Laurence Cossé (ロランス・コセ) による著書「新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ」を原作に、『ブレスレット 鏡の中の私』の Stephane Demoustier (ステファン・ドゥムースティエ) が監督・脚本を手がけた。1983年、フランス革命200周年を記念する新モニュメント建設計画で、無名の建築家 Johann Otto von Spreckelsen (ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセン) が設計者に抜擢される。理想を貫こうとする彼は、政治や予算、周囲の思惑に翻弄されながら、ある決断を下す。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の Claes Bang (クレス・バング) が主人公スプレッケルセンを演じ、彼と協働する建築家アンドリュー役で『落下の解剖学』の Swann Arlaud (スワン・アルロー)、俳優としても活動する映画監督 Xavier Dolan (グザビエ・ドラン) などが共演した。理想と現実の狭間で揺れ動くひとりの建築家の姿を描いた、実話に基づく感動作が、観る者の心をそっと揺さぶる。
公開日: 7月17日(金)
監督: Stephane Demoustier
出演: Claes Bang、Swann Arlaud、Xavier Dolan
HP: mimosafilms.com/thegreatarch
『また会えるよね』
© bathysphere productions – 2024
『みんなのヴァカンス』『女っ気なし』などを手がけたフランスの気鋭監督 Guillaume Brac (ギヨーム・ブラック) が、卒業を前にした高校生たちの日常を追ったドキュメンタリー。本作の舞台は、おだやかな陽光が降りそそぐ南フランスの田舎町。高校卒業を控えた子供達は、これまでの楽しい日々にもうすぐ別れを告げなければならない。高校生活最後の夏、小さな「家族」と離ればなれになる彼らの旅立ちを目前に、Guillaume Brac 監督が寄り添いながら一緒に映画をつくりあげていく。Guillaume Brac 監督が、フランス北部の町の高校生たちを描いた2023年製作の短編ドキュメンタリー『リンダとイリナ』。本作は、舞台や環境こそ異なるものの、前作と共鳴するテーマを持つことから、2部作として完成させた。場所や文化を超えて共鳴する青春のきらめきを描いた本作。Guillaume Brac 監督ならではのまなざしが、スクリーンにて映し出される。
公開日: 7月18日(土)
監督: Guillaume Brac
HP: www.eurospace.co.jp/works
『ヌーヴェルヴァーグ』
©︎JeanLouisFernandez
© 2025 ARP – Detour Development LLC
『6才のボクが、大人になるまで。』『ビフォア』シリーズの Richard Linklater (リチャード・リンクレイター) 監督が、1950年代に起きたフランスの映画運動 Nouvelle Vague (ヌーヴェルヴァーグ) の記念碑的作品となった『勝⼿にしやがれ』の舞台裏を描いた青春物語。舞台は1959年のフランス。映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』で執筆活動をしていた Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) は、フランスの若手俳優 Jean-Paul Belmondo (ジャン=ポール・ベルモンド) とアメリカの人気女優 Jean Seberg (ジーン・セバーグ) を起用した初の長編映画『勝手にしやがれ』の制作をスタート。Jean-Luc Godard の斬新で自由奔放な撮影手法に周囲は振り回されるが、映画づくりへの情熱を共有した撮影現場は活気に満ちていく。本作には、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』の Zoey Deutch (ゾーイ・ドゥイッチ) に加え、写真家やモデルとして活動する Guillaume Marbeck (ギヨーム・マルベック) などが出演。映画史にその名を刻んだ若き映画人たちの情熱と創造の瞬間を、軽やかかつ情熱的に描き出した一本となっている。
公開日: 7月10日(金)
監督: Richard Linklater
出演: Guillaume Marbeck、Zoey Deutch、Aubry Dullin (オーブリー・デュラン)
