今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP的
おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
8/2026
「あたらしい目―モネと21世紀のアート」
展示風景:「あたらしい目—モネと21世紀のアート」ポーラ美術館、2026年
撮影:中川周
印象派を代表する画家、Claude Monet (クロード・モネ) の没後100年と、
会場: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
会期: 6月17日(水)〜2027年4月7日(水)
時間: 9:00-17:00 *入館は午後4:30まで
休館日: 12月1日
HP: https://www.polamuseum.or.jp/
「特別展示|山中信夫、ルイザ・ランブリ、細倉真弓」
Nobuo Yamanaka あふれる太陽のピンホール(6) 1973 C-Type Print
Image: (H)25.0 x (W)30.0 cm
Framed: (H)51.4 x (W)41.0 x (D)2.8 cm
©︎ Nobuo Yamanaka, Courtesy of the artist and Takuro Someya Contemporary Art
写真を起点に独自の実践を展開してきた、山中信夫、Luisa Lambri (ルイザ・ランブリ)、細倉真弓による特別展示。1970年代に活動した山中は、自作のピンホールカメラを用い、太陽の光によってもたらされる現象を追究。人のまなざしや撮影技術を介さず、小さな穴から光を取り込みながら像を生み出した代表作『あふれる太陽のピンホール』を紹介する。イタリア出身の Luisa Lambri は、世界各地の建築を訪れ、差し込む光によって刻々と変化する空間の表情に着目。その時、その場所でしか感じられない空気や気配を捉えた作品を展示する。一方、細倉は、若者の身体と鉱物など対照的なモチーフを並置した「KAZAN」シリーズを披露。異なる被写体のなかに共通するエネルギーの流れを見出し、人間と自然、生物と無機物といった境界を越える独自のまなざしを提示する。3人のまなざしが重なり、見慣れた世界を別の角度から見つめ直すきっかけをもたらしてくれる。
会場: TERRADA ART COMPLEX I 3F TSCA
住所: 東京都品川区東品川1-33-10
会期: 8月15日(土)〜9月13日(日)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 日、月、祝
HP: tsca.jp
「As One Draws|TSCA 20th Anniversary Group Exhibition」
Takuro Someya Contemporary Art の設立20周年を記念したグループ展。これまでギャラリーと歩みをともにしてきた16組の作家を迎え、「ドローイング」を主題に作品を紹介する。本展では、完成作品に先立つ下絵や設計図として捉えられてきたドローイングを、作家の思考や制作への姿勢を映し出す根源的な方法として再考。1970年代にドローイングが絵画や彫刻に付随するものから、固有の表現可能性を持つ独立したメディアへと再評価された歴史を踏まえ、一本の線や痕跡、反復などから、技法や素材、形式と思考の結びつきを紐解く。出展作家には、デジタルで描いたイメージを絵画へと展開する Austin Lee (オースティン・リー) や、ストリートのライティング文化を起点に独自の線を追究する大山エンリコイサム、絵画や彫刻など領域を横断する岡﨑乾二郎、デジタルメディアを用いる Rafaël Rozendaal (ラファエル・ローゼンダール) らが名を連ねる。多様な実践から、「描く」という行為の可能性を見つめ直してみては。
会場: TERRADA ART COMPLEX I 3F TSCA
住所: 東京都品川区東品川1-33-10
会期: 8月15日(土)〜9月13日(日)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 日、月、祝
HP: tsca.jp
「British Contemporary: Michael Craig-Martin/ Damien Hirst/ Julian Opie」Vol.2
