今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP的
おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
8/2026
ナイジェル・クック「Night Ruins」
Nigel Cooke, Departure, 2026 © Nigel Cooke, courtesy Pace Gallery
現代イギリス絵画を代表するアーティストのひとり、Nigel Cooke (ナイジェル・クック) による東京初の個展。2026年春、イタリア・ヴェネツィアのクエリーニ・スタンパリア財団による初のアーティスト・レジデンシーに参加した Nigel Cooke は、水上都市特有の光や歴史的な建築、ラグーンや運河に着想を得て、新たな絵画シリーズを制作した。本展では、第61回ヴェネツィア・ビエンナーレに合わせて開催中の展覧会「Bad Habits」から発展した新作絵画を中心に紹介。アリーナを思わせる夜の情景には、、石の台座や人物、動物の断片が浮かび上がり、具象と抽象のあわいを行き来しながら、生成と消失を繰り返すような風景が広がる。また、スペイン・フォルメンテーラ島で海水を素材に取り入れて制作した「Sea Mirror」シリーズのグワッシュ作品も展示。異なる土地で得た記憶や感覚を起点に、時間とともに変容するイメージを探求してきた Nigel Cooke の現在地を映し出す内容となっている。
会場: Pace 東京
住所: 東京都港区虎ノ門 5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A 1-2 階
会期: 8月28日(金)〜10月10日(土)
時間: 11:00-20:00 *日 18:00-20:00、火〜土 19:00-20:00はアポイントメント制
休廊日: 月
HP: pacegallery.com
「多田美波―光、凛と ゆれる」
《Mirage》1989
多田美波研究所蔵 撮影:多田美波研究所
戦後日本を代表する抽象彫刻家・造形作家、多田美波の没後初となる大規模回顧展。ステンレスやアクリル、ガラスといった工業素材をいち早く取り入れ、光の反射や透過、屈折を生かした独自の造形を追求してきた。本展では、空へ向かって伸びるようなステンレス彫刻をはじめ、周囲の風景を映し込む作品、多彩な光が浮かび上がる「光壁」など、作家自身が「光造形」と呼んだ照明作品を含む約70点を紹介する。なかでも注目したいのは、現在では見ることのできない作品を蘇らせる試み。洗面台などにも用いられるボールチェーンを連ねたシャンデリア『チェーンデリア』は、本展のために原寸大で復元。銀座・松屋サロンのために制作され、のちに皇居・新宮殿の光造形を手がけるきっかけにもなった、多田の転機を物語る一作だ。さらに、リーガロイヤルホテル大阪を彩る光造形『瑞雲』の一部を、制作当時の約3,000個のクリスタルガラス・パーツを用いて再構成。約70年にわたる創作を通して、素材と光、空間の関係を探り続けた多田美波の世界に触れてみてほしい。
会場: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
会期: 8月29日(土)〜12月6日(日)
時間: 10:00-18:00 *11月の毎金曜日は20:00まで開館 *展示室入場は閉館の30分前まで
休館日: 月、9月24日、10月13日、11月24日 *9月21日、10月12日、11月23日は開館
入場料: 一般 ¥1,600、大学生・専門学校生・65 歳以上 ¥1,100、中高生 ¥640、小学生以下無料 *10月10日~12日は中高生・専門学校生・大学生は無料(要学生証提示)
HP: mot-art-museum.jp
「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」
坂本龍一 + 高谷史郎 | async – immersion 2023|Photo:Satoshi Nagare
「アンビエント」をテーマに、音とアート、空間を融合させた京都発の展覧会「AMBIENT KYOTO」が東京で初開催。坂本龍一と高谷史郎によるインスタレーション『async – immersion』を、麻布台ヒルズギャラリーで展開する。本作は、坂本が2017年に発表したアルバム『async』をもとに、高谷による映像と、音響ディレクター ZAK (ザック) による立体音響で構成。坂本が追求した、音を空間に立体的に配置する「設置音楽」を体現する作品として、2023年の「AMBIENT KYOTO」で初公開された。会場には幅26.4mの巨大スクリーンを設置し、坂本のスタジオやピアノ、各地の風景などを捉えた映像を投影。「async=非同期」の名の通り、映像と音は完全には同期せず、その関係性は絶えず変化していく。二度と同じ瞬間を生まない流れのなかで、観客は次第に作品世界の奥深くへと導かれる。観る、聴くという鑑賞の枠を超え、楽曲、映像、音響、空間、そして観客自身がひとつになる没入体験を味わうことができる。
会場: 麻布台ヒルズギャラリー
住所: 東京都港区虎ノ門 5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A 1-2 階
会期: 8月28日(金)〜10月25日(日)
時間: 平日 10:00-19:00/土・日・祝 10:00-20:00 *9月11日は18:00まで
観覧料: 平日は大人¥2,200 (前売)/¥2,500 (当日)、土・日・祝は大人¥2,500 (前売)/¥2,800 (当日)
HP: ambientkyoto.com
「河原温展」
“On Kawara,” installation view, Take Ninagawa, Tokyo, 2026. Courtesy Take Ninagawa, Tokyo. Photo by Kei Okano.
