今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
8/2026
『左利きの少女』
©2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』など Sean Baker (ショーン・ベイカー) 監督作のプロデュースや、共同監督作『テイクアウト』で知られる Tsou Shih-Ching (ツォウ・シーチン) の単独監督デビュー作。故郷の台湾を舞台に、厳しい現実と向き合う母娘とその祖父の多世代家族が織りなす物語を、幼い少女の視点から繊細に描き出す。5歳の少女イージンは、借金を抱える母と姉と共に、生活を立て直すため田舎町から戻ってくる。イージンは昔気質の祖父に、利き手である左手を「悪魔の手」と咎められ、罪悪感を抱くようになる。その悪魔の手は図らずも、家族それぞれが胸に秘めてきた罪をあぶり出していく。台湾の人気子役 Nina Ye (ニーナ・イエ) がイージン、本作で初の本格的な演技に挑む Ma Shih-Yuan (マー・シーユエン) が姉イーアンを演じた。幼い少女の眼差しを通して描かれる、家族の痛みと再生。その繊細な物語を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。
公開日: 8月14日(金)
監督: Tsou Shih-Ching
出演: Nina Ye、Ma Shih-Yuan、Janel Tsai (ジャネル・ツァイ)
HP: cinema.starcat.co.jp/left-handed-girl
『赤い砂漠 4K修復版』
©︎ 1964 RTI
イタリアの名匠 Michelangelo Antonioni (ミケランジェロ・アントニオーニ) の初のカラー作品で、1964年に第25回ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた心理ドラマ。無機質な工場が立ち並ぶ海辺の工業都市ラヴェンナ。夫や息子と3人でこの街に暮らすジュリアーナは、数年前の交通事故のショックから立ち直れず、精神的に不安定な日々が続いていた。そんなある日、彼女は夫から友人コラドを紹介される。ジュリアーナは自分と同じように孤独を抱えるコラドに惹かれ、次第に距離を縮めていく。Michelangelo Antonioni 監督のミューズとして知られる Monica Vitti (モニカ・ヴィッティ) がジュリアーナ、イギリスの名優 Richard Harris (リチャード・ハリス) がコラドを演じた。無機質な風景と鮮烈な色彩のなかに、人間の孤独と愛の揺らぎを描き出した Michelangelo Antonioni の傑作が、4K修復版でスクリーンにて蘇る。
公開日: 8月15日(土)
監督: Michelangelo Antonioni
出演: Monica Vitti、Richard Harris、Carlo Chionetti (カルロ・キオネッティ)
HP: www.zaziefilms.com/antonioni2026
『ブンミおじさんの森』
©︎Kick the Machine Films
タイの鬼才 Apichatpong Weerasethakul (アピチャッポン・ウィーラセタクン) 監督が、2010年の第63回カンヌ国際映画祭でタイ映画として初のパルムドールを受賞したファンタジー・ドラマ。タイ東北部の山間で暮らす、余命わずかなブンミは、自身の農園に妻の妹ジェンを呼び寄せる。すると、19年前に亡くなった妻の霊が突然姿を現し、さらに行方不明になっていた息子も、赤い目を持つ猿の姿となって現れる。やがてブンミは、亡き妻や息子とともに深い森へと足を踏み入れていく。生と死、現実と幻想が交差するアピチャッポン独自の世界観を、静謐な映像美とともに堪能できる貴重な機会。限定公開となる本作を、ぜひスクリーンで味わってほしい。
公開日: 8月8日(土)
監督: Apichatpong Weerasethakul
出演: Thanapat Saisaymar (タナパット・サイサイマー)、Jenjira Pongpas (ジェンジラー・ポンパット)、Sakda Kaewbuadee (サクダー・ケーオブアディ)
HP: wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1582#film5
『マイ・プライベート・アイダホ デジタルリマスター版』
© 2026 WBEI
アメリカ映画界を代表する名匠 Gus Van Sant (ガス・ヴァン・サント) 監督がキャリア初期に手がけた本作は、River Phoenix (リヴァー・フェニックス) と Keanu Reeves (キアヌ・リーヴス) の共演が話題を呼んだ青春ロードムービー。緊張すると突然意識を失ってしまう病を抱えるマイクは、12歳の時に母親に捨てられ、ポートランドの路上で体を売って暮らしている。ポートランド市長の息子スコットは、何不自由なく育ったが、見せかけだけの家庭に嫌気が差し、家を飛び出していた。街で出会った2人は、マイクの母を探すため、彼の故郷アイダホへ向かうが、やがて2人の道は別れていく。今は亡き River Phoenix と若き日の Keanu Reeves が共演を果たした名作が、公開から35年の時を経て、初のデジタルリマスター版としてスクリーンに蘇る。