HP: nouvellevague-movie.com
『トロフィー』
©︎2026 K2 Pictures
在日コリアンの少女を主人公に、家族・友人との関係や、自らのルーツと向き合う日常をつむいだドラマ。是枝裕和監督率いる映像制作集団「分福」のメンバーとして是枝監督などの助手を務めてきた孫明雅監督が長編初メガホンをとり、在日コリアンである自身の経験をオリジナルストーリーで描き出す。在日コリアンの少女・ソヒは、朝鮮学校で朝鮮舞踊に打ち込みながら日々を過ごしている。日本学校との交流会で出会った少女・未来と K-POP をきっかけに親しくなったふたりは、ライブチケット代を稼ぐためにフリマサイトで不用品を売り始める。しかし、その行動はソヒの父が祖国・北朝鮮から授与された勲章にまで及び、少女たちは自身のルーツやアイデンティティと向き合うことになる。ソヒの父サンジュ役で井浦新、在日コリアンのルーツを持つ新人俳優・恒那が映画初主演を務めた。ひと夏の青春のきらめきと、ルーツをめぐる葛藤を繊細に描いた本作。その行く末をぜひ劇場で見届けてみてほしい。
公開日: 7月10日(金)
監督: 孫明雅
出演: 恒那、梨里花、原田花埜
HP: k2pic.com/film/trophy
『海辺の一日 4Kレストア』
©︎2010, 2024 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
『ヤンヤン 夏の想い出』『牯嶺街少年殺人事件』などで知られる台湾の名匠 Edward Yang (エドワード・ヤン) が1983年に手がけた長編監督デビュー作。13年ぶりに再会した2人の女性の会話を起点に、封じ込められていた記憶と人生の層が浮かび上がっていく様子を鮮明に描き上げる。小さな町の医師の娘として生まれたジャーリィは、親への服従を重んじる伝統的な価値観のなかで育つ。父の望む結婚を拒み、愛する人との人生を選んだ彼女だったが、その結婚生活はやがて理想とは異なるものへと変わっていく。ある日、警察に呼び出され海辺を訪れたことをきっかけに、ジャーリィは夫との歳月や自らが選んできた人生、そして心の奥底に押し込めてきた感情と向き合い始める。主人公を演じるのは、『妻の愛、娘の時』にて監督と主演を務めた女優 Sylvia Chang (シルヴィア・チャン)。世界的撮影監督 Christopher Doyle (クリストファー・ドイル) の長編デビュー作でもある本作。過去と現在が交錯するなかで、一人の女性の人生を静かに見つめるヒューマンドラマが、4Kレストア版で現代に鮮やかによみがえる。
公開日: 7月10日(金)
監督: Edward Yang
出演: Sylvia Chang、Hu Ying Moon (フー・インモン)、Mei Fang (メイ・ファン)
HP: www.the-day-on-the-beach-4k.com
『大統領のケーキ』
©︎2025 TPC FILM LLC. All Rights Reserved.
独裁政権下のイラクを舞台に、小学校で大統領の誕生日ケーキをつくる係に任命された少女の奮闘を描いたドラマ。イラク出身の Hassan Hadi (ハサン・ハーディ) が自らの体験をもとに長編初監督・脚本を手がけた。1990年代のイラクは戦争と食糧不足に苦しむなか、フセイン大統領の誕生日を祝うケーキづくりが国内の学校に命じられる。祖母と暮らす9歳の少女ラミアはケーキ係に選ばれてしまい、父の形見の時計と大切な雄鶏ヒンディを連れて町へ向かう。しかし、祖母の本当の目的はケーキの材料集めではなく、ラミアを養子に出すことだった。祖母との暮らしを守るため、ラミアはクラスメイトのサイードとともに、自らの手でケーキの材料を探し求める。主人公ラミア役の Baneen Ahmad Nayyef (バニーン・アハマド・ナーイフ) をはじめ、キャストには演技未経験者を起用。製作には『フォレスト・ガンプ 一期一会』などの脚本家 Eric Roth (エリック・ロス) と、 『幸せへのまわり道』の監督 Marielle Heller (マリエル・ヘラー) が名を連ねる。戦禍のなかでも希望を失わず前を向く少女の姿を描いた感動作を、ぜひチェックしてみて。
公開日: 7月10日(金)
監督: Hassan Hadi
出演: Baneen Ahmad Nayyef、Sajad Mohamad Qasem (サッジャード・モハンマド・カーセム)、Waheeda Thabet (ワヒーダ・サーベト)
HP: movies.shochiku.co.jp/presidentscake