本展では、コンセプチュアル・アートを代表するアーティスト、河原温の『I Got Up』シリーズを紹介。12年間にわたり、友人や家族、コレクターらに毎日送り続けたポストカードからなる本シリーズには、河原自身がその日ベッドから起きた時刻がスタンプで記されている。量産品であるポストカードとスタンプを押す反復的な行為、そして郵便制度を通して、日々の個人的な営みを記録するとともに、目には見えない時間の経過を可視化した。シュルレアリスムの影響を受けた初期の具象表現からコンセプチュアル・アートへと移行した河原の歩みを辿りながら、個人の経験と時間、日常を支える社会的なシステムとの関係を浮かび上がらせる。
会場: Take Ninagawa
住所: 東京都港区東麻布2-14-8
会期: 8月1日(土)〜10月3日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝、8月29日〜9月5日、9月12日13:00−15:00
HP: takeninagawa.com
「A FRAGMENT OF GREAT WORKS ー横尾さんを追いかけてー」
戦後日本の美術とデザインに大きな足跡を残してきた横尾忠則の、膨大な創作活動の一端を紹介する展覧会。1993年より横尾の個展や企画展を開催してきたスペース・ユイを会場に、同ギャラリーで制作された作品を中心に展開する。本展で中心となるのは、柴田錬三郎が1973年に『週刊プレイボーイ』で連載した時代小説『うろつき夜太』を題材に、横尾が1993年に制作したシルクスクリーン作品。さらに、同年に横尾自身が企画した「ユーゴスラビアの子供達の描いた絵展」から、紛争下の子どもたちが描いた絵と横尾によるコラボレーション版画や、企画展のポスターなども展示する。イラストレーション、版画、ポスターと領域を横断してきた横尾の創作の断片から、その尽きることのないエネルギーを体感してみてほしい。
会場: スペース・ユイ
住所: 東京都港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
会期: 8月27日(木)〜9月19日(土)
時間: 12:00-19:00 *9月19日は17:00まで
休廊日: 日
HP: spaceyui.com
津野青嵐「Spilling Body」
身体との関係をさまざまな角度から探究する津野青嵐の個展。日本赤十字看護大学卒業後、精神科病院に勤務する傍ら、「ここのがっこう (coconogacco)」でファッションを学び、現在はファッションデザインや研究、文筆を横断して活動する津野青嵐。身体を理想に近づけるのではなく、思いどおりにならない身体との向き合い方を探る方法として、服を制作してきた。本展では、3Dペンで人体の輪郭を描くように制作した代表作『Out of Body, In Dress』をはじめ、映像、ドローイング、コラージュ、蜜蝋を用いた版画などを展示。体内の脂肪を蜜蝋へと変え、体外へ分泌するミツバチの生態から、身体を構成するものが輪郭の外へとこぼれ出すような感覚を捉える。展覧会タイトル「Spilling Body」には、「何かをこぼしている身体」と「身体そのものがこぼれ、あふれ出す状態」という二重の意味が込められている。津野青嵐の自在な表現を通して、変化し続ける身体との付き合い方を見つめ直してみては。
会場: EUKARYOTE
住所: 東京都渋谷区神宮前3-41-3
会期: 8月21日(金)〜9月13日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月、火
HP: eukaryote.jp
「VERDY Presents “In Good Company”」
グラフィックアーティスト兼デザイナーの VERDY (ヴェルディ) を含む、国内外で活動する14名のアーティストが集うグループ展。VERDY が交流を重ね、共感や刺激を受けてきたアーティストたちが一堂に集う。本展では明確なテーマを設けず、国や文化、ジャンルを越えた出会いから生まれた「感覚」や「共鳴」を出発点に作品を紹介する。参加するのは、絵画と彫刻の境界を横断する Reginald Sylvester II (レジナルド・シルベスター II) や、アニメや浮世絵などを参照し、アジア人女性の表象や自身の多文化的なアイデンティティを探る Zoé Blue M. (ゾエ・ブルー・M.)。また、写真や絵画、文章を横断しながら、親密なポートレートや写真と言葉を組み合わせた作品を手がける Coco Capitán (ココ・カピタン)、四季の移ろいや生と死の循環をテーマに抽象油画を手がける白山佳太らも名を連ねる。異なる文化圏で活動する作家たちが東京に集い、作品を通して新たな対話やつながりが生み出される。
会場: GYRE GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3
会期: 8月15日(土)〜9月27日(日)
時間: 11:00-20:00
HP: gyre-omotesando.com
「マン・レイ展」
“Man Ray,” installation view, Take Ninagawa, Tokyo, 2026. Courtesy Take Ninagawa, Tokyo. Photo by Kei Okano.