公開日: 8月7日(金)
監督: Gus Van Sant
出演: River Phoenix、Keanu Reeves、James Russo (ジェームズ・ルッソ)
HP: portland-movie.jp
『女は女である 4K修復版』
© 2001 STUDIOCANAL SAS. All rights reserve
『勝手にしやがれ』の Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) の長編第3作で、「登場人物が歌わないミュージカルコメディ」という発想に基づいて制作されたラブコメディ。キャバレーの踊り子アンジェラは、一緒に暮らす恋人エミールに、今すぐに子どもが欲しいと言い出す。そんな彼女に戸惑いを隠せないエミール。そこへ、アンジェラに想いを寄せる青年アルフレッドが現れる。Jean-Luc Godard の前作『小さな兵隊』に続いて Anna Karina (アンナ・カリーナ) がヒロインを務め、『勝手にしやがれ』の Jean-Paul Belmondo (ジャン=ポール・ベルモンド) がアルフレッド、『いとこ同志』の Jean-Claude Brialy (ジャン=クロード・ブリアリ) がエミールを演じた。音楽は、『シェルブールの雨傘』などを手がける名作曲家 Michel Legrand (ミシェル・ルグラン) が担当。軽やかなユーモアと大胆な映像表現が交差する、ヌーヴェルヴァーグを代表する一本をぜひ劇場で堪能してみては。
公開日: 8月7日(金)
監督: Jean-Luc Godard
出演: Anna Karina、Jean-Paul Belmondo、Jean-Claude Brialy
HP: www.zaziefilms.com/env
『白パンと独裁者』
© 2025 Bombero International Gmbh & Co. Kg
『女は二度決断する』『愛より強く』などで知られるドイツの名匠 Fatih Akın (ファティ・アキン) が、母のために奔走する少年の姿を通して、時代の転換点を鮮明に描いたドラマ。監督の恩師であるドイツの俳優・映画監督の Hark Bohm (ハーク・ボーム) が、自らの幼少期の体験をつづった自伝的小説を映画化した。舞台は、第2次世界大戦末期のドイツ。本土へ向かう爆撃機が上空を飛び交いながらも、どこか楽園のような静寂を保っていた。12歳の少年ナニングは、戦地に赴いている父に代わって家族を支えている。そんなある日、ヒトラーの訃報を受けて絶望した、妊娠中の母ヒレが心身ともに崩壊してしまう。そんな母が唯一口にしたいと願ったのは、たっぷりのバターとはちみつが塗られた白パンだった。『女は二度決断する』で主演を務めた Diane Kruger (ダイアン・クルーガー) が農場主のテッサ役、『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』の Laura Tonke (ローラ・トンケ)、『システム・クラッシャー』の Lisa Hagmeister (リーザ・ハークマイスター) が出演。少年のまなざしを通して、崩壊へと向かうナチス・ドイツの現実と、その時代を生きる人々の苦悩を静かに映し出す。
公開日: 8月7日(金)
監督: Fatih Akın
出演: Jasper Billerbeck (ジャスパー・ビラーベック)、Laura Tonke、Lisa Hagmeister
HP: www.bitters.co.jp/shiropan
『A Window of Memories』
©Yui Kiyohara
『わたしたちの家』『すべての夜を思いだす』を手がけた清原惟監督が、初めてドキュメンタリー的手法で手がけた聞き書き映画。清原が自身の母方・父方の祖母から人生の話を聞き取り、共に編んだテキストを2人の俳優が朗読していくなかで、世代を越えて記憶が響き合うさまを描き出す。「私が聞かなかったら、この話はどこに行くんだろう」。ふと耳にした祖母の若き日の話に心を動かされた清原が、母方と父方それぞれの祖母から人生の物語を聞き始める。生活に根ざした思い出が細やかに語られていき、同じ時代を生きた2人の、交差しながらもまったく異なる世界を文字に起こす。そうして編まれた物語が、2人の俳優に託され、1日をかけて朗読されていく。『CURE』や『回路』の黒沢清監督と、『M/OTHER』や『風の電話』の諏訪敦彦監督に師事する清原惟監督が手がける本作品。日々の暮らしの中で紡がれてきた記憶を丁寧にすくい上げ、語り継ぐことの尊さを静かに問いかける。
公開日: 8月7日(金)
監督: 清原惟
出演: 砂子旭子、清原磋智子、小山薫子
HP: awindowofmemories.com