1980年代末から1990年代にかけて、英国のアートシーンを席巻した潮流「YBA (Young British Artists)」。本展では、YBA 世代に大きな影響を与えた Michael Craig-Martin (マイケル・クレイグ=マーティン) をはじめ、Damien Hirst (ダミアン・ハースト)、Julian Opie (ジュリアン・オピー) の3名の作品が一堂に会する。コンセプチュアル・アートを代表する作家のひとりである Michael Craig-Martin は、身近なオブジェクトを簡潔な線と鮮やかな色彩で描き、独自の視覚表現を築いてきた。ゴールドスミス・カレッジでは Damien Hirst をはじめ、後の YBA 世代を指導した。Damien Hirst は、生と死、時間、信仰を題材に、ホルマリン作品やスポット・ペインティングなど既成概念を揺さぶる作品を発表してきた。一方 Julian Opie は、人物や風景を極限まで簡略化した線と色面に落とし込み、絵画や彫刻、LED、デジタルメディアなど多様な手法で作品を手がけてきた。異なる世代と表現を持つ3名の作品から、英国現代美術の系譜を辿ってみては。
会場: imura art gallery
住所: 京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
会期: 8月1日(土)〜8月29日(土)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日、月、祝、夏季休業日
HP: imuraart.com
鈴木隆「Scarlet」
赤や青を基調とした絵画を通して、独自の色彩空間を探求してきたアーティスト・鈴木隆の個展。1980年代には鉄を素材とした彫刻を手がけ、その後ヨーロッパへと活動の場を広げた鈴木は、2000年代から限られた色彩によるミニマルな絵画を中心に制作を続けてきた。本展では、1990年代後半に始まった「Scarlet」シリーズにフォーカス。偶然手にした印刷物や身近な既製品を支持体に、それぞれが持つ形や構成に応じて鮮やかなスカーレットを施し、筆致を重ねていくことで、本来の機能や文脈から切り離された新たな姿へと変化させる。色彩を何かを描写するためではなく、対象に潜む気配や匿名性を浮かび上がらせる媒介として用いている点も特徴だ。会場ではシリーズの初期作品に加え、「隙間」の空間に応答して制作された新作も発表。鈴木ならではの色彩と事物の関係を体感してみては。
会場: 隙間
住所: 東京都台東区蔵前3-11-2 1F
会期: 8月8日(土)〜8月16日(日)
時間: 12:00-19:00
HP: sukima.henderscheme.com
イッセイ ミヤケ「ザ・ペーパーログ : 膜と核」
ISSEY MIYAKE (イッセイ ミヤケ) とスペインの建築事務所 Ensamble Studio (アンサンブル・スタジオ) による協業プロジェクトを紹介する特別展。着目したのは、独自の「製品プリーツ」の加工工程で生まれる副産物「ペーパーログ」。プリーツ加工の際に生地を保護する紙をロール状に圧縮したもので、加工による襞やシワ、折り目などの痕跡を留めている。本展では、2026年4月のミラノデザインウィークで発表された「記憶をもつオブジェ(膜)」と「家具のプロトタイプ(核)」という対照的なアプローチから生まれた2つの作品シリーズを再構成し、日本初公開する。Ensamble Studio による「膜」は、ペーパーログから剥がした紙を自由に造形したり、既存のオブジェを覆ったりした後、硬化剤を施し、繊細な襞やシワ、折り目を立体として留めた作品。一方、ISSEY MIYAKE のプロジェクトチームによる「核」は、紙を蝋に浸す、糊で固める、束ねるといった加工によって強度を与え、スツールや椅子、テーブルへと展開された。「繊細さと頑丈さ」という相反する表情を引き出した2つのアプローチから、ペーパーログが秘める新たな可能性に触れてみてほしい。
会場: 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所: 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
会期: 8月13日(木)〜9月13日(日)
時間: 10:00-19:00
休館日: 火
HP: 2121designsight.jp
「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」