写真家として知られる一方、絵画や彫刻、映像、レイヨグラフなど、多様なメディアで実験を重ねてきた Man Ray (マン・レイ)。本展では、生涯にわたって親しんだチェスに着目し、ゲームのルールや駒の造形が創作にもたらした影響を探る。自身が所有し、実際にプレイしていた『Giant Chess Set』を中心に、巨大な木製フォルムをチェスボード上に配した『Permanent Attraction』、吸い殻と灰で満たされた『This is the Thesis』などが展示される。さらに、オブジェを感光紙に置いて制作したレイヨグラフに加え、Candice Lin (キャンディス・リン) の陶器作品、瀧口修造のデカルコマニー、大竹伸朗の『ブラック・アンド・ホワイト #11』など、Man Ray の創作と呼応する作品も紹介。チェスから写真、オブジェへと広がる作品群を通して、ひとつの領域にとどまることのなかった Man Ray の自由な発想に触れてみては。
会場: Take Ninagawa
住所: 東京都港区東麻布2-14-8
会期: 8月1日(土)〜10月3日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝、8月29日〜9月5日、9月12日13:00−15:00
HP: takeninagawa.com
島田辰哉「Analog Holography」
スタイリストとして活躍する一方、アーティストとしても制作を続ける島田辰哉の個展。雑誌や広告、アーティストのスタイリングを手がけるほか、インディペンデントマガジン『CONTACT HIGH ZINE』の制作や、シンセサイザーを用いた音楽制作など、ファッションや音楽を横断して活動してきた。本展では、アシッドハウスを象徴するシンセサイザー「TB-303」から着想を広げた新作インスタレーション『ANALOG HOLOGRAPHY』を発表。機械から発せられる音や信号、それを扱う人間の働きかけが重なり合う空間を創り出し、テクノロジーと人間が影響を与え合いながら変化していく関係を浮かび上がらせる。さらに、2025年にアーティストの小町渉との二人展「SPIRITUAL MACHINES」で発表した『CLONE BIBLE』も展示。アート作品でありながら音楽機材としても使用できる本作は、今回初めて販売される。音と機械を起点に広がる、島田の実験的なインスタレーションを体感してみて。
会場: LAID BUG
住所: 東京都渋谷区代官山町2-3 BF
会期: 8月21日(金)〜9月6日(日)
時間: 13:00-20:00
休廊日: 日、月 *9月6日は開廊
HP: laidbug.com
オリオール・ヴィラノヴァ「Original Copy」
世界各地の蚤の市や古物市場で収集したポストカードを用いて作品を制作する Oriol Vilanova (オリオール・ヴィラノヴァ) の日本初個展。現在開催中の第61回ヴェネツィア・ビエンナーレでは、スペイン館を膨大なポストカードで覆うインスタレーションを発表している。本展では、同じ図柄のポストカードを2枚から最大34枚まで組み合わせた新作『Spin off』シリーズを展示。大量に印刷された複製物でありながら、書き込まれた言葉や、それぞれがたどってきた経路は一枚ごとに異なる。こうしたポストカードが持つ唯一性を通して、「オリジナル」と「コピー」の境界を問いかける。さらに、Oriol Vilanova が蚤の市を巡る際に着用するワークジャケットを用いた作品『Old Masters (Monet)』も公開。ポケットには Claude Monet (クロード・モネ) の作品を写したポストカードが収められ、美術作品が複製され、人々の手へと渡っていく過程に目を向ける。身近なポストカードに潜む複製と唯一性について、改めて思いを巡らせてみてほしい。
会場: KOTARO NUKAGA 六本木
住所: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2階
会期: 8月1日(土)〜9月12日(土)
時間: 11:30-18:00
休廊日: 日、月、祝
HP: kotaronukaga.com
ジュリアン・ランゲンドルフ「PETRIFIED PRAYER」
パリを拠点に活動するアーティスト Julien Langendorff (ジュリアン・ランゲンドルフ) の新作 ZINE『PETRIFIED PRAYER』の刊行を記念した展覧会。Julien Langendorff は、写真やドローイングなどを組み合わせたコラージュを中心に、ダークロマンティシズムと神秘性が交錯する作品を手がけてきた。パリの「ギャラリー・デュ・ジュール・アニエスベー」での作品発表をはじめ、2022年には Anthony Vaccarello (アンソニー・ヴァカレロ) のキュレーションのもと、「サンローラン・リヴ・ドロワット」で個展を開催。出版レーベル Motoyoshino (モトヨシノ) から刊行される本作には、彼の作品世界を象徴するコラージュを収録。断片的なイメージを重ね、幻想的でどこか不穏な世界を浮かび上がらせる作品が、印刷物ならではの編集と構成で展開されている。ZINE の中に広がる、Julien Langendorff 独自の感性が息づく世界を覗いてみては。
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 8月15日(土)〜8月23日(日)
時間: 14:00-20:00
定休日: 水
HP: flotsambooks.com
「あたらしい目―モネと21世紀のアート」
展示風景:「あたらしい目—モネと21世紀のアート」ポーラ美術館、2026年
撮影:中川周
印象派を代表する画家、Claude Monet (クロード・モネ) の没後100年と、
会場: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
会期: 6月17日(水)〜2027年4月7日(水)
時間: 9:00-17:00 *入館は午後4:30まで
休館日: 12月1日
HP: https://www.polamuseum.or.jp/
「特別展示|山中信夫、ルイザ・ランブリ、細倉真弓」
Nobuo Yamanaka あふれる太陽のピンホール(6) 1973 C-Type Print
Image: (H)25.0 x (W)30.0 cm
Framed: (H)51.4 x (W)41.0 x (D)2.8 cm
©︎ Nobuo Yamanaka, Courtesy of the artist and Takuro Someya Contemporary Art
写真を起点に独自の実践を展開してきた、山中信夫、Luisa Lambri (ルイザ・ランブリ)、細倉真弓による特別展示。1970年代に活動した山中は、自作のピンホールカメラを用い、太陽の光によってもたらされる現象を追究。人のまなざしや撮影技術を介さず、小さな穴から光を取り込みながら像を生み出した代表作『あふれる太陽のピンホール』を紹介する。イタリア出身の Luisa Lambri は、世界各地の建築を訪れ、差し込む光によって刻々と変化する空間の表情に着目。その時、その場所でしか感じられない空気や気配を捉えた作品を展示する。一方、細倉は、若者の身体と鉱物など対照的なモチーフを並置した「KAZAN」シリーズを披露。異なる被写体のなかに共通するエネルギーの流れを見出し、人間と自然、生物と無機物といった境界を越える独自のまなざしを提示する。3人のまなざしが重なり、見慣れた世界を別の角度から見つめ直すきっかけをもたらしてくれる。
会場: TERRADA ART COMPLEX I 3F TSCA
住所: 東京都品川区東品川1-33-10
会期: 8月15日(土)〜9月13日(日)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 日、月、祝
HP: tsca.jp
「As One Draws|TSCA 20th Anniversary Group Exhibition」
Takuro Someya Contemporary Art の設立20周年を記念したグループ展。これまでギャラリーと歩みをともにしてきた16組の作家を迎え、「ドローイング」を主題に作品を紹介する。本展では、完成作品に先立つ下絵や設計図として捉えられてきたドローイングを、作家の思考や制作への姿勢を映し出す根源的な方法として再考。1970年代にドローイングが絵画や彫刻に付随するものから、固有の表現可能性を持つ独立したメディアへと再評価された歴史を踏まえ、一本の線や痕跡、反復などから、技法や素材、形式と思考の結びつきを紐解く。出展作家には、デジタルで描いたイメージを絵画へと展開する Austin Lee (オースティン・リー) や、ストリートのライティング文化を起点に独自の線を追究する大山エンリコイサム、絵画や彫刻など領域を横断する岡﨑乾二郎、デジタルメディアを用いる Rafaël Rozendaal (ラファエル・ローゼンダール) らが名を連ねる。多様な実践から、「描く」という行為の可能性を見つめ直してみては。
会場: TERRADA ART COMPLEX I 3F TSCA
住所: 東京都品川区東品川1-33-10
会期: 8月15日(土)〜9月13日(日)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 日、月、祝
HP: tsca.jp