浅間山麓の自然と写真芸術が交差する国際的なアートフォトフェスティバル「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」が開催。今年はメイン会場の MMoP をはじめ、御代田町役場やまなびの館エコールみよた、西軽井沢第二公民館、Gokalab へと展示エリアを拡大し、国内外22組による300点におよぶ作品を町全体で展開する。テーマは「After the Image|イメージのその後」。写真が生み出すイメージが、鑑賞者の記憶や経験と結びつきながら変化していく過程に着目している。会場では、デンマークの Henriette Sabroe Ebbesen (ヘンリエッテ・サブロー・エベセン) をはじめ、ブラジル先住民族出身の Denilson Baniwa (デニルソン・バニワ) 、Taiyo Onorato & Nico Krebs (タイヨ・オノラト&ニコ・クレブス) のほか、石橋英之、遠藤文香、大野真人ら国内外の作家が参加。さらに、町民を撮影した『0-100 MIYOTA YEARS』や、地域で働く人々に焦点を当てた「MIYOTA WORKSCAPE」など、御代田町ならではのプロジェクトも展開。加えて、写真専門誌『IMA』が主催する公募「IMA next」の受賞作品も公開され、新たな才能にも光を当てる。町を巡りながら、写真と土地、人との新たな関係性に出会えるフェスティバルとなっている。
会場: MMoP *ほか、御代田町役場、まなびの館エコールみよた、西軽井沢第二公民館、Gokalab
住所: 長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1 (MMoP)
会期: 8月1日(土)〜9月27日(日)
時間: 10:00-17:00
休館日: 火 *8月11日、9月22日は営業
入場料: ¥1,500 *会期中何度でも利用可、小学生以下無料、中学生・高校生・障害者手帳をお持ちの方は割引あり、一部無料エリアあり
HP: asamaphotofes.jp
T.T「IN THE BEGINNING WOMAN WAS TRULY THE SUN」
T.T がウィメンズコレクションのローンチを記念し、ロンドンのクリエイティブスタジオ OK-RM (オリヴァー・ナイト、ロリー・マクグラス) との協働によるエキシビションを開催。本展では、写真やテキストを収録したブックと、3チャンネル映像インスタレーションを軸に、ブランドの原点と新たな展開を提示する。展示の軸となるのは、OK-RM が提唱する「ワールドビュー」という視点。男性性と女性性を対立ではなく互いを補完し合う存在として捉え、日本の陰陽思想や神道にも通じる相補的な世界観から、T.T のものづくりを再解釈する。また、「応用考古学」の思想をもとに、歴史や記憶、神秘性へと迫る表現を展開。ジェスチャーやシンボル、偶然性や即興性を取り入れて制作された写真や映像は、日常の現実と想像の世界という二つのレイヤーを行き来しながら、異なるメディアを通して T.T の世界観を立体的に浮かび上がらせる。
会場: 直観
住所: 東京都中央区日本橋兜町3-3 1F
会期: 8月1日(土)〜8月9日(日)
時間: 11:00-18:00 *8月9日は17:00まで
HP: taigatakahashi.com
「李禹煥 : Work on Paper / Sculpture」
李 禹煥《無題》1979、紙に鉛筆、28 × 37.5 cm
撮影 : 表恒匡
「もの派」を理論と実践の両面から牽引してきた李禹煥の個展。本展では、1970年代から近年までに制作されたドローイングと彫刻を通して、その表現の変遷を紹介する。会場には、木炭や水彩による力強い筆致を重ねた初期のドローイングから、筆跡を極限まで削ぎ落とし、広大な余白を生かした近年の作品までを展示。また、石と鉄という自然物と人工物を組み合わせた『関係項』シリーズの彫刻3点も公開され、異なる素材が生み出す緊張感や均衡、空間との関係性を体感できる。平面と立体を横断しながら、素材そのものの存在や、ものともの、人と空間の関係性に触れてみては。
会場: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 8月4日(火)〜10月10日(土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日、月、祝 *8月8日〜8月17日は夏季休廊
HP: scaithebathhouse.com
「スカルプチャーに宿る精神性をテーマにした展覧会」
Yuko Mohri
“Decomposition”, 2026
Furniture, Bozak speaker, audio amprifer, computer, cable, fruits, LED lights