「British Contemporary: Michael Craig-Martin/ Damien Hirst/ Julian Opie」Vol.2
1980年代末から1990年代にかけて、英国のアートシーンを席巻した潮流「YBA (Young British Artists)」。本展では、YBA 世代に大きな影響を与えた Michael Craig-Martin (マイケル・クレイグ=マーティン) をはじめ、Damien Hirst (ダミアン・ハースト)、Julian Opie (ジュリアン・オピー) の3名の作品が一堂に会する。コンセプチュアル・アートを代表する作家のひとりである Michael Craig-Martin は、身近なオブジェクトを簡潔な線と鮮やかな色彩で描き、独自の視覚表現を築いてきた。ゴールドスミス・カレッジでは Damien Hirst をはじめ、後の YBA 世代を指導した。Damien Hirst は、生と死、時間、信仰を題材に、ホルマリン作品やスポット・ペインティングなど既成概念を揺さぶる作品を発表してきた。一方 Julian Opie は、人物や風景を極限まで簡略化した線と色面に落とし込み、絵画や彫刻、LED、デジタルメディアなど多様な手法で作品を手がけてきた。異なる世代と表現を持つ3名の作品から、英国現代美術の系譜を辿ってみては。
会場: imura art gallery
住所: 京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
会期: 8月1日(土)〜8月29日(土)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日、月、祝、夏季休業日
HP: imuraart.com
鈴木隆「Scarlet」
赤や青を基調とした絵画を通して、独自の色彩空間を探求してきたアーティスト・鈴木隆の個展。1980年代には鉄を素材とした彫刻を手がけ、その後ヨーロッパへと活動の場を広げた鈴木は、2000年代から限られた色彩によるミニマルな絵画を中心に制作を続けてきた。本展では、1990年代後半に始まった「Scarlet」シリーズにフォーカス。偶然手にした印刷物や身近な既製品を支持体に、それぞれが持つ形や構成に応じて鮮やかなスカーレットを施し、筆致を重ねていくことで、本来の機能や文脈から切り離された新たな姿へと変化させる。色彩を何かを描写するためではなく、対象に潜む気配や匿名性を浮かび上がらせる媒介として用いている点も特徴だ。会場ではシリーズの初期作品に加え、「隙間」の空間に応答して制作された新作も発表。鈴木ならではの色彩と事物の関係を体感してみては。
会場: 隙間
住所: 東京都台東区蔵前3-11-2 1F
会期: 8月8日(土)〜8月16日(日)
時間: 12:00-19:00
HP: sukima.henderscheme.com
イッセイ ミヤケ「ザ・ペーパーログ : 膜と核」
ISSEY MIYAKE (イッセイ ミヤケ) とスペインの建築事務所 Ensamble Studio (アンサンブル・スタジオ) による協業プロジェクトを紹介する特別展。着目したのは、独自の「製品プリーツ」の加工工程で生まれる副産物「ペーパーログ」。プリーツ加工の際に生地を保護する紙をロール状に圧縮したもので、加工による襞やシワ、折り目などの痕跡を留めている。本展では、2026年4月のミラノデザインウィークで発表された「記憶をもつオブジェ(膜)」と「家具のプロトタイプ(核)」という対照的なアプローチから生まれた2つの作品シリーズを再構成し、日本初公開する。Ensamble Studio による「膜」は、ペーパーログから剥がした紙を自由に造形したり、既存のオブジェを覆ったりした後、硬化剤を施し、繊細な襞やシワ、折り目を立体として留めた作品。一方、ISSEY MIYAKE のプロジェクトチームによる「核」は、紙を蝋に浸す、糊で固める、束ねるといった加工によって強度を与え、スツールや椅子、テーブルへと展開された。「繊細さと頑丈さ」という相反する表情を引き出した2つのアプローチから、ペーパーログが秘める新たな可能性に触れてみてほしい。
会場: 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所: 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
会期: 8月13日(木)〜9月13日(日)
時間: 10:00-19:00
休館日: 火
HP: 2121designsight.jp
「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」
浅間山麓の自然と写真芸術が交差する国際的なアートフォトフェスティバル「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」が開催。今年はメイン会場の MMoP をはじめ、御代田町役場やまなびの館エコールみよた、西軽井沢第二公民館、Gokalab へと展示エリアを拡大し、国内外22組による300点におよぶ作品を町全体で展開する。テーマは「After the Image|イメージのその後」。写真が生み出すイメージが、鑑賞者の記憶や経験と結びつきながら変化していく過程に着目している。会場では、デンマークの Henriette Sabroe Ebbesen (ヘンリエッテ・サブロー・エベセン) をはじめ、ブラジル先住民族出身の Denilson Baniwa (デニルソン・バニワ) 、Taiyo Onorato & Nico Krebs (タイヨ・オノラト&ニコ・クレブス) のほか、石橋英之、遠藤文香、大野真人ら国内外の作家が参加。さらに、町民を撮影した『0-100 MIYOTA YEARS』や、地域で働く人々に焦点を当てた「MIYOTA WORKSCAPE」など、御代田町ならではのプロジェクトも展開。加えて、写真専門誌『IMA』が主催する公募「IMA next」の受賞作品も公開され、新たな才能にも光を当てる。町を巡りながら、写真と土地、人との新たな関係性に出会えるフェスティバルとなっている。
会場: MMoP *ほか、御代田町役場、まなびの館エコールみよた、西軽井沢第二公民館、Gokalab
住所: 長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1 (MMoP)
会期: 8月1日(土)〜9月27日(日)
時間: 10:00-17:00
休館日: 火 *8月11日、9月22日は営業
入場料: ¥1,500 *会期中何度でも利用可、小学生以下無料、中学生・高校生・障害者手帳をお持ちの方は割引あり、一部無料エリアあり
HP: asamaphotofes.jp
T.T「IN THE BEGINNING WOMAN WAS TRULY THE SUN」
T.T がウィメンズコレクションのローンチを記念し、ロンドンのクリエイティブスタジオ OK-RM (オリヴァー・ナイト、ロリー・マクグラス) との協働によるエキシビションを開催。本展では、写真やテキストを収録したブックと、3チャンネル映像インスタレーションを軸に、ブランドの原点と新たな展開を提示する。展示の軸となるのは、OK-RM が提唱する「ワールドビュー」という視点。男性性と女性性を対立ではなく互いを補完し合う存在として捉え、日本の陰陽思想や神道にも通じる相補的な世界観から、T.T のものづくりを再解釈する。また、「応用考古学」の思想をもとに、歴史や記憶、神秘性へと迫る表現を展開。ジェスチャーやシンボル、偶然性や即興性を取り入れて制作された写真や映像は、日常の現実と想像の世界という二つのレイヤーを行き来しながら、異なるメディアを通して T.T の世界観を立体的に浮かび上がらせる。
会場: 直観
住所: 東京都中央区日本橋兜町3-3 1F
会期: 8月1日(土)〜8月9日(日)
時間: 11:00-18:00 *8月9日は17:00まで
HP: taigatakahashi.com
「李禹煥 : Work on Paper / Sculpture」
李 禹煥《無題》1979、紙に鉛筆、28 × 37.5 cm
撮影 : 表恒匡
「もの派」を理論と実践の両面から牽引してきた李禹煥の個展。本展では、1970年代から近年までに制作されたドローイングと彫刻を通して、その表現の変遷を紹介する。会場には、木炭や水彩による力強い筆致を重ねた初期のドローイングから、筆跡を極限まで削ぎ落とし、広大な余白を生かした近年の作品までを展示。また、石と鉄という自然物と人工物を組み合わせた『関係項』シリーズの彫刻3点も公開され、異なる素材が生み出す緊張感や均衡、空間との関係性を体感できる。平面と立体を横断しながら、素材そのものの存在や、ものともの、人と空間の関係性に触れてみては。
会場: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 8月4日(火)〜10月10日(土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日、月、祝 *8月8日〜8月17日は夏季休廊
HP: scaithebathhouse.com
「スカルプチャーに宿る精神性をテーマにした展覧会」
Yuko Mohri
“Decomposition”, 2026
Furniture, Bozak speaker, audio amprifer, computer, cable, fruits, LED lights