©︎ Courtesy of the artist and Yutaka Kikutake Gallery
Photo by Osamu Sakamoto
立体表現を通して、世界の見え方や存在のあり方を問いかけるグループ展。映像やオブジェ、小説など多彩なメディアを横断するミヤギフトシや、自然現象をモチーフにインスタレーションを制作する毛利悠子をはじめ、生態系をテーマに制作する Trevor Yeung(トレバー・ヤン)、抽象表現を探究する松﨑友哉ら4名が参加する。ミヤギフトシは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番最終楽章「嘆きの歌」に着想を得た『Banner (from Klagender Gesang)』を展示。ランプシェードに刺繍された言葉を通して、大切な価値を訴える声の行く先を照らし出す。毛利悠子は代表作『Decomposition』を展示。果実の内部で続く生命の動きを、明滅する光と音の響きへと変換し、その気配を体感させる。さらに、Trevor Yeung は、アクアリウムや植物など人間が管理する生命体をモチーフに、共生や依存の関係性を描き出し、松﨑友哉は、支持体上に抽象絵画とファウンド・オブジェを組み合わせた作品を通して、世界の捉え方を揺さぶる。立体表現を通して、存在や生命をめぐる多様な視点に出会える内容となっている。
会場: Yutaka Kikutake Gallery Roppongi
住所: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 2F
会期: 8月1日(土)〜10月10日(土)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日、月、祝 *8月9日〜8月17日は夏季休廊
HP: yutakakikutakegallery.com/ja/exhibitions
井田幸昌 「ポイエシスの彼方」
《Naked Truth – S -》2026 油彩、カンヴァス 130.2×175.2cm
天王洲に新たに誕生したアートスペース「Gallery 地動説」のこけら落とし展として、画家・現代美術家、井田幸昌による個展「ポイエシスの彼方」が開催。本展では、ロンドンと東京を拠点に国内外で活動する井田幸昌が、新たな挑戦として取り組んだヌードをテーマとする最新シリーズを国内で初公開する。これまで「Portrait」シリーズを通して一貫して人間の実存を探究してきた井田幸昌は、戦争や身近な人の死、自身が海外で経験した差別をきっかけに、人種や国籍といった属性を超えた「人間そのもの」の姿へとまなざしを向けた。写実へと立ち返り、目の前に存在する身体を描くことで、自身の絵画表現の原点を問い直した本シリーズは、新たな創作の方向性を示す重要な試みとなる。タイトルの「ポイエシス」は古代ギリシャ語で「無から有を生み出す行為」を意味する言葉。世界の見方を更新する場を目指す「Gallery 地動説」の幕開けとともに、井田幸昌が切り開く新たな表現の世界に、ぜひ足を運んでみてほしい。
会場: Gallery 地動説
住所: 東京都品川区東品川 2-6-4 G1 ビル 101
会期: 8月4日(火)〜9月26日(土)
時間: 12:00-17:00
休廊日: 日、月、祝 *8月9日〜8月17日は夏季休廊
HP: nanjo.com/yukimasaida_overthepoiesis
佐内正史「佐内さん」
写真家・佐内正史による写真展「佐内さん」が、雑誌『写真』vol.9の刊行を記念して開催される。1997年に写真集『生きている』で鮮烈なデビューを果たし、2003年には写真集『MAP』で木村伊兵衛写真賞を受賞。以来、雑誌や広告、自主制作の写真集など幅広いフィールドで活動を続け、日本の写真表現を牽引してきた。本展では、岡本太郎のアトリエに遺された絵画や全国に点在するオブジェを訪ね歩いた「雷写」と、近作「Strong Memory」を往還する新作「オレの素」を軸に、撮り下ろし作品を展示する。「瞬間的に出会いと別れを繰り返しているのが写真の道だと思う」と語る佐内正史の言葉どおり、被写体との一瞬の交感を捉えた写真群からは、自身の写真表現の原点ともいえる「オレの素」が浮かび上がる。佐内正史の現在地と、その創作の根源に触れられる貴重な機会となりそうだ。
会場: ふげん社
住所: 東京都目黒区下目黒5-3-12
会期: 7月31日(金)〜9月6日(日)
時間: 12:00-19:00 *土、日は18:00まで
休廊日: 月、火、祝 *8月10日〜8月18日は夏季休業
HP: fugensha.jp