©︎ Courtesy of the artist and Yutaka Kikutake Gallery
Photo by Osamu Sakamoto
立体表現を通して、世界の見え方や存在のあり方を問いかけるグループ展。映像やオブジェ、小説など多彩なメディアを横断するミヤギフトシや、自然現象をモチーフにインスタレーションを制作する毛利悠子をはじめ、生態系をテーマに制作する Trevor Yeung(トレバー・ヤン)、抽象表現を探究する松﨑友哉ら4名が参加する。ミヤギフトシは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番最終楽章「嘆きの歌」に着想を得た『Banner (from Klagender Gesang)』を展示。ランプシェードに刺繍された言葉を通して、大切な価値を訴える声の行く先を照らし出す。毛利悠子は代表作『Decomposition』を展示。果実の内部で続く生命の動きを、明滅する光と音の響きへと変換し、その気配を体感させる。さらに、Trevor Yeung は、アクアリウムや植物など人間が管理する生命体をモチーフに、共生や依存の関係性を描き出し、松﨑友哉は、支持体上に抽象絵画とファウンド・オブジェを組み合わせた作品を通して、世界の捉え方を揺さぶる。立体表現を通して、存在や生命をめぐる多様な視点に出会える内容となっている。
会場: Yutaka Kikutake Gallery Roppongi
住所: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 2F
会期: 8月1日(土)〜10月10日(土)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日、月、祝 *8月9日〜8月17日は夏季休廊
HP: yutakakikutakegallery.com/ja/exhibitions
井田幸昌 「ポイエシスの彼方」
《Naked Truth – S -》2026 油彩、カンヴァス 130.2×175.2cm
天王洲に新たに誕生したアートスペース「Gallery 地動説」のこけら落とし展として、画家・現代美術家、井田幸昌による個展「ポイエシスの彼方」が開催。本展では、ロンドンと東京を拠点に国内外で活動する井田幸昌が、新たな挑戦として取り組んだヌードをテーマとする最新シリーズを国内で初公開する。これまで「Portrait」シリーズを通して一貫して人間の実存を探究してきた井田幸昌は、戦争や身近な人の死、自身が海外で経験した差別をきっかけに、人種や国籍といった属性を超えた「人間そのもの」の姿へとまなざしを向けた。写実へと立ち返り、目の前に存在する身体を描くことで、自身の絵画表現の原点を問い直した本シリーズは、新たな創作の方向性を示す重要な試みとなる。タイトルの「ポイエシス」は古代ギリシャ語で「無から有を生み出す行為」を意味する言葉。世界の見方を更新する場を目指す「Gallery 地動説」の幕開けとともに、井田幸昌が切り開く新たな表現の世界に、ぜひ足を運んでみてほしい。
会場: Gallery 地動説
住所: 東京都品川区東品川 2-6-4 G1 ビル 101
会期: 8月4日(火)〜9月26日(土)
時間: 12:00-17:00
休廊日: 日、月、祝 *8月9日〜8月17日は夏季休廊
HP: nanjo.com/yukimasaida_overthepoiesis
佐内正史「佐内さん」
写真家・佐内正史による写真展「佐内さん」が、雑誌『写真』vol.9の刊行を記念して開催される。1997年に写真集『生きている』で鮮烈なデビューを果たし、2003年には写真集『MAP』で木村伊兵衛写真賞を受賞。以来、雑誌や広告、自主制作の写真集など幅広いフィールドで活動を続け、日本の写真表現を牽引してきた。本展では、岡本太郎のアトリエに遺された絵画や全国に点在するオブジェを訪ね歩いた「雷写」と、近作「Strong Memory」を往還する新作「オレの素」を軸に、撮り下ろし作品を展示する。「瞬間的に出会いと別れを繰り返しているのが写真の道だと思う」と語る佐内正史の言葉どおり、被写体との一瞬の交感を捉えた写真群からは、自身の写真表現の原点ともいえる「オレの素」が浮かび上がる。佐内正史の現在地と、その創作の根源に触れられる貴重な機会となりそうだ。
会場: ふげん社
住所: 東京都目黒区下目黒5-3-12
会期: 7月31日(金)〜9月6日(日)
時間: 12:00-19:00 *土、日は18:00まで
休廊日: 月、火、祝 *8月10日〜8月18日は夏季休業
HP: fugensha.jp











